写真:那須 マッキー
地図を見る那須連山茶臼岳の中腹にある、高雄温泉は江戸時代の万延年間に発見されました。弘法大師空海が大同元年(806年)に登山し、信仰登山が始まったといわれています。山岳信仰が盛んなその時代には「温泉様(ゆぜんさま)の湯」と呼ばれて、尊い温泉とされ長い間浴用とされることはありませんでした。後に白湯山信仰のためこの地を訪れる行者が、修行の前後に身を清める温泉となり「御行の湯」と呼ばれるようになりました。信仰登山が時代の流れで衰退してから、明治時代に入り高雄股川上流の源泉近くに浴場を移して、湯の花採取が盛んに行われました。
一時は無人の露天風呂があるのみでしたが、現在では「おおるり山荘」があり、宿泊はもちろん日帰り温泉も楽しめるようになりました。おおるり山荘と露天風呂は標高1000メートル〜1200メートル付近にあるため、眺望は抜群で関東平野が一望でき、晴れた日には、栃木県と茨城県にまたがる八溝山や、筑波山の山並みを見る事ができます。
写真:那須 マッキー
地図を見る「おおるり山荘」の露天風呂に入ると高雄温泉の良さが良く分かります。
那須各地の温泉は鹿の湯を初めとして熱めの温泉が多いのですが、高雄温泉はちょっと趣が異なります。泉温が40度前後とぬるめの湯加減ですが、ゆっくりと長い時間浸かる事が可能で、身体の芯から温まり疲れが取れます。湯量も豊富で、にごり湯の硫黄泉が毎分1000リットル、ドラム缶で一日8000本分が自噴。9万平方メートルという広大な敷地に佇み、那須高原随一の眺望を誇っています。
熱いお湯が苦手という方や、露天風呂に入りながら大自然を肌で感じたいという方にはお奨めの温泉です。
高雄温泉おおるり山荘のお湯は、白濁した含硫酸塩硫化水素泉で、慢性皮膚病や神経痛などに効果があるとされています。女性には美肌効果が期待できるということで、リピーターが多いのもうなずけます。
那須七湯の中では、高雄温泉と鹿の湯だけが硫化水素・砒素含有酸性明礬泉です。大丸温泉、弁天温泉、八幡温泉、北温泉、三斗小屋温泉は単純泉になります。ぬるめのお湯は那須七湯では他にありません。
写真:那須 マッキー
地図を見る那須温泉が初めて文献に現れるのは、奈良時代の天平10年(738)です。これは那須温泉(鹿の湯)の発見から約100年後といわれています。皇太子時代の昭和天皇も茶臼岳登山の帰路に訪れました。現在でも露天風呂の横に、昭和天皇が訪れた碑が残されています。
天皇も愛した秘湯といわれたお湯だけあって、抜群の癒し効果があります。
高雄温泉には沢山湯の花が沈殿していて、那須温泉の中では一番採取量が多い温泉でした。この湯の花をそのまま瓶に入れて「生詰」として販売した元祖温泉といわれています。
今でも掛け流しのあふれ出た温泉は「高雄湯の川」となって、じゃぶじゃぶと流れ落ちています。いかに湯量豊富かがうかがい知れます。
写真:那須 マッキー
地図を見る夜景はキレイで、那須の温泉街や那須塩原市、お隣の福島県白河市の街の光を眺めると、のどかな郷愁に浸れます。満点の星空は絶景ですよ。また、おおるり山荘は宿泊料がリーズナブルなことでも有名。特に趣向を凝らした催し物や豪華な料理を期待する方には、不向きかもしれませんが、都会の喧騒をはなれ、良質の温泉と絶景の眺望が何よりの御馳走だとおっしゃる、旅人に好まれ愛されています。特に登山やハイキングなどのアウトドアで連泊利用するにはぴったりの旅館です。
いかがでしたか?近代化された那須高原のホテルや旅館のなかにあって、大自然を生かした野趣あふれる温泉が自慢の「おおるり山荘」です。ぬるめの露天風呂のほかに、加温はしていますが同じ泉質の内湯がありますので、露天風呂を楽しんだあとは内湯で温まってくださいね。なお、おおるり山荘の本館から露天風呂までは約30メートルほど外を移動することになりますので、特に秋〜冬はご注意ください。
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(2024/3/29更新)
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