大阪の喧騒から静寂の聖域「犬鳴山」へ!渓谷美と神秘に触れる旅

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大阪の喧騒から静寂の聖域「犬鳴山」へ!渓谷美と神秘に触れる旅

大阪の喧騒から静寂の聖域「犬鳴山」へ!渓谷美と神秘に触れる旅

更新日:2015/12/25 12:49

和山 光一のプロフィール写真 和山 光一 ブロガー

関西国際空港からほど近い名勝犬鳴山一帯は、温泉地としても有名ですが、手軽な渓谷ハイキングができる人気のエリアです。犬鳴川渓谷沿いを歩けば、四季折々の渓谷美を堪能でき、いたるところに行場があることから、渓全体が神秘的な雰囲気に包まれています。「犬鳴山七宝瀧寺」や「犬鳴山温泉」など、見どころや立ち寄りスポットいっぱいの「犬鳴山」はファミリーにもおすすめ。電車やバスで、気軽に訪れてみませんか?

「犬鳴山」という山はなく「いぬなきさん」であって「いぬなきやま」ではないのです

「犬鳴山」という山はなく「いぬなきさん」であって「いぬなきやま」ではないのです

写真:和山 光一

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名勝地や金剛生駒紀泉国定公園の指定を受けるなど、豊かな自然を持つ大阪と和歌山の県境付近に位置する「犬鳴山」。犬鳴川渓谷を中心とした、燈明ヶ岳(標高558M)等の山域全体の総称を指していて、「犬鳴山」という名称の山があるわけではないのです。

大阪なんばから南海電車で25分、泉佐野駅から南海ウィングバスで30分で犬鳴山に到着します。真言宗犬鳴派の本山「犬鳴山七宝瀧寺」がある犬鳴山は、1300余年前の661年、修験道の霊場として修験山伏道の開祖といわれる役の行者によって大和大峰山山上ヶ岳より6年早く開山され、元山上と呼ばれています。最近では幸運を呼び寄せるパワースポットとして注目されています。

従来七宝瀧寺の門前町であったところが犬鳴温泉郷として今日に至っているで犬鳴温泉街が参道への入口になっています。道の真ん中には大阪府下で一番背の高い杉とされる高さ38Mの「のっぽ杉」が訪れる人たちを優しく出迎えてくれています。この先に「名勝 犬鳴山」の石碑があって、ここから渓谷歩きが始まります。

温泉街から、まずはいにしえの聖地散策へ渓谷ハイキング

温泉街から、まずはいにしえの聖地散策へ渓谷ハイキング

写真:和山 光一

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大師堂の先からは霊域になり石畳の道が犬鳴川沿いに続きます。木々に覆われた犬鳴渓谷の山中には四十八もの大小さまざまな滝がいたるところに点在していて、その中でも特に両界の滝(金胎両部の瀧として二瀑があり、これを合わせて両界の瀧といい、一の瀧とも)、塔の滝、 弁天の滝、布引の滝、古津喜の滝、千手の滝、行者の滝の七瀑が有名で、伝説に彩られた名刹を始め雄大な山岳景観や四季折々の 美しい渓谷の自然に恵まれています。

淳和天皇の時、天下大早魃があり、天皇は諸国の霊山、神社仏閣に祈雨の祈願をさせました。犬鳴山でも住侶が本尊不動明王に祈雨の大法を修したところ、霊験空しからず、泉州一円は慈雨に恵まれることができ、淳和天皇より、犬鳴山中にある著名な上記の七飛瀑を金銀などの七宝に因んで、「七宝瀧寺」と命名されました。さらに、弘法大師空海は、この七飛瀑に七福神を祭祀され、このため山中の七瀧は七福神・不動の霊瀑といわれ、一度この山を参詣すれば、七福神・不動明王の霊気を受け、福徳増進するといわれています。

犬鳴山の由来になった「義犬伝説」

犬鳴山の由来になった「義犬伝説」

写真:和山 光一

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両界の滝を過ぎると、行者迎えの門(瑞龍門)の赤い門をくぐります。神宝橋、神明橋の二つの赤い橋を渡り。出世稲荷、塔の滝を過ぎると一乗山から犬鳴山となった由来が記されている「義犬の墓」に着きます。

宇多天皇の寛平2年(890年)3月、紀州の猟師が犬を連れて、当山の行場「蛇腹」附近で一匹の鹿を追っていたところ、猟師の愛犬が急にけたたましく吠えだしたのです。犬の鳴声におどろいた鹿は逃げてしまい、獲物を失った猟師は怒って、腰の山刀で吠え続ける愛犬の首に切りつけました。犬は切られながらも猟師を狙っていた大蛇めがけて 飛び上がり、大蛇の頭に噛みつき、猟師を助けて大蛇と共に倒れたのです。事の意外さを知った猟師は、自分の命を救って死んだ愛犬の死骸をねんごろに葬り、弓を折って卒塔婆とし、そして七宝瀧寺に入って僧となり、永く愛犬の菩提を弔いつつ、安らかに余生をすごしたと語り伝えられています。

この話を聞いた宇多天皇は「報恩の義犬よ」と賞し、「一乗山、鈴杵ヶ岳」を改め「犬鳴山」の勅号を与えたとのことです。

全国から修験者が集まる大阪屈指のパワースポット「七宝瀧寺」

全国から修験者が集まる大阪屈指のパワースポット「七宝瀧寺」

写真:和山 光一

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犬鳴山バス亭から1.5Kmほどで「七宝瀧寺」に到着します。まずは右手に7Mはあろうかという「身代わり不動明王」の大きさに圧倒されながら階段を上っていくと本堂(不動堂)があり、このお寺のご本尊は、役行者が彫られたという木造立像の倶利伽不動明王様で秘仏になっていて、中は撮影禁止なのです。

そのまま奥の階段を下りていき「行者の滝」に向かいます。赤い清滝堂で50円払って進むと、目の前には役の行者と行者の滝が現れます。役行者像の下は、「行者くぐり岩」といい、くぐれる様になっており、真言を唱えて3回くぐるといいことがあるらしいので、是非トライしてみてください。現在でも「行者の滝」に打たれる修験者の姿を見ることができますし、特に犬鳴山は女人大峰とも言われ、女性の行者も多く修行しているとのことです。修行しなくてもマイナスイオンをいっぱい浴びることができ身体が清められた気がします。

ここまで来た後は、少し戻って「身代わり不動明王」の裏から険しい行者道を登るか、参道を左手にとって「犬鳴随道」を抜け五本松まで行って戻ってくるハイキングコースがあります。

大阪府下唯一の温泉郷「犬鳴山(いぬなきやま)温泉」

大阪府下唯一の温泉郷「犬鳴山(いぬなきやま)温泉」

写真:和山 光一

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「犬鳴山温泉」は、大阪の奥座敷ともいえる、大阪府内で唯一の温泉郷としても知られており、温泉宿はいずれも入浴のみの利用が可能です。南北朝の時代には、戦いに敗れた楠正成率いる兵士が傷を癒したとの伝説も残るこの温泉の泉質は「美人の湯」として名高いのです。

温泉入浴割引のある入浴可能施設の中で、大正13年創業の老舗旅館が「み奈美亭」です。泉質はナトリウムー炭酸水素塩泉で、大浴場と御影石張りの露天風呂からは犬鳴川の渓流を眺めることができ、ロケーションも抜群です。女湯は滝が流れるという趣向をこらした造りです。山中散策で歩き疲れた身体を、ゆったりと癒すことができます。

犬鳴山へは南海電鉄「犬鳴山 温泉&ハイキングきっぷ」がおトクです。

「犬鳴山 温泉&ハイキングきっぷ」は、南海電車・難波〜泉佐野間割引往復乗車券+南海ウイングバス泉佐野〜犬鳴山バス割引往復乗車券に温泉入浴割引券(総括券)がついて1720円(2015年12月現在)なのです。なんと通常運賃の約19%OFF、そして入浴料が最大約33%OFFの特典付です。是非利用してみてください。

渓谷歩きそのものは危険個所はありませんが、身代わり不動明王像の立つ広場から燈明ヶ岳までは、渓谷部分とはまったく別で、山登りの心づもりが必要ですので注意してください。犬鳴隧道を抜け展望台のある五本松までは片道約2.5Kmの行程です。

余談ですが、お守りや交通安全ステッカーになっている、泉佐野市の公式キャラクターであり、犬鳴山のマスコットキャラクター「イヌナキン」は、漫画「キン肉マン」の作者ゆでたまごがデザインしたものです。犬鳴山義犬伝説の末裔であり温泉好き、口癖は一生犬鳴で犬鳴山で修行中とのこと。泉佐野市のイベント開催時には山から下りてくるらしいので会いにいってみてください。

眺望も空気感も神秘的な雰囲気が漂う「犬鳴山」での時間は、きっと訪れる人の心の寛ぎの時間になるでしょう。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/01/25 訪問

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