旧東海道・関宿の町並みが江戸時代すぎる!

旧東海道・関宿の町並みが江戸時代すぎる!

更新日:2017/10/31 13:50

風祭 哲哉のプロフィール写真 風祭 哲哉 B級スポットライター、物語ツーリズムライター、青春18きっぷ伝道師
三重県亀山市にある関の宿場町は、旧東海道の宿場町の中でも、江戸当時の町並みの姿が最も美しく保存されている場所として有名です。
今回は、その町並みが最も美しく見える絶景ポイントや観光客の少ない狙い目スポットをはじめ、関宿の街並みの歩き方を紹介します。

旧東海道関宿散策のスタートは、JR関駅から

旧東海道関宿散策のスタートは、JR関駅から

写真:風祭 哲哉

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旧東海道、関の宿場町の最寄りの駅はJR関西本線の関駅。関西本線という立派な名前がついていますが、現在はローカル線扱いで、列車は普通列車のみが日中1時間に片道1本程度走っています。名古屋方面からは快速で三重県の亀山駅まで来て乗り換えれば最速1時間15分ほどで到着しますが、大阪や難波からは奈良県の加茂駅に直通する電車に乗り、そこで乗り換えて合計2時間半前後と、アクセスにやや時間がかかります。

ちなみに、車であれば名阪国道の関ICから約5分と大阪、名古屋双方から比較的便利なアクセスとなっています。

列車を降りると、出迎えてくれるのは宿場町らしい立派な和風の駅舎。このJR関駅前のゆるやかな坂を北に向かって5分ほど歩くと、旧東海道と交差しますが、この四つ角の周辺がもう関の宿場町の中心部となります。

関の街並み景観保存の象徴、百五銀行

関の街並み景観保存の象徴、百五銀行

写真:風祭 哲哉

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駅前からの坂道が旧東海道と交差する四つ角にあるのが、写真の百五銀行。百五銀行は三重県津市に本店を置く地方銀行で、この建物はもちろんホンモノの銀行の店舗です。昔ながらのまちなみの景観を復活、保存させている関宿では、銀行もこんなにクールな建物なのです。

この百五銀行の四つ角が関の宿場町の中心部という雰囲気ではありますが、主な見どころはここから西側(山側)に多く集まっています。東側(平野側)にも美しい町並みや商店などが続いていますが、時間が少ない場合はここから西側に道を折れて、そのまま進んでもいいかもしれません。

眺関亭からの眺望が、旧東海道関宿の絶景ポイント!

眺関亭からの眺望が、旧東海道関宿の絶景ポイント!

写真:風祭 哲哉

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百五銀行から少し西側にあるのが、百六里庭(ひゃくろくりてい)。ここは江戸からちょうど百六里あるのでそう名付けられた小さな公園ですが、この百六里庭に隣接して「眺関亭(ちょうかんてい)」という建物があります。この「眺関亭」、読んで字のごとく、関宿を眺めるための建物で、その2階からの眺望がまさに絶景。江戸時代から明治時代にかけて建てられた町屋が200棟以上も現存し、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている関の宿場町が、往時の姿そのままであるかのように眼下に広がっているのです。

この関の宿場町のすぐ背後に控える鈴鹿峠が、天候の陽陰の有名な境目でもあることから、この眺関亭から東側(伊勢平野側・江戸方面)を望むと青空が広がっているのに、西側(鈴鹿峠側・京都方面)を望むと峠に向かって厚い雲に覆われている、ということも珍しくありません。

旧東海道沿いの商店街の看板観察も面白い

旧東海道沿いの商店街の看板観察も面白い

写真:風祭 哲哉

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眺関亭のすぐ先にあるのが「関宿旅籠玉屋歴史資料館」。関宿を代表する大旅籠のひとつだった玉屋を、江戸時代の貴重な旅籠建築として修復し、日本最初の旅籠資料館として当時の道具や庶民の旅に関する資料、広重の浮世絵などが展示されています。すぐ隣の高札場跡前を通り少し進むと、左手に関のお地蔵さんで有名な関地蔵院があります。ここは日本最古の地蔵菩薩として全国の数あるお地蔵さんの中でも最も敬愛され、東海道を旅する人々の信仰も数多く集めてきたと言われています。

このあたりの旧東海道沿いには昔ながらの商店が並んでいますが、その町家はもちろんのこと、屋号の看板なども往時のものを残しているお店が多く、それらを眺めながら歩くのも関宿の楽しみのひとつです。

関宿の西の端は狙い目スポット

関宿の西の端は狙い目スポット

写真:風祭 哲哉

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関の地蔵院がある角を北側に曲がると、関宿の駐車場があることから、車で来た人々はこのあたりから東側に向かって散策することが多く、関の宿場町の一番賑やかな場所はこのあたりまでとなります。お土産店や食事処があるのもここまで。ここから先の西側は一般の古い町屋が続く住宅街となります。

ところが実はここから先が狙い目なのです。関宿の中心部は、特に休日にもなると観光客も多く、せっかく美しい町並みをゆっくり散策したり、写真を撮影しようと思っても、レンズの中には人ばかり、ということも多いのですが、この関の地蔵院から先は観光客もグッと少なくなり、静かな落ち着いた町並みが続くのです。

目の前の鈴鹿峠の山塊に向かって、ゆるやかにカーブを描きながら少しずつ高度を上げていくように続く道。かつての東海道らしさを最も色濃く残している構図の一枚である、と言えるでしょう。

時間があれば、そのまま1キロほど先の西の追分まで歩いてみましょう。西の追分付近で国道1号線と合流しますので、帰りはそのまま国道1号を歩いて関駅まで戻ってくることもできます。国道沿いには途中、道の駅もありますので、軽い食事やショッピングもできます。

旧東海道随一の名にふさわしい関宿の町並み

関の宿場町は旧東海道中でもっとも美しく保存されている町並みであると言われていますが、その称賛に偽りはありません。ただ、むやみに歩いて観光客とすれ違っているばかりでは、どこにでもあるような観光地と同じになってしまい、関宿の魅力も半減してしまいます。

本当はあまり観光客のいない時間にじっくりと歩いてほしいのですが、休日や繁忙期に訪問する場合は、少しでも関らしい雰囲気を感じるためにも、ぜひこのガイドを参考にして歩いてみてください。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/10/10 訪問

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