オレンジと黄色の絶景!松戸市「本土寺」生れの秋山紅で紅葉狩り

オレンジと黄色の絶景!松戸市「本土寺」生れの秋山紅で紅葉狩り

更新日:2016/09/13 15:01

Naoyuki 金井のプロフィール写真 Naoyuki 金井 神社・グルメナビゲーター
二十世紀梨発祥の地、千葉県松戸市にある「本土寺」は、戦後から《あじさい寺》として親しまれています。そんな本土寺が赤・黄・緑のコントラストにつつまれるのが秋の紅葉シーズンで、紅葉の美しい数あるお寺の中でも境内中が紅葉に彩られるのはまさに絶景です。特に注目すべきは本土寺で産まれた品種《秋山紅》《黄秋山》というオレンジと黄色の紅葉。他では余り見られない知る人ぞ知る本土寺の絶景をご紹介いたします。

花による極楽浄土の復興

花による極楽浄土の復興

写真:Naoyuki 金井

地図を見る

本土寺は、源氏の名門の家柄である平賀家の屋敷跡と云われ、700年以上前に日蓮から「長谷山本土寺」の寺号を授かって建立されました。東京池上の長栄山本門寺と鎌倉の長興山妙本寺と共に、“三長三本”の本山と称される名刹です。

永らく繁栄を極めた本土寺ですが、大戦でのダメージは大変大きなものでした。時の住職は荒んだ境内と人々の心を癒すための復興が“花”であると考え、極楽浄土の世界を日本の四季の移り変わりで表現しようと復興に取り組みました。
最初に取り組んだのが《あじさい》で、日本の原産であることと土壌によって彩が楽しめることにありました。そして同時期に咲く菖蒲と共に“あじさい寺”として多くの人々に希望を与えたのです。

本土寺生れのオレンジな紅葉

本土寺生れのオレンジな紅葉

写真:Naoyuki 金井

地図を見る

あじさい寺として人気を博してから、次に手掛けたのが元々境内にあったオオモミジ系のモミジでした。秋の紅葉を楽しんでもらいたく、モミジの木を増やすため埼玉県川口市にある小林モミジ園に接ぎ木を依頼しました。ここで新しく生まれたこのモミジの品種は、本土寺の境内にある徳川家康の側室・秋山夫人の墓の近くに親木があったことから《秋山紅》と命名され、日本モミジ100選の一つとなりました。

この秋山紅は非常に神経質なモミジで、光の量などの環境により変化が激しい品種で、極端な例として、葉が重なっていると上の葉の形が下の葉に斑点の様に映っていることがあります。このように日向では紅色〜紅橙色、日陰では橙黄色と様々な表情の紅葉が見られるのです。

秋の終わりを告げる黄色の紅葉

秋の終わりを告げる黄色の紅葉

写真:Naoyuki 金井

地図を見る

イロハモミジ系で黄色く紅葉する代表種の一つが《黄秋山》。
名前からもお分かりの通り、こちらの品種も本土寺生れで小林モミジ園で接ぎ木されたものです。芽吹き時の濃い黄緑色から徐々に変化して秋口に濃い黄緑色となり、晩秋に明るい橙色〜気橙色〜黄色に紅葉するのです。

住職によると「黄秋山は本土寺でー番おそく黄葉します。その黄色は大変美しく、これが黄葉すると今年の紅葉も終りとなります」とのこと。本土寺生れの黄秋山で、晩秋の趣を感じてください。

フォトジェニックな紅葉の境内

フォトジェニックな紅葉の境内

写真:Naoyuki 金井

地図を見る

《秋山紅》《黄秋山》を生み出した本土寺の境内は広く、その境内には約1500本のモミジが植えられています。モミジ自体美しいものですが、やはり日本人の琴線に触れるのは、紅葉と和の佇まいが調和した瞬間であると云っても過言ではありません。

本土寺には国の重要文化財である鐘楼を始め、本堂、五重塔、仁王門、宝物殿、弁天池などなど数多くの堂宇があります。これらの堂宇のほとんどが紅葉とコラボしていますので、フォトジェニックな紅葉を楽しむにはうってつけの紅葉狩りが楽しめるでしょう。

紅葉をより美し見るには。

紅葉をより美し見るには。

写真:Naoyuki 金井

地図を見る

紅葉する木は、一般的に“モミジ”と呼んでいますが、品種としては“カエデ科カエデ属”で日本人は特に手のような形をしたカエデを「紅葉する」と云って愛でました。この人の手の形をしたカエデの約80%が日本列島で生えたものなので、紅葉狩りは日本独特の文化といえます。

この紅葉をより美しく見る方法があるのでしょうか。前述の小林モミジ園の園主によれば、「見頃は一部紅葉しない木がある時で、赤・黄・オレンジに差し色的に緑がある光景」がよいそうです。そしてそれが一番映える見方は、ある程度大きい木の紅葉した葉を光が通過した状態を下から上目遣いで見るのがベストなのです。
最高の紅葉を最高の方法で紅葉狩りを楽しんで下さい。

本土寺生れの紅葉二品種を堪能

地元では、初夏のあじさい、秋の紅葉の名所として知られていますが、全国的な知名度はいま一つです。しかし、昨今はメディアなどにも取り上げられ、徐々に知名度をアップしています。近い将来全国的な名所となること間違いありませんので、今のうちに堪能しておきましょう。
オレンジと黄色のハーモニー、晩秋の風情をたっぷり味わって下さい。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/12/06 訪問

- PR -

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -