写真:澁澤 りべか
地図を見る第二次世界大戦が勃発する少し前の1933年。ハンガリーで1つの歌が生まれました。題名は『暗い日曜日』。恋に破れた切なさを歌う、憂いを帯びた美しい旋律でたちまち大ヒット。1936年にはシャンソン歌手ダミアがフランス語(『ソンブル・ディマンシュ』)で歌い、さらにアメリカではビリー・ホリデーなどがカバー(『グルーミー・サンデイ』)しました。こうして『暗い日曜日』は世界中に広まっていったのです。
作曲者はハンガリー人のレジョー・セレシュ。彼が当時住んでいたのがブタペストのレストラン『キシュ・ピパ』のある建物の最上階でした。
写真:澁澤 りべか
地図を見る“小さなパイプ”を意味する『キシュ・ピパ』は、地下鉄1号線のオペラ駅と2号線のブラハ・ルイザ・テール駅のちょうど中間、どちらからも歩いて十数分のところにあります。アールヌーヴォー調の雰囲気のこじんまりとした店で、かつて「ニューヨーク・タイムズ」で“エルベ川からウラジオストークの間にある最も極上な店”と紹介されました。
1999年に公開された映画『暗い日曜日』によってこの店は有名になりましたが、映画のストーリーは1988年に書かれた小説をもとにしたもので、あくまでフィクションです。ハンガリーではこの映画はあまり知られていません。
写真:澁澤 りべか
地図を見る『暗い日曜日』を作曲したセレシュはこの店で毎晩ピアノを弾いていました。当時のものかは定かでありませんが、店には今も小さなピアノ(写真中央)があり、夜だけ生演奏が行われます。海外からきた観光客向けに、毎晩『暗い日曜日』が演奏されるのです。ピアノの後ろの壁にはセレシュの肖像画がかかっています。
写真:澁澤 りべか
地図を見るハンガリーといえばフォアグラ!ハンガリー語でリバマーイ。『キシュ・ピパ』はなんと言っても、本格的なフォアグラ料理が日本では考えられないような価格でいただけるのが魅力です。
写真はフォアグラのソテー。焼いたリンゴやベリーの実が添えられていて、フォアグラのこってり感とフルーツの甘みや酸味が絶妙にマッチします。サラダ仕立てのフォアグラの冷製もおすすめ。どちらも白ワインによく合います。そのほかにグヤーシュなどの伝統的なハンガリー料理、家庭料理もそろっています。メニューが豊富でどれもおいしそうなので、選ぶのに時間がかかってしまうほどです。
最寄り駅がどちらも遠いので、暗くなってから行くまたは帰る場合には十分周囲に注意してください。とくに治安が悪いところではありませんが、そばにこれといった目印もなく人通りもあまりないので、少し分かりにくいかもしれません。
店員さんは英語を話しますし、英語メニューもあり。ぜひともハンガリー名物のリバマーイを召し上がれ!
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(2024/3/29更新)
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