ミラノ中央駅から鉄道ICで約1時間。マジョーレ湖観光の玄関口となるストレーザは、モッタローネ山の麓に位置し、昔から高級保養地として名高く、多くの著名人や文化人、芸術家を魅了してきました。文豪ヘミングウェイが滞在していたことでも知られ、現在ではのんびりと保養で過ごす人々、マリンスポーツやトレッキングなど、スポーツアクティビティを楽しむ人々などで賑わっています。
湖畔には花々で飾られた美しい庭園とプロムナードがあり、そこからは高いアルプス山脈を背にしたマジョーレ湖全体の素晴らしい景観が広がっています。ロープウェイでモッタローネ山に登れば、マジョーレ湖とアルプスの山々が一望できるパノラマも楽しめます。
また市庁舎前のマルコーニ広場からは遊覧船が30分おきに出ており、湖に浮かぶボッロメオ諸島めぐる観光拠点として利用されています。
マジョーレ湖を訪れたら、外せないのがボッロメオ諸島巡りです。ボッロメオ諸島とは、ベッラ島、マードレ島、ペスカトーリ島などマジョーレ湖にある島々のことで、12世紀からこの地を領有してきたミラノの貴族ボッロメオ一族にちなんでそう呼ばれています。
その中の一つペスカトーリ島は、船上から眺めているだけでもロマンティックな気分になれる絵になる島です。その名の通りかつては漁師の島でしたが、現在はホテルや地元料理を出すレストラン、土産物店が建ち並んでいます。細い路地が入り組んだ島の中は迷路のような印象。高級保養地として整備されたマジョーレ湖周辺の整然とした場所よりも、イタリアの庶民的情緒を楽しめます。
ボッロメオ諸島で一番美しい島は、ベッラ島です。島のほとんどが17世紀にボッロメオ伯爵カルロ三世が妻イザベラのために建てたボッロメオ宮殿とその庭園で占められています。
宮殿はイタリア・バロック様式で建てられ、内部は華麗なフランドル地方のタペストリーや、有名画家の絵画で絢爛豪華に装飾されています。宮殿の地下にはグロッタと呼ばれる大理石と貝で造られた洞窟風の部屋があり、その幻想的な雰囲気は一見の価値があります。
また、この宮殿はナポレオンが滞在した部屋やムッソリーニが会談に使った部屋などもあり、ヨーロッパ上流社会における歴史的価値を感じさせます。
ボッロメオ宮殿には、典型的なイタリア・バロック様式のエレガントな庭園があります。湖面からテラスが10段ほど階段状に設けられ、島の狭い空間を見事巧みに利用したデザインは、庭内からだけでなく、湖上からも優雅に美しく見えるように造られているのが特徴。
庭園の中央部には円形劇場、最上段には高く水しぶきを上げる噴水とボッロメオ家の紋章の一角獣が設けられ、一族の繁栄ぶりを窺わせます。
庭園は、神話をモチーフとした彫刻、南国風の植物や美しく立体的に刈り込まれた緑の木々に彩られ、アルプス山脈の麓とは思えない異国情緒に溢れています。天気の良い日は庭内を散歩するのに最高です。
ベッラ島の他にも、マードレ島にはボッロメオ家が18世紀に建てたルネッサンス風の宮殿があり、そこにも珍しい外来植物や南国の花々が植えられた美しい英国式庭園があるので、興味のある方はそちらにも行かれると良いでしょう。
マジョーレ湖には、他の湖水地方の湖と同様、世界中から多くの人々が保養に訪れ、思い思いに滞在を楽しんでいます。
ストレーザの湖畔には、いくつもの高級ホテルや別荘が、静かで落ち着いた雰囲気の中に建っています。スポーツアクティビティにも対応した施設も充実しているので、のんびりと休暇を過ごすには大変良い環境でしょう。
街中からも船着き場にも近いホテルの一つ、湖畔の『ホテル・レギーナ・パレス』(Hotel Regina Palace)は、上品でクラシカルな装飾のアールヌーボーの様式の建物で、内装も贅沢な伝統的アンティーク家具で揃えられています。サウナやトルコ式バス、屋内プール等の施設が充実しており、広々とした庭園には屋外プールもあります。4つ星でリーズナブルな料金ながら、贅沢な気分が味わいたい方にはお勧めです。
ストレーザには、駅近くの山側やロープウェイ乗り場近くに、ペンショーネなど庶民的な宿も多くあります。ミラノから十分に日帰りも可能ですが、時間がある方は少し滞在して、観光だけでなくのんびりと湖畔のリゾートを楽しまれて下さい。
マジョーレ湖の観光シーズンは、通常3月下旬から10月下旬頃。春から夏にかけて、国際会議やスポーツイベント、コンサート等が行われる時には、世界中から多くの人々が集まり活気に溢れています。
11月から3月上旬までのオフシーズンには、遊覧船による島巡りや宮殿の見学が出来なくなるので注意してください。
湖周辺には、ボッロメオ諸島の他にも見どころは多く、ターラント庭園で有名なパッランツァやカンノビッオ、国境を越えたスイス領のロカルノといった保養地等にも、時間があれば足を延ばしてみるのも良いでしょう。
ボッロメオ諸島巡りは、一日周遊券の購入がお勧め。但し、ベッラ島、ペスカトーリ島、マードレ島をすべて巡るには一日がかりなので、時間がない場合は、行きたい島だけの往復券の方がお得です。
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(2024/12/14更新)
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