写真:Ise Shinkurou
地図を見る「生野銀山」は807年に鉱脈が発見された後、室町・安土桃山・江戸と歴史を重ね、明治時代になるとフランス人技師により当時の先進的技術が導入され、政府直轄鉱山として貨幣制度改革の一翼を担いながらめざましい近代化を遂げました。
明治22年には宮内省御料局の所管に移され、皇室財産に移行しその後三菱合資会社へ払い下げられ、昭和48年閉山となります。
その長い歴史の中で、国内有数の鉱山として多くの銀を産出し日本経済の基盤となってきました。これらの歴史から、「生野銀山」は各時代における発掘作業の推移を見る事が出来る珍しい銀山であると言えます。
駐車場の入り口にある門柱は、明治9年に設置された菊の御紋入りの石造りの門で、その堂々とした佇まいで訪問客を出迎えてくれます。是非その歴史の重みを感じて下さいね。
それでは「天領 銀山エリア」へ入り込みましょう。
写真:Ise Shinkurou
地図を見る徳川時代における生野銀山は、佐渡金山・石見銀山と並び幕府直轄の地として月間約500kgの銀を産出しました。
そして最盛期には「生野代官所」が置かれ、銀山周辺を厳しく監視し、天領として幕府の財政を支える役割を担ってきました。
銀山エリアに入る門はまさに天領の入り口。代官所の雰囲気を残した建物が再現されています。
写真:Ise Shinkurou
地図を見る坑道の入り口周辺には、滝が流れ込む美しい風景が広がり、赤い橋が架かる山の斜面には、岩を削る人の姿が!
本当にリアルに造られています。
また道沿いには「吹屋資料館」があり、ここでは幕府に献上する上納銀の精錬の様子が再現されています。
江戸時代の銀山の様子を表した絵巻物・坑道の模型などが展示された「鉱山資料館」もありますので、まずこちらに入館され、知識を深めてから入坑されれば、より坑内を楽しめると思います。
写真:Ise Shinkurou
地図を見る坑内は江戸時代採掘ゾーン、近代採掘ゾーン,捲揚・エレベーターゾーンと3エリアに分けられています。
江戸時代の採掘の様子は人形を使いリアルに再現され、人一人がやっと通れるほどの穴(狸堀り)に残るノミ跡に当時の苦労が偲ばれます。また坑内は、銀山を仕事場とした人々の苦労と困難を実感できるように光・音などで工夫されていますのでお子様にも分かりやすい内容となっています。
閉山となるまでに掘り進んだ距離350km深さ880m。
想像を絶する規模ですね。
写真:Ise Shinkurou
地図を見るまた捲揚・エレベーターゾーンにある捲揚ドラムの大きさには圧倒されます。また一体何処まで伸びているかと思うほどの深くにまで続くロープにも本当に驚きました。やはり明治初期にどこよりも早く近代化が進んだからでしょうか?立派な近代化産業遺産ですね。
真夏の散策である事を忘れさせてくれる程快適な坑内ですが、ゆっくり見学していると少し肌寒いので上に羽織るものをお持ちになって入坑されることをお勧めします。涼を求めての観光ですが、さすがに13度は肌寒さを感じました。
ペットを同伴された方はお帰りの途中に(ペットの足洗い場)がありますので是非そちらをご利用下さい。ペット同伴の旅行者には嬉しい心使いです。
また坑内入り口左手にある階段を登り、小川沿いを少し歩くと徳川時代の露頭採掘跡が多数残っています。暑い時期はこちらを散策されてから、涼しさを求めて入坑されるのも一案ですね。
●入場料 大人 900円
坑道・鉱山資料館・吹屋資料館・生野鉱物館(生野鉱物館は別途100円)
●営業時間(観光坑道受付終了時間)
4月〜10月:午前9:00〜午後5:30 (午後4:50)
11月:午前9:00〜午後5:00 (午後4:20)
12月〜2月:午前9:30〜午後4:30 (午後3:50)
3月:午前9:30〜午後5:00 (午後4:20)
●休館日 年末年始 12月29日〜1月2日
定休日 12月〜2月の3ヶ月間のみ毎週火曜日
(但し、火曜日が祝祭日の場合、翌日に振替)
また生野銀山から車で5分ほどの場所に甲社宅(生野鉱山官舎)が修理、復元されています。
日本で最も古い官舎と言われ、特に台所・便所などは、江戸末期から明治時代に近代化されていく日本家屋の様子を見ることができる興味深い内容になっています。お勧めの立ち寄りスポットです。
黒澤映画で有名な志村喬氏はこの社宅の出身で、「志村喬記念館」が併設されていますので興味がある方は是非お立ち寄り下さい。記念館では志村氏のやさしい笑顔の写真が観光客を迎えてくれます。
旧生野鉱山職員宿舎
◎入館無料
◎開館時間:午前9時〜午後5時
(入館は午後4時まで)
◎休館日:月曜日
(祝日の場合は翌日)
年末年始
規模の大きな銀山の歴史を学べる「生野銀山」は朝来市のお勧め観光地です。
すてきな思い出の残る旅になりますように・・・By Shinkurou
この記事を書いたナビゲーター
Ise Shinkurou
はじめまして。旅連れの小太郎と日本中に足跡を付けたく始めた旅も2周目に入りました。「やっぱり日本は広くて深い」ペットと愉しむ旅を・・そして有名観光地に加え「えっ?」って思っていただけるような穴場スポッ…
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