写真:bow
地図を見る京都の夏と言えば、祇園祭や大文字五山の送り火がある以外はさしたるイベントもなく、ただ猛烈に暑いだけということで、観光業界にとっては実はオフシーズンに当たる季節です。そんな京都の夏にオフシーズン対策として平成22年、「京の七夕」が新たな観光イベントとして開催されました。
「一年に一度、願い事をする」という七夕にちなんで、「願い」をテーマのもと、旧暦の七夕である8月に「京の七夕」はスタートしました。例年、大文字五山の送り火の直前約10日間、観光業界にとってはちょっとした”スキマ”になる時期に開催されています。会場は大きく2か所、鴨川会場と堀川会場に分かれますが人気が高いのは堀川会場ですので、堀川会場を中心にご案内致します。
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地図を見る京都市内を南北に貫く堀川通り、この通り沿いには堀川という小さな川が流れており、その遊歩道が「京の七夕」の会場となっています。
普段はほとんど歩く人もいないような川沿いが期間中は一大ライトアップエリアへと変貌します。水量も少なく川幅も狭い川なのですが、それを逆手に取った仕掛けがなされています。堀川会場の出発点は世界遺産の二条城前からです。二条城前から堀川の遊歩道に下り、北向きに一方通行での散策となります。堀川の上流からは絶え間なく、青色に光る「いのり星」が流れてきます。この「いのり星」は全国各地で行われている”天の川プロジェクト”の一環です。参加者により、願いを込めて放流されています。当日でも受付OKです。また、二条城は期間中夜間、無料で入場でき、協賛のライトアップイベントも開催されています。遊歩道に入る前に二条城内を見ておくのもいいかもしれません。
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地図を見る京都と言えば、友禅染めでも有名です。その友禅染めの色合いの美しさを引き出すために不可欠だったのが、堀川の水だったのです。
「京友禅は水の芸術である」と言われ、友禅染めは”染め”が終わったあと蒸して発色・定着させ、その後に水洗いをするのですが、洗う水の質によって仕上がりが大きく左右されるのだそうです。例えば川の水に鉄分が含まれていると、生地がその鉄分を吸って赤みを帯びてしまうなどの影響が出るのです。堀川の水は友禅染めに適した清流だったのです。
そんな歴史ある友禅染めを”光の友禅流し”として再現されているエリアも人気の一つ。堀川の水の中を泳ぐように揺れる友禅にLEDによるカラフルなライトアップを施し、現代風の芸術として表現されています。
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地図を見る堀川会場のメインでもある「光の天の川」。七夕の夜空に輝く天の川を、竹で作られたアーチのトンネルに8万個以上のLEDで表現されています。よく見ると七夕にちなんだ星座が隠されていたり、流れ星が流れたりとなかなか凝った演出がされています。平成25年度からは青色LEDも採用され、さらに幻想的な天の川になるとされています。
「京の七夕」イベントのキーワードは”竹と光”であり、光の天の川以外にも、京都の芸術大学生による”光と竹のアート展示”も例年大きな規模で展示がされています。なかなか目を引く力作も数多く展示されていて、これまた要チェックなのです。
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地図を見る「京の七夕」では毎年、願いを託すための”絵はがき短冊”を制作、販売しています。京都市内の有名寺社や京都市バスや地下鉄の案内所、観光地の売店など様々な所で取扱われています。
絵はがき短冊は3枚1組300円(売上の10%は東日本大震災復興支援金として使われます)。毎年、各界著名人によるデザインの絵はがきが採用されています。また、3枚のうち1枚は毎年アニメの絵柄になっています。平成25年度のデザインは聖護院門跡門主の宮城泰年氏、日本画家の故松本一洋氏、そして京都が舞台のTVアニメ「有頂天家族」のデザインとなっています。
この絵はがき短冊、なんと大文字五山の送り火と一緒に焚いてもらい、願いを天に届けるというロマンチックさ!「京の七夕」は大文字五山の送り火までも巻き込んだイベントになっているのです。さて、願いを託すには京の七夕に持参するか、京都市内主要寺社に設置されている願い箱に投函、または郵送での受付も可能です。京の七夕に行けない方も絵はがき短冊での参加をしましょう!
このように、京の七夕は色んな角度で楽しむことができます。まだ新しいイベントだけに毎年企画は充実していっております。まだまだメディア露出は多くないイベントですが、かなりのポテンシャルを秘めたイベントだと思います。ぜひ、夏の京都の夜を楽しんで下さい!
★京の七夕
開催期間:平成25年8月3日(土)〜12日(月)
点灯時間:19:00〜21:30
入場料:無料
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(2025/2/15更新)
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