写真:鮎川 キオラ
地図を見るおしゃれなカフェや美術館など、華やかな賑わいの那須高原の中心から車で30分ほどの場所にある芦野地区。江戸・日本橋から各地を結ぶ五街道のひとつ奥州街道の関東北端の宿場町として栄え、40軒ほどの旅籠が建ち並ぶ賑わいをみせていたそうです。今では、幹線道路から外れたために、那須高原リゾートの喧騒を離れた静かな里山の景色を楽しめます。あの松尾芭蕉も「奥の細道」の道すがら、この地に立ち寄り「遊行柳(ゆぎょうやなぎ)の下でのんびりしていたら、田植えが田んぼ一枚分終わっていた」という意味の俳句を詠んでいます。その当時の里山の風情を残す「日本のふるさと」と言える風景をとどめています。
写真:鮎川 キオラ
地図を見る「丁子屋」を営む安達家は、芦野宿の旅籠の中でも宿役人として要職にあったこともあり、参勤交代で訪れる高級武士やその姫様たちが宿泊をしたといわれています。そういった位の高い武士たちは、外敵や火災から身を守れるように普通の客室には宿泊しなかったのだとか。火災に強く、頑丈に造られた蔵に宿泊しました。分厚い扉の奥には8畳間が2つ続く「蔵座敷」と呼ばれる部屋が今も残っています。
昼夜各1組限定ですが、事前に予約をしておけば、なんとこの蔵座敷で食事をさせてくれます。うれしいことに利用料は無料。味は同じですが、那須町の指定文化財に指定される蔵座敷の独特の雰囲気を愉しみながら、絶品うな重をいただくのも粋なものですね。
写真:鮎川 キオラ
地図を見るうな重は、うなぎの量に応じて小、並、上、特上から選べます。うなぎの高騰が続き、もはや庶民の食べ物でなくなりつつある国産うなぎ。丁子屋の国産うな重(小)のお値段1,250円は、お財布に優しいお手ごろ価格。各サイズのうな重には、肝吸い、お新香、季節のフルーツが付きます。ごはん大盛りサービスとなります。
でも、おすすめは特上3,200円。小は1切れのみ、しかも尻尾の部分がちょこんとのっている程度。ふっくら肉厚のうなぎが贅沢に3切半(1尾半)のっている特上は申し分ない食べごたえ。運ばれてきたうな重には2切半しかのってないけどご安心を。なんと下のご飯の間から1切れ出てきて、うなぎファンにはたまらない一品です。
炭火で軽く火を通したあと、15分ほど蒸し上げ、江戸初期の創業以来注ぎ足して使っている甘〜い秘伝のタレに浸し、もう一度焼けば完成。ふっくらしていて香ばしいうなぎは、まさに絶品!!
写真:鮎川 キオラ
地図を見る丁子屋では、近くを流れる奈良井川で捕れる天然うなぎを調理していたそうです。今では天然うなぎを十分確保できないことから、日本一の呼び声高い良質な三河産を仕入れ、清流・奈良川から引いた天然水を入れたいけすで、育てているそうです。そして注文が入ってからうなぎを採り、調理してくれます。
今年2013年2月、全国のうなぎ屋とうなぎファンを震撼するニュースがありました。なんと環境省は、捕獲量が減っている「ニホンウナギ」を絶滅危惧種に指定したのです。今のところ、うなぎの完全養殖は実用されていないので、養殖うなぎも天然の稚魚を捕獲して育てているのが現状です。今すぐにうなぎが食べられなくなることはないそうですが、いずれは・・・・・と思うと寂しいですね。
うなぎは、万葉の時代から食べられてきた日本人の食文化のひとつ。うなぎが食卓から完全に消えてしまわないことを祈りつつ、そんな貴重なうなぎだからこそ、炭火で丁寧に焼いた絶品うなぎをありがたくいただいてみてはいかがですか。夏本番前に、ビタミンAたっぷりのうなぎを食べて元気に夏を楽しみましょう!!
※写真は天然ウナギの稚魚です。細長い体をくねらせて泳ぐその姿はなんとも愛らしい。
【丁子屋】
栃木県那須郡那須町芦野2746
0287-74-0010
(昼)11:30〜15:00 (夜)17:30〜19:30
月曜日定休
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(2023/12/7更新)
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