那覇の繁華街であるゆいレール「牧志」駅から徒歩15分、「第一牧志公設市場」から徒歩5分ほどの場所にある「壺屋やちむん通り」。
戦争による被害が比較的少なかったこともあり、沖縄らしい赤い屋根瓦の建物やガジュマルの大木などが残っています。
石畳が続く400m程の通りの左右には老舗の陶器専門店や窯元が営む雑貨屋などが数多く軒を連ねています。
店内には人間国宝・金城次郎さんをはじめ、現代の名工たちの素晴らしい作品から感性豊かな若い陶工たちの作品を間近で見ることができるのも大きな魅力。
また、やちむん探しで疲れたらカフェで一息。
沖縄のお茶とお菓子を楽しみつつ、ゆっくりと時間をかけてお気に入りのやちむんを探してみませんか。
なぜこんなに多くの窯元がこの壺屋に集まっているかというと、康熙21年(1682年)に第二尚氏王朝の11代国王である尚貞王が三つの窯をこの壺屋に統合したため。
壺屋のやちむんは釉薬を掛けないで焼き締める荒焼(あらやち)と白土で化粧掛けしたり、釉薬を掛けて焼成する上焼(じょうやち)に大別されます。
石垣が続く路地の奥には14の窯元が点在し、創作活動を続けています。
公設市場寄りの場所にある「南ヌ窯(ふぇーぬかま/写真)」は荒焼き専用の登り窯として現存し公開されており、琉球王府が作った由緒ある窯(沖縄県指定文化財)として大切に保存されています。
一方、ひめゆり通り寄りの新垣家内にある「東ヌ窯(あがりぬかま)」は上焼専門の窯(国指定重要文化財)として現存しています。
「東ヌ窯」のある新垣家住宅は昔の陶工の暮らしを残す屋敷として大切に修理・保存されています。
新垣家住宅は所有者が居住しているため残念ながら公開されていません。
緑に覆われた石垣が続く路地の奥にある赤瓦の建物が壺屋焼窯元・育陶園。
育陶園では約一時間でシーサーやろくろを使ったカップやお皿作りが体験できます。
作った作品は約一ヶ月後に焼きあがり、郵送してくれるので安心です。
体験教室のスタート時間は10時、11時、12時、14時、15時、16時の6回。
最大25名まで体験可能ですが、希望の時間通りに受講できるかは予約状態次第。
その場で体験教室を申し込むことよりは、旅の旅程が決まった時点で事前に申し込むようにしましょう。
やちむん作りを通して沖縄の心に触れていただければ、沖縄が今まで以上に身近に感じられると思います。
前述の「南ヌ窯」や「東ヌ窯」や路地裏の石塀以外にも戦前からの暮らしを感じる史跡がたくさんあります。
壺屋に限らず、水資源が少ない沖縄では井戸は生活を支える神聖な場所であり、信仰の対象として今も大切に保全されています。
ひめゆり通りのそばには村の共同井戸として一番古い「東ヌカー(あがりぬかー/写真)」があり、大きなガジュマルの木の下からは、今もコンコンと水が湧き出ています。
通りには4つの井戸(カー)があるので、是非探してみてください。
その他、壺屋の土地神さまにして地域の守り神さま、焼き物の神さまとして信仰されている土帝君(とーてぃーくん)を祀る「北ヌ宮(にしぬめー)」。
行事の中心地となる村建ての神さまを祀る「ビンジュルグワー」や魔除けの石敢當(いしがんどう)などを見学してみてください。
自然と共に生きている沖縄の人たちの信仰の一端が垣間見られるのでは思います。
お店や窯元巡りも楽しいですが、ちょっと脇に目を向けてみると本土では味わえないワンダーな景色が楽しめます。
一つは植物観察。観葉植物として販売されている小さな鉢ものたちが信じられないような大きさでのびのびとそこかしこに生えています。
また、バナナやアセロラ、グァバやパパイヤなどが、ツバキやアジサイのように普通に育ち、何事もなく実をつけています。
もう一つは猫、ネコ、ねこのオンパレード。
路地の角を一回曲がるごとに違う猫が自由に闊歩しています。
猫好きの方にはたまらないワンダーな路地裏散歩と言えます。
「壺屋やちむん通り」には駐車場が少なくレンタカーを停めておけるスペースはないと言っても過言ではありません。
モノレールやバスなどを利用して、散策されることをお勧めいたします。
また、路地裏は人がすれ違える程度の道幅で一般住宅地です。散策の際は居住されている方々の迷惑にならないようにご配慮ください。
井戸や神社、大きな木の下、施設の隅などにある小さな祭壇は「拝所(うがん)」と呼ばる神聖で大切な場所です。くれぐれも失礼のないようにご配慮ください。
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(2024/10/12更新)
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