写真:鮎川 キオラ
地図を見る一年を振り返って、何回「バカヤロー!!」と叫びましたか?そして、何回「バカヤロー」の言葉を飲み込んだでしょうか?きっと多くの方が、バカヤローと言いたい気持ちを抑えて過ごしたのではないでしょうか。昔も今も、「バカヤロー」なんて軽々しくは言えませんよね。でもね、年に1度だけスッキリしてみませんか?
京都の鞍馬山、奈良の信貴山と並び日本三大毘沙門天のひとつである栃木県足利市の「大岩毘沙門天」。こちらには大晦日から元旦にかけて毎年行われる「悪口(あくたい)まつり」という変わったお祭りがあります。1年間積もった「バカヤロー」の気持ちを声高々に叫び、すがすがしい気分で新年も迎えましょうという奇祭です。
大晦日に古いお守りを処分して、新年に新しいお守りをもらうように、古い心の「モヤモヤ」は大晦日に発散して、スッキリ新年を迎えることのできるおまつりなのです。
写真:鮎川 キオラ
地図を見るおまつり当日は、大きな声を競い合う「悪口大声コンクール大会」から始まります。参加費は無料で、優勝者には、なんと1万円のお年玉がもらえます。
簡易的に作られた舞台に立って、大声で叫びましょう。闇夜と周囲の木々に音が吸収されて、予想以上に大声が響き渡らないものです。参加者の自慢の大声は、音量測定器によって公平に審査されます。大声を張り上げるあまり、頭上に叫んでしまうとあまりいい数字が出ません。音量を拾うマイクに向かって叫びましょう。
定員は先着60名、毎年すぐに定員になってしまいます。参加希望者は、大声コンクール開始10時の少し前にスタンバイしておきましょう。
写真:鮎川 キオラ
地図を見る大声コンクールで喉を慣らせたら、いよいよ悪口まつりの始まりです。修験者の法螺貝の音に先導されて、山頂まで大声をかけ合いながら目指します。山頂までは、歩いて約20〜30分ほど。満点の星空を仰ぎならが、最初は控えめな「バカヤロー」の参加者も、だんだん「大バカヤロー!!」「給料上げろー!」「鬼嫁ーーー優しくしてくれ」なんていろんなうっぷんが出てきます。
山頂に着く頃には、「星がキレイだー」「来年こそ彼女作るぞー」と、もはや悪口でなくなってきている参加者もいます。大声で叫んでいるうちにスッキリ、すがすがしい気持ちになってしまうのです。
写真:鮎川 キオラ
地図を見る山頂にある最勝寺まで到着すると冷えた身体を温めてくれる甘酒が用意されています。午前0時を過ぎて新年になったら悪口まつりは、終了です。
代わって新年の護摩修行がはじまり、その後は祈願者の額からお神酒を流し、大盃で受け止めて飲む「滝流しの儀式」が始まります。幸運が滝のように流れることを意味しているそうです。
悪口まつりなんて言うと物騒なおまつりに聞こえますが、往く年の「悪」をはらい、来る年の「幸」を願う素晴らしい伝統行事です。江戸時代から伝承される由緒正しいおまつりでもあります。その昔、大晦日の夜には足利の市街地から大岩山の山頂まで提灯の光の帯が絶え間なく続くほどの大盛況だったそうです。
悪口まつりには、お約束がひとつだけあります。「ぼう」のつく言葉だけは叫んではいけません。例えば、「どろぼう」や「びんぼう」です。それ以外は、元旦の午前0時までは何を叫んでも自由です。
【悪口まつり】
毎年12月31日(集合:男坂登り口・サンフィールド駐車場)
大声コンクール:10時から
※成績発表は、本堂前にて元旦午前1時
悪口まつり:11時から
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(2024/9/18更新)
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