猫好き必見! 京都市内を巡る猫の信仰と伝承、史跡の旅

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猫好き必見! 京都市内を巡る猫の信仰と伝承、史跡の旅

猫好き必見! 京都市内を巡る猫の信仰と伝承、史跡の旅

更新日:2015/12/14 14:51

雅な貴族文化や町衆の伝統文化を楽しむという定番の京都旅行から少し離れて、猫の信仰と伝承、史跡をテーマに観光してみませんか。
「枕草子 第九段/うへにさぶらう御猫は」で取り上げられたように、京都では昔から猫が愛されていたため、実はいろいろな伝承が残っています。
可愛らしくも妖しい猫たちとの出会いを楽しんでみませんか。

三条大橋のたもとに鎮座する“黒い招き猫”って何?

三条大橋のたもとに鎮座する“黒い招き猫”って何?
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観光客で賑わう三条大橋の北西の場所に建つ「檀王法林寺(だんりんほうおうじ/通称:だんのうさん)」で信仰されている黒い招き猫をご存知ですか。
この黒猫は主夜神尊の使いであり、盗難や火災を防いでくれると信じられている人気の招き猫。

右手を挙げ、黒色をまとった珍しい様相で、他が模作することを禁じた寺社関連の招き猫としては最古のものとして伝わっています。
ちなみに秘仏である主夜神像は毎年12月第1土曜日の「招福猫・主夜神大祭」に御開帳され、参拝者にはお札と厨子の中から見つかった江戸後期の招き猫復刻像をお授けいただけます。

実はお札と招き猫像の授受はこの日限りというわけでなく、社務所で招き猫の復刻像(写真は小サイズ)やお札、おみくじとセットの招福猫飴などを年中、お授けいただけます。
また、うれしいことに社務所内にはさまざまな黒い招き猫像があり、拝見することができます。

「京阪三条」駅のそばということもあり、移動の途中に立寄りやすいこともうれしいですね。

「伏見稲荷大社」はお狐様の総本山にして、まねき猫発祥の地

「伏見稲荷大社」はお狐様の総本山にして、まねき猫発祥の地
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全国に3万社あるという稲荷社の総本宮「伏見稲荷大社」は招き猫五大発祥地(豪徳寺説、自性院説、伏見稲荷説、回向院説、今戸焼き説)の一つとしても有名。

そもそも稲荷山の土は霊験あらかたとされ、田畑に撒けば害虫がつかず、豊作となると古来より信じられていました。
江戸時代末期から明治にかけて養蚕守護、鼠封じにご利益のある守り猫として土人形が作られ、人気を博しました。
「伏見稲荷大社」には蚕神も祀られていることから、養蚕家の人たちはこぞって参拝し、土人形は格好の参詣みやげとして全国各地に広まったわけです。

かつて伏見街道沿いには50〜60軒もの土人形店が軒を連ねていましたが、今では「丹嘉」さんだけが唯一、写真のような招き猫の製造・販売を続けています。

赤貧に喘ぐ住職を助けた健気な猫がいた「称念寺」

赤貧に喘ぐ住職を助けた健気な猫がいた「称念寺」
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西陣の「称念寺(通称:猫寺)」に伝わる伝承はやや化け猫的。
還誉上人が三代目住職を務めている時のこと、ご贔屓の殿様が死んだことで寺領も途絶え、赤貧に喘いでいました。
住職は托鉢によって得たわずかな食を飼猫にも分け与えて可愛がっていました。

ある日、本堂の障子に移る妖しげな姫君の舞い姿を愛猫のものと気づいた住職は、これを一喝し猫を追い出します。
その夜、枕元で「明日、寺を訪れる武士を丁重にもてなせば寺は再び隆盛する」と飼猫が告げた通りに、松平家の武士が訪れ、姫の葬儀を依頼。
これにきっかけに松平家と復縁し、お寺は今まで以上に栄えますが、じつは飼猫が姫の死に際に乗り移り、「称念寺」で葬儀するよう遺言したというもの。

境内には和尚が飼猫を偲んで植えたと伝わる大きな松があり、うずくまった猫に見立てて猫松と呼ばれています。
また、お寺には姫君の舞い姿を描いた猫姫さまの掛け軸も伝わっています。

三味線の音につられて毎晩踊りあかしていた「光清寺」の浮かれ猫

三味線の音につられて毎晩踊りあかしていた「光清寺」の浮かれ猫
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五番町の近くにある「光清寺」には、出水の七不思議の一つ、「浮かれ猫の絵馬」の話が今に伝わっています。

江戸時代の終わり頃、五番町の遊郭あたりから三味線の音が聞こえてくると、猫は誘われるように絵馬から抜け出し、女性の姿となって踊り始めました。
これを見た人がいて大騒ぎとなり、住職が法力を用いて猫を絵馬に閉じ込め、さらに金網をかけます。
その夜、猫は武士の姿で住職の夢に現れ、「今後は世間を騒がすことは決してしないので、許してもらえないか」と嘆願したため、法力を解いて金網を外したという伝承です。

「浮かれ猫の絵馬」は山門を入って左側にある鎮守堂の南側に掛けられており、牡丹と蝶に三毛猫という絵柄で富貴と長寿を表すおめでたいものです。
実は伏見宮家邸内の鎮守堂に飾られていたというありがたい絵馬で、いつから「浮かれ猫」になってしまったのかは不明です。

人を喰らう恐ろしい猫又に襲われた「行願寺」の法師

人を喰らう恐ろしい猫又に襲われた「行願寺」の法師
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猫又の伝承が伝わる「行願寺(通称:革堂/こうどう)」は寺町通にある古刹で、かつては一条小川(とらや虎屋菓寮のずっと西)のあたりにお寺がありました。

その昔、奈良で猫又(猫胯)が現れ、一晩で数人の人間を食い殺していたと恐れられていました。
連歌の会でこの恐ろしい話を聞いてしまった法師は、歌に興じてお寺に戻る時間が夜更けになってしまいます。
心細い気持ちで歩いているとお寺の近くで猫又に襲いかかられ、法師は小川に転り落ちて「助けてくれ、猫又だ」と叫び、人を呼びますが・・・
その正体は法師の飼犬がぷるぷると尻尾を振っていた。というお話です。

帰りが遅い法師を案じて迎えに来た尻尾を打ち振る飼犬の姿を複数に割れた尾を持つ化け物に見間違えて慌てふためいてしまったという笑い話で、兼好法師が「徒然草 第八十九段」に記しています。

京都にはこの他にもまだまだ猫の伝承や史跡がたくさんあります

パワースポット系と妖しい伝承を中心に紹介しましたが、この他にも珍しい猫入り涅槃図を拝観できるお寺もたくさんあります。
涅槃図とは釈迦の入滅した日に行なわれる法要で3月15日前後に行なわれています。
猫のせいでお釈迦様の涅槃が早まってしまったため、涅槃図に猫が描かれていないとも言われていますが、「東福寺(東山区)」、「泉涌寺即成院(東山区)」、「真如堂(左京区)」では別の理由から猫入り涅槃図が描かれ、その可愛らしい絵姿を拝観することができます。

また、説話だけが残る「淀城下清養院の妖猫」や「娘を大蛇から守った岡崎の飼猫」など、その他にも猫の説話や史跡は多々伝わっています。
テーマを変えて訪れてみれば、今までと違った楽しみ方ができるでしょう。

ちなみにお寺は墓参されている方、参拝されている方がいらっしゃいます。そうした方々の邪魔にならないよう、静かにご見学(参拝)ください。
くれぐれも史跡を毀損しないよう、マナーを守って見学(お参り)してください。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/04/29−2014/07/26 訪問

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