写真:Hiroko Oji
地図を見るイタリア・シチリア島の玄関口パレルモ(Palermo)からバスに乗って20分ほどでモンレアーレ(Monreale)の麓の町に到着します。そこからさらにミニバスで数分、高台の大聖堂近くに到着したらそこはもう、モンレアーレの下町情緒溢れる町並みの中心地。鉄製のバルコニーが通りの頭上に並ぶ、オレンジ色の屋並みが続きます。時には洗濯物が翻り、植木鉢が置かれている生活感たっぷりの通りで、子どもたちがトランプをする風景にも出会え、どこかホッコリする風景で満たされています。
写真:Hiroko Oji
地図を見るモンレアーレの中心地、ヴィットリオ・エマヌエーレ広場に面して重厚な姿で聳え立つように存在感を放っているのがドゥオーモです。
1174年、グリエル2世によって建造されたドゥオーモは、正面入り口の両脇に2本の大きな塔が設置され、側面にある入口から出入りするようになっています。広場の反対側の壁面は、ノルマン時代のモザイク装飾で埋め尽くされ、ゴツゴツした厳つい雰囲気さえ伝えています。
写真:Hiroko Oji
地図を見るドゥオーモ内に一歩足を踏み入れた途端、その壮大なる光り輝くような壁面に目が釘付けになってしまいます。壁面全体をすべてモザイクで埋め尽くされ、金色に光り輝くその様は贅沢そのもの。聖母や天使・12使徒、聖人たちの様々な説話シーンなどがモザイク画で描かれており、壁面・アーチ・天井・柱は、一つひとつ見応えあるビザンチン様式の装飾で、びっしり!特に、ひときわ大きく、両手を広げて天井ドームに描かれるキリストには圧倒されてしまいます。
※ ビザンチン様式とは、大ドームをのせた集中式教会建築を特色とし、その内部を金色使用の豪華・華麗なモザイクおよび大理石を張り巡らせた石などで装飾したものです。
写真:Hiroko Oji
地図を見るドゥオーモ隣の敷地にある、たくさんの円柱に囲まれた回廊も見どころの一つとなっています。その数228本もあるという円柱には、それぞれ異なった模様とモザイクが施されており、円柱上部の柱頭装飾が素晴らしい!決して同じものはなく、その繊細さにも目を瞠るばかりです。回廊の一角にある噴水のある中庭では、異次元の世界にいるような神秘的な雰囲気に包まれ、時が止まったかのように思ってしまいます。
写真:Hiroko Oji
地図を見るドゥオーモ裏の通りの端っこにある小さな広場や、回廊の奥に広がる庭園からは、素晴らしい眺望が楽しめます。特に回廊の奥には、緑生地げる庭園が整備されており、その端には高台から見下ろせる見晴らし台が用意されています。遠くには地中海、手前にはパレルモの街並み、そして、オレンジ色の家並みと緑の木々が埋め尽くすコンカ・ドーロ盆地と盆地を取り巻く山並み。モンレアーレの町自体が高台にあるので、これらの眺望も見どころの一つといえるでしょう。
素晴らしいビザンチン装飾のドゥオーモや回廊で目の保養をした後、下町情緒あふれる町並み散策を楽しみましょう。広場や通り沿いには、手頃で美味しいレストランもテラス席を広げていますので、どうぞ一休みしながら寛いでくださいね。
ウンベルト通りの坂道を上って行った所には聖堂参事会付属教会があります。教会の壁面に、マヨルカ焼きタイルでできた大きな「十字架上のキリスト像」があります。教会内は、パレルモ出身の彫刻家・セルポッタのスタッコ装飾が美しく、ここも見所になりますので、どうぞお見逃しなく!
※ スタッコ装飾のスタッコとは、ギリシアやローマ、イスラム建築の装飾によく使われているもので、表面を大理石に似た仕上げにするために塗る壁の材料のこと。水と石灰、大理石粉、砂、粘土などと混ぜて練ってつくられます。
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(2024/4/19更新)
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