写真:乾口 達司
地図を見る明日香村を代表する観光スポット・飛鳥寺から、北東方向に歩いて数分。集落の東端にこんもりとした森があります。「飛鳥坐神社」は、古来“飛鳥の神奈備”と呼ばれてきたその森に鎮座しています。
祭神は事代主神・飛鳥神奈備三日女神・大物主神・高皇産霊神。『日本書紀』の686年(朱鳥1)の記事に「飛鳥神社」の名が見えることから、この頃にはすでに創建されていたことがうかがえます。『日本紀略』によると、当地に遷って来たのは、829年(天長6)のこととされています。
写真:乾口 達司
地図を見る鳥居の手前には、井戸があります。こちらの井戸は、平安時代に流行した古代歌謡・催馬楽のなかで「飛鳥井に 宿りはすべし や おけ 陰もよし 御水も冷し 御秣もよし」と詠まれた「飛鳥井」であるといわれています。
写真:乾口 達司
地図を見る鳥居をくぐり、石段を登ると、本殿に到着します。本殿からは、境内が奥へ、奥へと広がっています。
最初にあらわれるのが、写真の陰陽石。ご覧のとおり、男性のシンボルをかたどったものですが、飛鳥坐神社には、こういった陰陽石があちらこちら無造作に安置されているため、決して驚かれないように。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらでは、左側に女性のシンボルをかたどった石、右側に男性のシンボルをかたどった石がそれぞれ仲良く並んでいます。
飛鳥坐神社では、男性のシンボルをかたどった陽石が多いのに対して、陰石の方は少ないことからも、貴重なペアであるといえるでしょう。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらのペアは、屋根付き。大事にされているのがわかりますね。
写真:乾口 達司
地図を見る境内には、祠がずらりと並んだ区画があります。
写真:乾口 達司
地図を見る祠の下をよくご覧ください。それぞれの祠の下に石が置かれているのが、おわかりいただけるでしょう。
こちらの石もそれぞれ男性あるいは女性のシンボルに見立てられています。
写真:乾口 達司
地図を見るもちろん、祠もなく、無造作に並べられているものもたくさんあります。お気に入りの陰陽石、探してみましょう。
写真:乾口 達司
地図を見る境内のもっとも奥には、ご覧の社があります。もうおわかりでしょう。こちらに鎮座しているのも、やはり陰陽石です。
写真:乾口 達司
地図を見る内部を拝見すると、ご覧の立派な陽石をご覧いただけます。「奥の大石」と呼ばれるこちらの陽石の高さは、約1メートル。境内に点在する陰陽石のなかで、もっとも大きなものです。
陰陽石マニア、必見の逸品です。
写真:乾口 達司
地図を見る鳥居の脇にある社務所では、授与品の販売もおこなわれています。授与品の種類はさまざまで、一般的な御守のほか、境内の陰陽石にちなんだ珍しい授与品も販売されています。その代表が、写真の「珍々鈴」。「珍々」は、もちろん、男性のシンボルである「ちんちん」を指し示しています。旅の記念に求めてみてはいかがでしょうか。
飛鳥坐神社がいかに古代以来のおおらかな性信仰と結びついた神社であるか、おわかりいただけたことでしょう。性信仰の聖地であるということは、飛鳥坐神社が、男女の出会いを演出してくれる縁結びの神さまでもあるということを意味します。陰陽石というと、とかくB級スポット風の珍妙さばかりが印象付けられますが、その意味で、純粋に縁結びを求める男女にも、ぜひ訪れていただきたい神社です。
飛鳥坐神社を訪れ、古代以来のおおらかな性信仰をお楽しみください。
住所:奈良県高市郡明日香村飛鳥708
アクセス:奈良交通バス「飛鳥大仏」下車後、徒歩約3分
2025年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
乾口 達司
これまでは日本文学や歴史学の世界で培った見識にもとづいて数多くの評論や書評を執筆してまいりました。奈良生まれ、奈良育ちの生粋の奈良っ子。奈良といえば日本を代表する観光地の一つですが、地元民の立場からい…
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