今、あえて歩いてみる。上野恩賜公園・不忍池は水鳥の楽園!

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今、あえて歩いてみる。上野恩賜公園・不忍池は水鳥の楽園!

今、あえて歩いてみる。上野恩賜公園・不忍池は水鳥の楽園!

更新日:2016/01/15 16:15

鷹野 圭のプロフィール写真 鷹野 圭 首都圏自然ライター

今も昔も関東の玄関口として、多くの人が利用する上野駅。その駅から程近くに広がる上野恩賜公園は、まさに東京を代表する都市公園であり、あまりにメジャーで今更感すらあるかもしれません(汗)。しかしここで注目してほしいのが、年間を通じて人の絶えない不忍池(しのばずのいけ)の水鳥たち。意外なほど種類が多く、それでいて妙に人馴れした彼らを観察していると、普通のバードウォッチングとはまた違う面白さが味わえます。

そもそも不忍池ってどんなところ?

そもそも不忍池ってどんなところ?

写真:鷹野 圭

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上野恩賜公園そのものは、東京側から上野駅に差し掛かった時に左前方に樹林が見えるので多くの方にとって馴染み深いことでしょう。しかし不忍池は方角でいうなら公園の南西側、上野駅からは最も離れた位置に当たります。そのため、普段上野駅を利用していても改札から出て外を歩くことがなければ、案外気づかない方も多いかもしれません。実際は東京23区内でも屈指の広い池沼で、ご覧の通り足漕ぎボートに乗ることも可能。とても開放的で、彼方にはご覧の通り東京スカイツリーの姿を望むこともできます。

公園の中では駅から離れているとはいえアクセスも容易な不忍池。周囲にはビルや商業施設も多くて人通りが絶えず、決して自然公園といえるスポットではありません。にも拘らず、長きにわたって多くの人から憩いの場として親しまれ、実際池の遊歩道を歩いていると驚くほど静かでゆったり時間が流れているような感覚が……。これはやはり、限られた土地につくられることが半ば当たり前の都市公園でありながら、有り余るほどの広い水辺空間を創出している故ではないでしょうか。そこには、都会の風情を残しつつ、狭苦しさや忙しさはまるでありません。

そうした静かな場所だからでしょうか? 毎年冬になると、北国から多くの水鳥たちが渡ってくるのです。

都会の水辺にもやってくる、冬のカモたち

都会の水辺にもやってくる、冬のカモたち

写真:鷹野 圭

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さて、11月も過ぎて肌寒くなってくると、東京の水辺にも多くの水鳥、特にカモが多数飛来します。中でも不忍池は飛来数が多く、ボートに乗っていると目の前を通り過ぎることもしばしば。人馴れしているためか簡単に逃げ出すことはなく、ボート上はもちろん岸辺からでも間近で姿を観察することができます。恐らく23区では最も身近で野生の水鳥とふれ合える空間でしょう。

では、具体的にはどのような水鳥がやってくるのでしょうか?

写真の中央に写っている白と灰色のコントラストが美しいカモは、オナガガモのオス。東京の水辺では割とよく見られるカモで、大型なのでかなりよく目立ちます。左下にいる白黒のカモ(後ろ向きで失礼)はキンクロハジロ。そして左上にいる頭部が黒で背中が褐色の鳥はバンといいます(これはカモではなくツルの仲間で、四季を通じて不忍池に暮らしています)。この他に、頭部がメタリックグリーンで美しいマガモ、小さくて可愛らしいコガモ、真っ赤な目が特徴のホシハジロなど、首都圏でもメジャーな冬のカモたちは基本的に毎年訪れます。池をぐるりと1周するだけでも、多種多様なカモに遭遇することは間違いありません。

おっと! ユリカモメが横入り

おっと! ユリカモメが横入り

写真:鷹野 圭

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岸辺をぷかぷか浮かんでいるカモたちに割って入るように、最近よくこの鳥の姿を見るようになりました。東京都ではモノレールの名称にもなっている、ご存知ユリカモメです。ユリ“カモメ”ということで本来であれば海の近くに現れるべき鳥なのですが、海さながらに広い不忍池が気に入ってしまったのか、近頃は冬になると毎年のように群れで訪れます。カモメらと仲良く(?)泳いでいるかと思いきや、近くを人が通りかかるとエサをねだるかのように飛翔することも。その姿は躍動感があり、カモたちとは一味違う面白さがありますね。

写真を見てもわかる通り全身ほぼ真っ白で、アクセントとして顔の横に黒い紋が入っている美しいユリカモメ。これは冬限定の姿(冬羽)で、夏が近づくにつれて頭部だけが黒く染まり始めます。とはいえ、完全に黒羽になる頃には遠い北国へと旅立ってしまいますので、羽が生え変わった姿を見られるのはせいぜい5月頭から中旬くらいまで。期間限定ですが、もし見られたらちょっと得した気分になれるかも?

ちなみにカモメは本来獰猛な性格で、例えばウミネコなどクローズアップするとちょっと怖い顔をしているのですが、このユリカモメはさほど大きくもなく表情も穏やか。目がクリッとしていて可愛らしいです。

“数の力”で貴重な足場を占拠するカモメたち

“数の力”で貴重な足場を占拠するカモメたち

写真:鷹野 圭

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不忍池の水面から突き出した杭。写真をよく見ると、どこもかしこもユリカモメ(時々ウミネコ)に占拠されてしまっているのがわかりますでしょうか? こうした杭は、水鳥が羽を休めそして乾かすための格好のスポット。しかし、カモたちよりも数が多く活発に飛び回るユリカモメがこのようにほとんどの足場を使ってしまうのです。

一本の杭に一羽ずつ、万遍なくズラリとユリカモメが並ぶ様は、カモにとっては少々迷惑な話かもしれませんが見ている分にはなかなか面白い光景です。岸辺からも近いので、クローズアップで写真を撮りたい時には便利。思い切り顔をクローズアップするもよし。バックに池やボートなどを据えて背景と一体で撮るのも面白いでしょう。

ちなみに夏場などユリカモメがいない時には、ごくまれにカワセミが止まることもあります。もし出会えたらラッキー♪

足元でエサをねだるカモたち。でも……

足元でエサをねだるカモたち。でも……

写真:鷹野 圭

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写真のカモはハシビロガモ。あまり数は多くないですが、所々に緑の混じったお洒落な配色と名前の由来にもなっている幅の広いクチバシが特徴で、池ではよく目立ちます。別にこのカモに限ったことではないのですが、上にも書きました通りカモたちと人との距離が近い不忍池では、時に写真のように陸地に上がってきて、足元まですり寄ってきてエサをねだることもあります。

とても可愛らしく、野鳥と間近で戯れることができるために、喜んでエサをあげてしまう人もいますが、さすがにこれはやめた方がいいでしょう。ここのカモたちは飼われているわけではなく、あくまで野生の水鳥。自分でエサ(水中の藻などが中心です)を獲る力を持っていますので、人がエサをやる必要はないのです。むしろ、自分で食事を探す力を失ってしまったり、太り過ぎて春の渡りのシーズンになっても飛んでいくことができなくなったり……色々なデメリットがあります。

人の手によって環境が整えられた不忍池に毎年カモが飛来し、間近でたくさんのカモたちを見られること自体はとても素晴らしいこと。しかし、カモたちのためにも一線を越えずにある程度の距離感を保ち、あくまで観察したり写真を撮ったりして親しむのみに留めておくのがいいでしょう。

上野に来たら、ぶらりと立ち寄りたくなる水辺空間です

駅から歩いてすぐに行ける不忍池は、例えば上野動物園や美術館、アメ横でのお買物のついでに立ち寄ったり、お昼休みに水際でくつろいでランチを食べたり……ちょっとした空き時間を過ごすのにピッタリです(ユリカモメがお弁当を狙うかもしれませんのでその点は要注意!)。

カモなどの水鳥は冬場から春先にかけてよく見られ、そのユニークな姿を間近で楽しむために多くの来園者が集まります。決して珍しい鳥が見られるスポットではありませんが、こんな都会の真っ只中でもこれだけ水鳥が集まるんだ!ということを、ぜひ一度は直接体感していただきたいもの。東京の公園、決して捨てたものじゃありません!

【アクセス】
東京メトロ千代田線「湯島駅」徒歩約3分
「京成上野駅」より徒歩約5分
JR「上野駅」より徒歩約7分

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/11/29 訪問

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