妖怪はどこに?水木しげる氏ゆかりの地、東京・調布市をゲゲゲ散策!

妖怪はどこに?水木しげる氏ゆかりの地、東京・調布市をゲゲゲ散策!

更新日:2015/12/11 16:12

竹内 あやのプロフィール写真 竹内 あや トラベルライター
日常生活ではあまり出会いたくない妖怪という存在でありながら、水木しげる氏が描くキャラクターは、どこかユニークで、親近感さえ感じるのはなぜなのでしょうか? 水木氏の第2の故郷・調布市には、そんな妖怪たちの姿を彷彿する風景がたくさん隠されています。故・水木しげる氏が描いた世界を偲びながら、今再び、妖怪たちを探しに出かけましょう!

妖怪が潜む商店街を散策!

妖怪が潜む商店街を散策!

写真:竹内 あや

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まずは調布駅北口からスタート。駅から続く大通りを少し入ったところに、天神通り商店街が続いています。この通りは布多天神社の表参道にあたり、道路脇やベンチ、街路灯の上など、随所に鬼太郎や目玉おやじ、ぬりかべなどの妖怪が潜んでいます。

妖怪の数は、なんと全部で7体! どこに隠れているのか探しながら歩くのも、楽しいかもしれません。

もうひとつ、忘れてはならないものがあります。天神通りへ入る前に、ちょっと寄り道をしてみましょう。場所は、すぐ近く。入口を通り過ぎ、10mほど先に行ったところです。

鬼太郎、助けて!!を叶えるポスト!?

鬼太郎、助けて!!を叶えるポスト!?

写真:竹内 あや

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困ったときに手紙を出すと鬼太郎が現れて助けてくれるという、“妖怪ポスト”。実際にあったらな……と、子供の頃に近所の林や山中で探した人も多いのでは? なんと、その“妖怪ポスト”が2015年8月に、調布駅北第1自転車駐車場の前に登場しました!

駐輪場建て替えに伴う郵便ポストの移動で、地元の商店会が企画。郵便局と連携して水木プロダクションに協力を要請し、新しく作ってしまったのだとか……。茅葺屋根が付いた木の箱のような外観で、まさに“妖怪ポスト”のイメージそのままです。

「ここに手紙を入れても、鬼太郎には届きませんのでご注意を」とのことですが、それでも上を見上げると、舞い降りてくるような大きな鬼太郎たちの姿が! 願いごとを込めて投函したら、もしかすると“夢が叶うかも!!”しれません。

パワースポットとしても有名な布多天神社

パワースポットとしても有名な布多天神社

写真:竹内 あや

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天神通りを進み、甲州街道を渡ると布多天神社が見えてきます。この神社は、鬼太郎が住んでいる林として『墓場鬼太郎』第5巻の『おかしな奴』という話に登場しました。境内の奥にはこんもりとした雑木林が広がっていて、確かに鬼太郎が潜んでいそうな雰囲気です。

布多天神社は、延長5年(927年)に制定された『延喜式』に名を連ねる古い神社で、社伝によれば約1950年前に創建されたといわれています。菅原道真を祀っていることから、学問成就、商売繁盛などのパワースポットとしても知られています。受験シーズンになると多くの学生たちが訪れ、懸命に祈願する姿も……。ゲゲゲの鬼太郎おみくじもあるので、試してみては? 妖怪たちがあなたの運命を占ってくれます。

ちなみに、菅野美穂主演のドラマ『曲げられない女』(日本テレビ、2010年)で、10回目の司法試験を迎える主人公が知人に「最近パワースポットとして人気なのよ」と言われ、向かった先がこの神社。境内に横たわる御神牛は神の使いといわれ、パワーをいただけるのだとか……。ドラマの中でも、主人公らふたりがしっかり鼻をなでていました。

『ゲゲゲの女房』のロケ地としても知られる深大寺へ

『ゲゲゲの女房』のロケ地としても知られる深大寺へ

写真:竹内 あや

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布多天神社でお参りを済ませたあとは、深大寺へ。ここから徒歩約20分の距離です。情緒あるそば屋やみやげ物店が参道に並び、思わず「ここは京都?」と言いたくなるような雰囲気。実は、ここも水木氏ゆかりの場所なのです!

その深大寺境内の一角に、緑の木々に囲まれて建つ、鬼太郎茶屋。一見、普通の古民家のようにも見えますが、よ〜く目を凝らしてみると、屋根の上に下駄が乗っかっていたり、木の上のツリーハウスから鬼太郎が顔をのぞかせていたり……と、やっぱりちょっと妙な雰囲気です。

さっそく中へ足を踏み入れてみると、思わず手に取ってみてしまいたくなるようなかわいらしい妖怪グッズがずらり……。文具や雑貨のほか、お菓子や関連本が並んでいます。

2階はギャラリーになっていて、原画や妖怪フィギュアなど水木しげる氏にまつわるものを展示。広々としたデッキもあり、ゆったりくつろぎながら本を読んだりすることもできます。

妖怪に出会える茶屋でひと休み!

妖怪に出会える茶屋でひと休み!

写真:竹内 あや

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鬼太郎茶屋に来たら、ぜひ立ち寄ってみたいのが、1階奥の妖怪喫茶。どこか懐かしさを感じるレトロ感たっぷりの店内で、あちらこちらに置かれた妖怪の置物や人形たちが迎え入れてくれます。

「妖怪喫茶」という名前だけに、メニューも妖怪づくし! 目玉おやじのぜんざいやぬりかべのみそおでん、一反木綿のサンデーなど、見た目もかわいらしい品が並んでいます。

人気のカフェ・ラテは、本物そっくりのコーヒーアートが見もの! 鬼太郎、目玉おやじ、ねずみ男のいずれかのデザインを施してくれます。ほかにも、水木しげる氏のふるさと、鳥取県の名産品などもいただけます。

おわりに

2015年11月30日、水木しげる氏が永眠するという悲報が入りました。2010年には妻・武良布枝氏著『ゲゲゲの女房』を原案としたNHK連続テレビ小説が放映され、鬼太郎ブームに沸いた調布市。氏が昭和34年から住み続けたこの町には、妖怪にまつわるものが多く残っています。

今一度、その面影を偲びながら、散策してみるのもいいかもしれません。水木氏は今、生前に建てた市内の覚證寺の墓で、妖怪たちに囲まれて安らかに眠っています。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/11/27 訪問

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