梅園だけじゃない!茨城・水戸の偕楽園とその周辺の観光スポット

梅園だけじゃない!茨城・水戸の偕楽園とその周辺の観光スポット

更新日:2015/12/12 10:26

Kaycom Dのプロフィール写真 Kaycom D 秘境絶景トラベルライター
茨城県の水戸にある偕楽園は日本三名園として有名ですが、その周辺にも千波湖や常盤神社などの観光スポットがあります。ここでは、偕楽園とセットで訪れることができるおすすめの散策コースと見所をご紹介。とても大きな街の中心にあるとは思えない豊かな自然と、偕楽園からの絶景を堪能してください。

水戸駅から千波湖へ

水戸駅から千波湖へ

写真:Kaycom D

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偕楽園には、JR水戸駅から路線バスで向かうこともできますが、天気がいい日は散歩がてら歩いて行ってみるのもいいでしょう。
水戸駅の南口から出て桜川へ突き当たると、その川沿いが桜並木の遊歩道になっているので、そこを右に進んでいきます。すると15分ほどで、およそ332,000平方メートルの大きさを持つ千波湖が登場。湖の周りは遊歩道の他、サイクリングロードもあり、多くの人で賑わっています。

湖には白鳥や黒鳥をはじめ、さまざまな鳥や魚が生息し、湖畔にはボート乗り場も完備。スワンボートに乗って本物の白鳥と一緒に遊ぶことも出来ます。
他にも、具だくさんのサンドイッチと白鳥の形をしたシュークリームが食べられる「好文cafe」や、茨城りんごソフトやお蕎麦が美味しい「好文茶屋」などもあるので、歩き疲れたら目の前の湖を眺めつつ休憩するのもいいでしょう。

日本三名園の水戸偕楽園

日本三名園の水戸偕楽園

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千波湖からは、偕楽橋を渡って偕楽園に行くことができます。
偕楽園にはいくつか出入り口がありますが、このルートで道なりに進んでいくと東門に出ます。一本道なので迷うことはないでしょう。

偕楽園は、金沢の兼六園と岡山の後楽園とともに「日本三名園」のひとつで、1842年に水戸藩主の徳川斉昭によってつくられました。この「偕楽園」という名前は、「多くの人々と楽しみをともにしたい」という願いから名付けられたもので、徳川斉昭の民衆を思う人柄が伺えます。

また、偕楽園と言えば梅の名所で有名ですが、その時期には臨時の駅もオープンされ多くの人が訪れます。梅以外にも、桜や萩、松、竹など四季折々楽しめる植物がたくさん植えられ、千波湖や水戸の街並みが見渡せる「見晴広場」では、ゴザを敷いたりテントを張ったりして思い思いに楽しんでいる人たちの姿も見かけます。

景色が最高の好文亭

景色が最高の好文亭

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好文亭の「好文」というのは梅の異名で、「学問に親しめば梅が開き、学問を廃すれば梅の花が開かなかった」という中国の故事にもとづいたもの。徳川斉昭が詩歌や管弦などの催しをして、家中の人々や自身の休養をするために1842年に建てられました。

建物の構造は、木造二層三階建ての好文亭本体とそこからつながる平屋の奥御殿からなり、奥御殿は火災などがあった場合の退避や、家中の女性たちのための休息場所として設けられたと言われています。
これまで、空爆や落雷、東日本大震災などで被害を受けましたが、その度に復旧され現在に至っています。

玄関で靴を脱いで上がり、順路どおりに進んでいきます。建物は細い廊下と入り組んだ間取りで、ちょっと冒険心がくすぐられる造り。
各部屋には、桜の間や菊の間などの名前がつけられ、それにちなんだ絵が襖などに描かれています。中には由緒ある部屋もあり、梅の間などは、皇族関係の方々が宿泊されたり、ご休憩されたりしたそう。

東広縁や西広縁の大広間では、八十歳以上の家臣や九十歳以上の庶民を時々招いて慰安したり、作歌作詩などして楽しんでいました。どちらも戸を開け放つと気持ちの良い風が吹き抜け、手入れされた庭や水戸の街が眺められます。

そして、この好文亭の中で一番見晴らしのいい部屋は3階にある楽寿楼。
「楽寿楼」とは、楽は水を、寿は山を表していて、山と水の眺め双方を兼ねた山水双宜の楼という意味になっています。その名の通り、部屋を取り巻く回廊からは、眼下に偕楽園の庭園をはじめ千波湖など遠くまで見渡せそれは素晴らしい眺望。
好文亭は拝観料がかかりますが、ここからの眺めは一見の価値ありなのでぜひ訪れてみてください。

偕楽園の見所いろいろ

偕楽園の見所いろいろ

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偕楽園には梅園や好文亭の他にもいろいろと見所があります。
好文亭中門をくぐるとうっそうとした森が広がり、その中を下っていくと推定樹齢800年の太郎杉や吐玉泉がみられます。吐玉泉は、このあたりに湧き出る湧水で眼病にも効くといわれ、好文亭の茶室での茶の湯にも利用されていました。泉石は常盤太田市真弓山の大理石で、木漏れ日に白く輝く姿はとても神秘的。現在は飲用ではありませんが、その水で目を洗う人がいるそうです。

吐玉泉からさらに下ると東屋なども設えた庭園があり、そこから表門の方へ行くと孟宗竹林が広がっています。表門の手前にある一の木戸を抜けて東西梅林を通ると東門へ戻ることができ、これで偕楽園をほぼ一周したことになります。

東門のすぐ脇には「見晴亭」があり、お土産の販売や観光案内、無料の休憩所があるので、疲れたらちょっと一休みすることができます。

常盤神社と歴史博物館の義烈館

常盤神社と歴史博物館の義烈館

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東門から出るとすぐに常盤神社と歴史博物館の義烈館があります。
常盤神社の御祭神の二柱は、もとは偕楽園の祠堂に祀られていましたが、明治7年に今の場所に移されたそうです。
規模はそれほど大きくはありませんが、とても落ち着いた雰囲気のいい境内。常盤神社の傍らには常盤稲荷神社があり、赤い鳥居が連なる風景は京都の伏見稲荷大社のミニチュア版のようです。

境内のはずれには、歴史博物館の義烈館があり、水戸学関係史料をはじめ、巨大な陣太鼓や大砲などが展示されています。
観覧は有料ですが、陣太鼓はかなり大きく見ごたえがあるので興味のある方はぜひ見学してみてください。

最後に・・・

偕楽園の綺麗に手入れされた広大な庭園や高台に建つ好文亭からの景色は一見の価値ありです。水戸へは電車の他、東京駅から直通の高速バスが出ていて、電車より少し時間はかかりますが、値段も若干安いし確実に座っていけるのでおすすめ。今回ご紹介したコースはけっこうな距離を歩くので、日ごろの運動不足解消になることも間違いなし。天気のいい日に歩きやすい靴を履いてお出かけください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/09/20 訪問

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