日出ヶ岳(ひでがたけ)や大蛇ぐら(だいじゃぐら)など主要な展望地がある「東大台」と、原生的な森林が広がる「西大台」の2つに大別される大台ケ原。今回は気軽にチャレンジできる一般向けの「東大台」コースで、大自然を満喫しましょう!
東大台をハイキングするためには、まず大台ケ原ドライブウエイを上り詰めたところにある大駐車場まで車で向かいます(バスも運行しています)。そして、その側に立っている大台ケ原ビジターセンターに立ち寄ると地図がもらえますので、周遊コースを確認して、いざ登山道へと進みましょう。
のんびり散策できる平坦な道のりが大半の東大台コース。とはいえ大台ヶ原の最も高い標高1694mの山頂、最初に目指す日出ヶ岳の展望台へは急勾配の長い階段をのぼらなければなりません。
個人差もありますが、駐車場をスタートしてから約30〜40分で日出ヶ岳の展望台に到着します。
頑張ってのぼってきたご褒美は、まさにここ(展望台)から見える360度の大パノラマ。早朝に登れば、眼下に広がる熊野灘からの日の出という絶景も楽しむことができます。運が良ければ富士山が見えるかも!?
日出ヶ岳の次に目指すのは正木ヶ原。30分もかからぬうちに、そこには展望台からみた絶景とはまた別の、大台ケ原の表情を見せる場所があります。
古くは「魔の山」「迷いの山」と恐れられてきたスピリチュアルなパワースポットでもある大台ケ原。かつてはうっそうとした「苔むす森」でしたが・・・・。
原生林の自然が残る一方で、あるエリアでは写真のような森林破壊の光景がみられます。トウヒ(マツ科の常緑針葉樹)の立ち枯れはシカの食害と言われていますが、元々のキッカケは昭和30年代の伊勢湾台風など大型台風による倒木や森林伐採でした。木々が倒れたことにより、それを覆っていた苔が減り代わりに笹が山を覆うように。そうなると、自然と笹を主食とするシカが増えてしまい、増えたシカは木の皮をはがして食べるようになり、木が立ち枯れるなど完全に悪循環に陥ってしまったのです。
この写真の光景が大台ケ原の抱える問題を顕著に物語っており、だからこそ残された貴重な自然を大切に守り、破壊されつつある生態系を再生すべくチャレンジが進行中です。
正木ヶ原から牛石ヶ原を抜けたところに、日出ヶ岳と並ぶ絶景ポイントである大蛇ぐらへの分岐点があり、そこから300mほど森の中を下り、最後に木の梯子をのぼると、視界が急に開け、写真の光景が目に飛び込んできます。
滑落防止のチェーンがあっても、先端まで行くにはかなり勇気が!谷にのみこまれそうで足がすくみます!絶景ポイントであると同時に、絶叫ポイントといってもいいかも♪
大蛇ぐらはその名のとおり、蛇の頭の形をした大岩とそれに連なる蛇の背のような岩場からの眺めが圧巻です。目の前には大峰連山、足元をのぞくと標高差1000mの谷底という、雄大かつスリリングなこの絶景、見逃すと後悔しますよ〜。
先に大台ケ原の森林破壊の原因についてお伝えしましたが、大台ケ原では「シカが森林に与える影響を排除し、森林の世代交代が可能な環境を保全するために、シカの進入を防ぐ柵が設置」されています。
道中に点在する案内板も必見!森の生態系についていろいろと考えさせてくれます。
東大台コースの概要は下記の通り。
駐車場〜日出ヶ岳(2.0km)、日出ヶ岳〜正木ヶ原(1.8km)、 正木ヶ原 〜牛石ヶ原(1.3km)、牛ヶ原〜大蛇ぐら(0.7km)、大蛇ぐら〜シオカラ橋(2.0km)、シオカラ橋 〜山の家(0.9km)、 山の家〜駐車場(0.5km)
1周約9キロ、所要時間の目安は約4時間ですが、ご自身の都合にあわせてコースを短縮することも可能。
整備された登山道をのんびり歩きながら、自然学習もできてしまう、おススメのハイキングコースです♪
ちなみに大台ヶ原の開山期間は例年4月下旬から11月下旬までですので注意しましょう。
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(2023/11/29更新)
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