写真:Ise Shinkurou
地図を見る明治時代、西南戦争後の征韓論に端を発して犯罪者が急増し、全国的に監獄が不足します。
そこで政府はその対策として北海道に多くの収監所を造り、防衛と開拓のために囚人を使役しました。その1つが網走監獄。
監獄の正門は通称赤レンガ門と呼ばれ、特殊な焼成方法(窯に塩を入れ高温で焼く)で作られた煉瓦を使用し昭和58年に復元されました。
この煉瓦の門ははまさに最果ての閉ざされた空間への入り口。
左右に見える丸く飛び出した部屋は、片方は看守の受付として、もう一方は収容者に面会に訪れた家族の待合室として使用されていました。
訪問されたらまず正門をじっくり眺めてみて下さい。その存在感に圧倒される立派な門です。
さて、マネキンの看守に見守られて不思議な歴史空間へと入り込みます。
写真:Ise Shinkurou
地図を見る現在ここに移築され一般公開されている獄舎は、明治45年から昭和59年まで使用されていた獄舎で、現存する日本最古の刑務所施設。
少人数で囚人を監視しやすいよう、看守のいる空間を中心に五本の指を広げたような特別な建築構造になっています。
古い擦り傷の残る木の廊下を進むと、年月を重ねた柱、そして斜め格子に作られた壁が目の前に迫ります。
この木製の斜め格子は現在のブラインドのような物で、廊下を挟んだ向こう側の内部が見えないように工夫され、当時としては斬新な造りでした。
囚人そして看守が厳しい寒さに耐えた様子が目に浮かぶような古い木造の建物です。
写真:Ise Shinkurou
地図を見る獄内での入浴シーンがマネキンを使って再現してありました。当時の入浴時間は厳しく制限され、看守の号令の下、脱衣・入浴・着衣でなんと15分だったそうです。また夏以外は月1回。それでも囚人たちには楽しみの時間でした。
入浴シーン以外にもマネキンを使って当時の様子がリアルに再現され、初めて目にする光景は様々な事を私に問いかけてきます。
ですが、囚人たちはこの獄舎のみを生活の場としていたのではありません。獄舎から離れた場所での開拓作業では、移動時間を短縮するため、簡易の小屋で休息をとりました。
獄舎以外にも再現された建物が多数ありますので、獄舎を出て外の様子をご紹介します。
写真:Ise Shinkurou
地図を見る敷地内には農園で働く受刑者たちが・・収穫物を加工保存する味噌蔵・醤油蔵などもあります。
先にも述べた移動式の簡易な小屋(休泊所)。その内部には高床の板が張られ、その上に枕代わりの丸太と薄い布団が置かれています。冬になると息がかかった布団が凍ったといいますから想像も出来ない過酷さです。
オホーツク沿岸地域は、冬の厳しい寒さと流氷に阻まれ、開拓の進まなかった地域。ここが終焉の地となる囚人そして看守が多く出ました。
開拓に思いを馳せながら是非ゆっくりと敷地内を周ってみてください。
網走を訪れた時に何気なく走った国道も、囚人たちの使役から開拓が始まったのですね。
写真:Ise Shinkurou
地図を見る吉村昭氏の小説「破獄」に描かれテレビドラマ化もされた明治の脱獄王・白鳥由栄。
14歳で初犯、全国の刑務所を計6回脱獄し、網走監獄で最後の刑を終え出所しました。中の房の一つでは、脱獄シーンがマネキンを用いて再現されています。
「博物館 網走監獄」
開館時間:4月〜10月 8:00〜18:00
11月〜3月 9:00〜17:00
(最終入館は閉館1時間前まで)
年中無休
入館料:大人 1050円
また写真にはありませんが、博物館の裏にある天都山展望台。ここからのオホーツク海の眺めは最高!夏に網走を訪れられたら絶対はずせないスポットです。そしてここには「オホーツク流氷館」という施設があります。館内では一年を通して実際に漂着した流氷に触れることができたり、濡れたタオルが凍るマイナス15度の世界を体験できる展示室があったりとオススメのスポットです。
「オホーツク流氷館」
入館料金(消費税込み)大人520円
開館時間8:00〜18:00(夏季4月〜10月)
9:00〜16:30(冬季11月〜3月)
定休日 12月29日〜1月5日※
※年末年始(12月29日〜1月5日)は変動しますのでホームページでご確認下さい。
最果ての刑務所「博物館 網走監獄」はいかがでしたか?天都山から夏のオホーツク海の眺めも是非お楽しみ下さいね。
心に残る素晴らしい旅になりますように・・・By Shinkurou
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(2023/12/5更新)
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