冬の新宿御苑はオシドリを始め、美しいカモが飛来する名所!

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冬の新宿御苑はオシドリを始め、美しいカモが飛来する名所!

冬の新宿御苑はオシドリを始め、美しいカモが飛来する名所!

更新日:2015/12/21 11:54

鷹野 圭のプロフィール写真 鷹野 圭 首都圏自然ライター

高層ビルや商業施設が立ち並び、人出の絶えない新宿の街。そんな大都会の一角でありながら巨大な緑地を有する新宿御苑は、日本庭園あり、バラ園あり、プラタナスの美しい並木もあれば広々とした芝生もある……多彩な植物景観が集まった至高の風景式庭園です。無論冬になれば花も緑も減り少々寂しくなりますが、一方で水場や樹林に目を向ければ、花にも劣らぬ美しい水鳥や小鳥の姿が! そう……冬の御苑は野鳥たちの楽園なのです。

新宿新都心に残された、貴重な「緑の島」で

新宿新都心に残された、貴重な「緑の島」で

写真:鷹野 圭

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日本で初めての皇室庭園として今の新宿御苑が生まれたのは明治39年のことですが、元々は信州高遠藩主の大名屋敷があった場所であり、その歴史は遠く江戸時代以前にまで遡ります。現在ではメタセコイアやプラタナスの大木が並び、イギリス・フランス様式を取り入れた多国籍型の庭園となってはいますが、当時の文化を伝える純和風様式もしっかりと残されており、落ち着いた風情を演出しています。特に、開放的で潤いのある“池”はほぼ和風庭園に集中しており、年間を通じて多くの外国人旅行客が訪れるスポットです。苑内の西端から東端にかけて上の池・中の池・下の池と3つの大きな水場があり、後述しますがカモたちもほとんどここで見られます。池の周りには広々とした芝生が広がっていますので、シートを敷いて一休みするのもいいでしょう。

また、自然な雑木林が広がる「母と子の森」も必見。クヌギなどを中心とした森の中に清らかな小川が流れ、森林浴をしているとここが新宿の真っ只中であることを忘れてしまいます。夏場には緑の潤いと木漏れ日を、そして冬場には小鳥たちのさえずりを楽しめますよ。

ビューポイントは多数ありますが、おススメは池を含む日本庭園越しに新宿高層ビル群を望む地点。中の池にかかる橋から西側を見ると、庭園風景と都会の象徴がちょうどよく調和します(夕方は逆光になるので、できれば午前中にどうぞ)。花なら、冬であれば下の池近くのスイセンとイギリス風景式庭園のフクジュソウは押さえておきたいところです。

目の前にやってくる可愛らしいカモたち

目の前にやってくる可愛らしいカモたち

写真:鷹野 圭

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留鳥として四季を通じて見られるカルガモを除き、多くのカモは冬場から春先にかけての限られた期間にのみ見られます。苑内の水場をくまなくチェックしてみましょう。写真は苑内東側の森に隣接する玉藻池。特に柵などは設けていないため、ご覧のようにごく間近でカモを観察することができます。

ここで見られるカモ類は、マガモやキンクロハジロなどのオーソドックスな種のほか、後述しますがオシドリも見られます。他にはアオサギ、コサギ、ダイサギなどのサギ類も常連さん。まれにカワセミが出現することもありますので、水場はよくチェックしましょう。そのほか、茂みには黄色い羽が目立つアオジが、開けた芝生広場にはツグミなどの冬の小鳥が飛来します。カモの観察がてら探してみるのもいいかもしれません。

新宿真っ只中なのに、時にはこんな珍鳥が訪れることも!

新宿真っ只中なのに、時にはこんな珍鳥が訪れることも!

写真:鷹野 圭

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これは2015年初頭に撮影したものですが、何というカモかわかりますでしょうか? 恐らく多くの方は初めて見られたのではないかと思います。トモエガモといいまして(写真の個体はオス)、その名の通り緑とクリーム色の模様がちょうど巴紋のような形を作っているお洒落な配色が特徴です。

実はこのカモ、環境省のレッドリストでは絶滅危惧II類にカテゴリされていまして、生息地の減少などにより近年数が激減しているとか……。その希少さはオシドリなどとは比べ物にもなりません! 環境の整った自然公園などでもそう滅多に見られるものじゃなく、通常であればこんな都会の真っ只中である御苑に飛来するなど想像もつかないことです。が、私が見た2015年初頭のみならず、その前年にも飛来が確認されているので、まったくの偶然というわけでもないようです。やはり、豊かな森に囲まれた広い池があり、どんぐりなどの食料が豊富な御苑の環境が気に入ったのかもしれませんね。

地方の自然地でもなかなか見られない貴重な鳥だけに、これからの動向が気になりますね。願わくば、末永く彼らが飛来してくれる環境が守られ続けてほしいところです。

上の池でオシドリの群れを探そう!

上の池でオシドリの群れを探そう!

写真:鷹野 圭

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上記のトモエガモは珍鳥で滅多にお目にかかれる鳥ではありませんが、同じ“美しいカモ”の中ではかなり高確率で見られる種もいます。それがこのオシドリ。名前だけなら耳にしたことがあるのではないでしょうか? ここ新宿御苑では毎年冬になると多数のオシドリが飛来します。オス・メス合わせて数十羽。東京では恐らく最も簡単に野生種の姿を見られるスポットの一つです。

が、ここで注意点を一つ。オシドリは本来警戒心が強く、深い森の中の池など閉鎖的な環境を好むカモです(都内なら他に明治神宮の内苑などがお好みらしい……)。そのため、雑木林と隣接した上の池に集まっていることがほとんどなのですが、水面まで迫り出した木の枝で姿が隠れてしまったり、午後だと西日が眩しくて観察や撮影が難しかったりと、割と近い位置にいるにもかかわらず一筋縄ではいきません。対策としては、まず必然的に西側を向きっぱなしになるので午前中を狙うこと。そして焦らず、オシドリたちが警戒心を解いて出てきてくれるのを静かに待つことが大事です。

2月、満開の寒桜にバードウォッチャーも注目!?

2月、満開の寒桜にバードウォッチャーも注目!?

写真:鷹野 圭

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多国籍型庭園ともいうべきこの新宿御苑ですが、やはり一番際立つのは「和」の情緒。そういうわけで池の周囲には、古来より日本で親しまれてきたウメやサクラなどが多く植栽されています。

晩冬にもなるとご覧のように寒桜やウメが満開になり、寒空ながらも多くの来園者が! 本格的な日本庭園景観を長らく維持しているだけに、樹形も美しくなおかつ迫力があります。

さて、ここで写真に注目。集まっている皆様方のお目当てはもちろん寒桜の花なわけですが、中には、本格的なカメラを構えて何かを追いかけている人も……。実はこの木、ちょうどメジロが訪れて花の蜜を吸っているところなのです(写真ではさすがに到底見えないと思いますが(汗))。意外とご存知ない方も多いのですが、小鳥も蜜を求めて花を訪れるのです。明るいオリーブ色のメジロは淡いピンクの花ととてもよくマッチし、身軽さを活かしてあちこち動き回る姿は可愛らしく、花単体以上に多くの人の注目を集めます。決して珍しい鳥ではなく、ここではとてもメジャーな小鳥。でもなかなかジッとしてくれないので、慣れない内は撮影するのは難しいかも? 鮮明に撮りたい方は根気よく粘ってみましょう。

“都会のオアシス”は、冬でも生きものと賑わいがいっぱい!

東京という町は大都会でありながら随所随所に水と緑の癒し空間を有し、意外なほど生きものに満ちた都市です。そうした大都会のオアシスの代表格というべき新宿御苑は、お花畑あり、落ち着いた和の佇まいあり、都市景観・水辺・緑のハーモニーあり……そして豊かな自然を糧に多くの生きものが集まります。冬、木々が葉を落として視界が開けたこの時期は、まさにバードウォッチングシーズン。カメラ、双眼鏡を持って、ぜひじっくり苑内を巡り歩きながら小鳥やカモたちを探してみてください。運が良ければ、今年もまたトモエガモが来ている……カモ?

【アクセス】
各線「新宿駅」より徒歩約10分
東京メトロ丸の内線「新宿御苑前駅」より徒歩約5分
東京メトロ副都心線・都営新宿線「新宿三丁目駅」より徒歩約5分

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/02/21 訪問

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