栃木県の低山ハイキング「行道山」古刹を巡る展望の尾根

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栃木県の低山ハイキング「行道山」古刹を巡る展望の尾根

栃木県の低山ハイキング「行道山」古刹を巡る展望の尾根

更新日:2016/06/24 11:13

大木 幹郎のプロフィール写真 大木 幹郎 巨木マニア、中級登山者、ブロガー

栃木県の南西端に位置する足利市は、奈良、鎌倉時代を創建とする多くの寺社が残り、北部は市街地から標高が700m以下の山間部が緩やかに広がっています。そんな足利市で、由緒ある寺社の拝観と低山ハイキングを併せて楽しめるのが、標高約442mの「行道山」です。行道山から市街地を繋ぐ尾根道を歩けば、古刹を巡りながら展望を楽しむことができます。織姫神社と行道山浄因寺を結ぶコースをご紹介します。

「織姫神社」縁結びの神社は市街に面した尾根の南端

「織姫神社」縁結びの神社は市街に面した尾根の南端

写真:大木 幹郎

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織姫神社は、行道山から続く尾根の南端付近の市街中心部、織姫山の中腹にあります。創建は宝永2年(1705)に足利藩主の戸田忠利によるものです。現在の朱塗りで美しい姿の社殿は、昭和12年(1937)に再建されたもので、国の登録有形文化財になっています。祀られている御祭神は、機織をつかさどる「天御鉾命」と織女の「天八千々姫命」の二柱の神様です(天御鉾命:あめのみほこのみこと、天八千々姫命:あめのやちちひめのみこと)。男女の縁結びや、産業振興の縁結びの信仰が篤い神社です。

行道山へのルートは、社殿の向って右奥へ進み、織姫公園の中(鏡岩展望台まで)となる尾根上を進みます。以下、織姫神社から両崖山までのコース解説と移動時間です。なお、移動時間には、休憩時間は含めていません。織姫神社から行道山までの全コースの移動時間は、2時間30分から3時間30分を目安として下さい。

【 織姫神社 〜 両崖山 (約45分) 】
■緑色の橋   :社殿奥から階段を登り古墳とレストランの先
■鏡岩     :つつじ園の中を通った先の岩の坂。上部に展望台
■岩の急坂   :両崖山が近いと岩が露出した急坂。上部に展望台
■両崖山    :手前に天狗山への分岐。足利城跡と御嶽神社

「両崖山」城跡と市街を見渡せる展望台

「両崖山」城跡と市街を見渡せる展望台

写真:大木 幹郎

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鏡岩展望台を過ぎると平坦な尾根道が続きますが、両崖山が近くなると鏡岩よりも長い岩の急坂が続き、上部に木造の展望台があります。写真は展望台からの眺めです。手前の校庭の見える学校の奥に、足利市を代表する史跡である鑁阿寺と、左奥に重なって足利学校が見えています。中央を流れるのが渡良瀬川です。天気がよければ富士山や、東に筑波山、西に赤城山、北に日光の連山を遠望できます。

展望台から山頂は目の前で、続く鳥居と階段の先が山頂で、ここは足利城の本丸跡であり、今は御嶽山神社が鎮座しています。周囲には城跡の石積みの一部や、堀切などが残っています(足利城:天喜二年・1054〜天正十八年・1590)。

両崖山から大岩毘沙門天へのコースの途中では、2度ほど尾根道から林道の大岩月谷線と合流します。2度目の合流では、山道の尾根道へ入らず林道を進む方が楽で、かつ大岩毘沙門天の正面へ出られますが、ハイキング気分を重視するなら尾根道がお勧めです。

【 両崖山 〜 大岩毘沙門天 (約60分) 】
■雷電神社分岐 :小さい上り下りや平坦な尾根が続く
■カタクリ群生地:近くに林道・大岩月谷線が見える
■林道の横断  :林道を横断し尾根へ登る
■高速道路   :尾根の下をトンネルで北関東自動車道が通る
■林道との合流 :林道と合流。林道を進まず尾根道へ入る
■行道山への分岐:林道終点にある。終盤はやや急坂
■大岩毘沙門天 :行動山との分岐点から約5分

「大岩毘沙門天」日本三大毘沙門の一つ

「大岩毘沙門天」日本三大毘沙門の一つ

写真:大木 幹郎

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大岩毘沙門天(大岩山多聞院最勝寺)は、天平17年(745)に行基菩薩に開創され、御本尊の毘沙門天像は純金像(約4.5cm)で聖徳太子の作と云われています。京都の鞍馬山、奈良の信貴山と並ぶ日本三大毘沙門の一つの霊場です。御開帳は、毎月一日です。

朱塗りの山門の両脇に安置された仁王像は、運慶の作と云われ、凄みのある眼光と躍動感ある逞しい体躯で迫力あります。本堂は宝暦12年(1762)に再建されたもので、質実剛健な山寺に相応しい雰囲気の立派な建物です。本堂の向って右手前には、御神木の毘沙門スギが立ち、推定樹齢600年、幹周7m、樹高29mもの足利市で最大のスギの巨木です。

最勝寺では奇祭として有名な悪態祭りがあります。大晦日の晩から元旦の未明まで、修験者を先導として「バカやろう」等と大声で叫びながら本堂を目指して登り、一年のうっぷんを晴らすというものです。

大岩毘沙門天の東側にある大岩山西公園の駐車場は、夜景が美しいことで知られた展望地なので立ち寄りをお勧めします。

【 大岩毘沙門天 〜 行道山・涅槃台 (約40分) 】
■行道山への分岐:林道終点の分岐へ戻る
■剣ヶ峰    :急坂の道をジグザグに登った先
■行道山    :割と平坦な道が続く。山頂の見晴らしは良い
■涅槃台    :北上した尾根道が東へ下るようになった先

「行道山」展望の山頂と安らぎの涅槃台

「行道山」展望の山頂と安らぎの涅槃台

写真:大木 幹郎

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行道山の山頂(標高441.7m、石尊山)は展望地で、東屋とベンチがあり、西に群馬県の赤城山を始め上信越の山々、北に日光連山を遠望しつつ休憩できます。山頂から尾根を北上して下るとベンチのある場所(仏法峠)に出て、そこから東へ下れば、石仏群のある涅槃台に着きます。ここは行道山浄因寺の西側の断崖上にある場所です。写真は涅槃台の寝釈迦です。

涅槃台の岩場の最上部に安置されているのが寝釈迦です。寝釈迦は右腕を枕に西向きに横たわる涅槃のポーズです。浄因寺は、奈良時代の和銅7年(714)に行基菩薩による開創とされる古刹で、境内や山中には、三万三千体もの石仏があると称され、ここ涅槃台は特に石仏が集中しています。里山の風景を見下ろせる岩の上で、優しげな表情の石仏群と、安らかな寝釈迦に囲まれて、心穏やかな気持ちになれる場所です。

【 涅槃台 〜 浄因寺 (約10分)】
■墓所     :涅槃台から途中にある墓所付近までやや急な下り
■浄因寺    :墓所から先、片側が切れ落ちた道で足元注意

「浄因寺」栃木県の名勝第1号となった古刹

「浄因寺」栃木県の名勝第1号となった古刹

写真:大木 幹郎

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行道山浄因寺は、和銅7年(714)に行基菩薩が「我が道を行ずるの霊地」として開創したと云われる古刹です。室町時代に足利幕府により中興開山され、関東の高野山と仰がれました。江戸時代には、徳川幕府の庇護を受けて栄えました。

写真は、本堂の上に建つ熊野心月堂の前から見た清心亭です。断崖の上に立つ小庵と、そこへ通じる天高橋の、南画さながらの眺望は、昔から多くの人々を惹きつけ、江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の作品にも2度描かれています(下野行道山、足利行道山くものかけ橋)。清心亭や石仏群や展望の山頂といった見所の多い浄因寺は、昭和50年(1975)に栃木県の名勝第1号となりました。

清心亭は内部を見学できますが、公開は不定期です。亭の内部や天高橋では足元が危険なので慎重に行動して下さい。平成26年(2014)には、駐車場から境内までモノレール(定員5名)が運行されるようになりました。

おわりに

以上、栃木県足利市の低山ハイキング、由緒ある古刹を巡り、歴史ある街並みを望む尾根道でした。ハイキングコースの要所である、織姫神社、大岩毘沙門天、行道山浄因寺の3つは、入口の近くまで駐車場があるので、車で巡ることもお勧めします。織姫神社から行道山へ向うより、逆の行道山から織姫神社へ向う方が、下り坂となるので疲労は少ないです。往復する場合の移動時間は7時間を目安として下さい。浄因寺へのアクセスや帰路は、市営バスの行道線が利用できますが、本数が少ないので、タクシー利用か、バス利用の場合は浄因寺からのスタートがお勧めです。

行道山を含めた登山マップ、浄因寺の清心亭の公開日とモノレールの運行日やアクセスについては、MEMOより足利市観光協会のWebサイトをご確認下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/11/30 訪問

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