椿は常緑性の木に赤い花をつけます。冬から春にかけて花をつけはじめ、やがてその花を落とします。
よく似た花にサザンカがありますが、この2つの花の大きな違いはその花の落とし方です。サザンカは花びらが個々に散るのですが、椿は花が丸ごと落ちます。昔の武士はその様が首が落ちる様子に似ているからという理由で椿を嫌った、なんて話もありますね。
萩の笠山には25000本ものヤブツバキが自生しており、2〜3月にかけて、順々にその花を落とし始めます。25000本というと国内でも類を見ないほどの多さですので、次々と落ちた花は次第に地面を真っ赤に染めていくのです。
その様子はまるで赤い絨毯のよう。自然の織りなす、美しい光景は一見の価値有りです。
ここ、笠山には実に10万ヘクタールという広大な場所で60種類もの椿の花を楽しむことができます。
薄紅色で小さくかわいらしい「萩小町」、先細りの芯を持ち、濃い朱紅色の「深草(ふかくさ)の少将」、花びらが内側に内曲し、外側に微毛が密生することで白毛のようになる「白毛紅(はくもうこう)」、小さい花が茶席に生けられる侘助椿のような猪口咲きをする「笠山侘助(かさやまわびすけ)」、小輪の花が濃い色をつけるためまるで黒い椿のように見える「笠山黒(かさやまくろ)」などなど。
同じように見える椿でもよくよく見ると、いろんな特徴があり、それぞれが美しい花を咲かせています。とても広い場所なので、その60種を探して歩いて回るのもおもしろいかもしれませんね。
椿の花が見頃になる季節にあわせ、群生林内では「萩・椿まつり」が開催され、土日、祝日にはさまざまなイベントを楽しむことができます。
ステージイベントでは郷土芸能の披露などがあったり、ステージ周辺には萩の特産品の販売、飲食店の出店、萩の苗木の販売など。群生林の中には抹茶席が設けられ、赤く美しい椿の花を愛でながらおいしい抹茶をいただくことができます。
10ヘクタールもの広い範囲をどう歩いたらいいか分からない!なんてときも安心、期間中は「椿見どころ案内人」のかたがたが、無料で群生林の中を案内してくれます。
着物姿の「萩椿小町」もいて、写真撮影に応じてくれますよ!
記念グッズがあたる、クイズラリーや萩・椿まつりフォトコンテスト・俳句コンテストなども開催されていますので、腕に自身があるかたはぜひ挑戦してみましょう。
椿の花だけでなく、椿に関するいろんなことで楽しめる萩・椿まつりもおすすめです。
萩は江戸時代には萩城のあった城下町。
今でもその古くからの町並みがたくさん残されている、歴史の面影を感じられるステキな街です。笠山からもすぐ近くですので、椿を堪能したあとは、白壁の続く城下町を散策するのもいいでしょう。
また、明治維新で有名な人々を輩出したのもこの萩の地。「松下村塾」を主催した吉田松陰のもとには高杉晋作、伊藤博文、山県有朋などなど、名だたる人材が集まりました。そんな松下村塾もこの萩の地に今も残されています。
さらに平成27年7月には萩にある5つの資産が「明治日本の産業革命遺産」に登録されるなど、町のいたるところで歴史の息吹を感じることができます。
椿は桜のように一斉に咲き、一斉に散るということはなく冬の間から春先にかけてゆっくりと見頃をむかえます。
見頃や萩・椿まつりの開催については関連メモにある萩市観光協会公式サイト「ぶらり萩あるき」で詳細が確認できますので、お出かけの際はぜひチェックしてみてください。
一度は見たい、赤い絨毯。本当に圧巻のすばらしい光景ですよ。
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