ウシュグリをいつも見下ろしているのは、グルジア最高峰(5,068 m)であるシュハラ山。
雪解け水が集まって川となり、村の中心を流れています。
「山と塔の組み合わせ」という独特の景観を見るためには、少し早起きしてみましょう。季節によりますが、一般的に早朝〜午前中にかけては晴れており、午後になると雲が掛かってきます。
写真の中に見える、幾つもの塔は「復讐の塔」と呼ばれています。
9世紀頃スワネティ地方で始まった「血の掟」とは、自分の家族が殺されたり危害を受けた場合相手の一族に復讐できるという、やや血腥いもの。お互いの復讐の連鎖から身を守る場を確保するために、ウシュグリ近辺の村では家族毎に塔が建てられる事になりました。
現在は博物館やお店、倉庫として使われており、1996年には世界遺産に登録されています。
ウシュグリはシュハラ登山への拠点でもあり、実際にこの村に住み、トレーニングを重ねるアルピニストと出会うことも。
登山とまで行かなくても、山の麓まで近づき氷河の上を歩く日帰りトレッキングが可能です。道は殆どフラットで、季節の鮮やかな花々を楽しめるため女性にも人気!
トレッキングの際には、歩きやすく濡れにくい靴と、脱ぎ着しやすいジャケットの着用がおすすめ。ルートは一本道で迷う心配はありませんが、季節によっては途中で小さな川を飛び越えて進んだり、湿地帯を抜けることになります。
山の麓であるため天気はとても変わりやすく、こまめな体温調節が楽しむポイント。
ウシュグリには現在も70家族(200人程)が暮らしており、昔ながらの生活が営まれています。夜明け前に乳搾りをし、日が昇る頃には家畜達を山に放牧に出し、車の代わりに牛がソリを引き、日没とともに眠りにつき・・・
川沿いに幾つもの小さなホテルがあり、それぞれ農家のお母さん達によって運営されています。食卓に並ぶのは、自分達の飼う家畜から作られた乳製品やお肉料理。
お腹いっぱいにご馳走を頂いたら、薪の燃える暖炉を囲んでお喋りするのも、オツな夜というもの!
昔ながらの牧畜生活が営まれているウシュグリには、沢山の人懐っこい動物がいます。
実際、人口より動物の数の方が多いくらい。
馬や牛は草をのんびり食んでいて、好奇心おう盛な羊たちは人の姿を見るなり寄ってきてしまうのです。
やぎに思わず手袋を食べられそうになったりも・・・
コーカサス地方が原産のシェパード「カフカス犬」も放し飼いにされていて、実際に羊を追ったり、遊んで遊んでー!と、もふもふな身体を掏り寄せてくることもしばしば。
動物好きな人にはたまらない環境です。
グルジアの首都トビリシから中継都市メスティアまで約8時間、メスティアからは4WDをチャーターして約1時間半のアクセスです。
グルジアにはビザ無しで行けるのも、大きな魅力!
荘厳な山々、豊かな自然や動物たちに囲まれて、人間としての原点に回帰できるウシュグリ村。
日頃の忙しさを忘れて、ゆったりとした時間を過ごすのはいかがでしょうか。
この記事の関連MEMO
この記事を書いたナビゲーター
Grace Okamoto
時に、旅に出ることによって人は変わることがあります。これまで知らなかった景色・人々・価値観・文化と出会いは、自分の振れ幅を大きく成長させてくれます。そんな新しい世界を体感するためカメラを片手に飛び出し…
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索