写真:村井 マヤ
地図を見る広島県三原市で2月の第2日曜日を含む前3日間行われる「三原神明市」は、備後地方に春を呼ぶ祭りであり、450年以上の歴史のある祭りでもあります。ちなみに、2017年は三原城築城450年の記念の年。三原城築城より歴史のあるお祭りなんですよ。
そもそも「神明祭」とは、伊勢神宮を祀る祭りのことです。この伊勢信仰が全国に広まったのは、室町末期のころ。三原はその頃から、港町として発展しつつあり、この「神明市」は9つの町組が寄り合って始まったと言われています。
「神明市」は、小早川隆景が三原城を築城する以前から賑わった祭りで、往時の頃は数百の露店が立ち並び、身動きができないほどだったのです。
現在でも、最終日の日曜日はすごい人数で、毎年3日間で約30万人前後の人出とか・・。小早川隆景は、この祭りを大切にしていて、人出などでその一年の豊凶をうらなったと言われています。
さて、数百の露店は、JR三原駅の北口及び西口方面、三原城天守台の周辺から、その前を横切る西国街道(山陽道)を東に真っ直ぐ続きます。終点は、大ダルマが設置されている辺りまで。
「神明市」を訪れた人は、この露店の列の一番西側である「隆景広場」をスタートし、大ダルマまでを人ごみをかき分けて進みます。気に入ったお店で、美味しいものを味わいながら祭りを楽しむのです。
写真:村井 マヤ
地図を見る「三原神明市」では、「ダルマ市」が有名です。江戸末期ころから縁起物として鉢巻ダルマが売られ始めました。そのため「神明市」を別名「ダルマ市」とも呼びます。
現在、鉢巻ダルマは、「三原だるま工房」などで作成されているものやお土産用の民芸品で、大量生産できないため、「神明市」での販売は、1日の販売数を決めての販売になります。販売場所は、三原駅前の浮城広場と駅西口バスターミナル付近の隆景広場にて販売。小さなもので600円から。この鉢巻をしたダルマを「三原だるま」と呼んでいます。特徴としては、握りこぶし程度の大きさで豆しぼりの鉢巻をしており、振ると音がします。そこから「願いが成る」縁起物として、昔はこのダルマの背に家族の名前を書き神棚に供えたといいます。古い商家などには、神棚に昔の「三原だるま」がお供えされている所もあります。
現在でも、神明市では自分の予算に見合ったダルマを購入し、願いをこめて、翌年の「神明さん(親しみをこめてこう呼びます!)」まで大切にしています。
写真:村井 マヤ
地図を見る最近では、ものすごく小さな手のひらサイズのものや、色もさまざまなダルマが販売されています。色によって願い事が決まっていて、「金運」「恋愛運」「健康運」など。願いに応じて、買い分ける方もいらっしゃいますよ。小さなダルマなら、昔のようにご家族分購入して、お土産にしても良いですよね。
写真:村井 マヤ
地図を見る「神明市」の楽しみの1つは、もちろん祭の露店巡りではありませんか?「神明市」では、人気のお店の前には長蛇の列。なかでも、「醉心山根本店」の「甘酒」は大人気!大吟醸でつくった甘酒は格別に美味しくて、好きな人は何度も並んでしまうほど。お値段もお手頃の100円というのも嬉しいですよね。
もちろん、「醉心山根本店」の出店では、「神明市」限定のお酒も販売されますので、お土産に買う方もいらっしゃいます。「醉心山根本店」には他にも奈良漬という名物も。こちらは初日に行かないと売り切れてしまう可能性あり!2016年の神明さんでは、「酒ケーキ」に加えて大吟醸入りと15年熟成大吟醸入りのチョコレートの販売もありますよ。チョコレートは新商品で、通常では「醉心山根本店」と広島市内の「そごう広島店」のみの限定販売です。「神明市」開催は、ちょうどバレンタインなので、プレゼントにも最適ですよね。
神明さんに行ったら、「醉心」の甘酒を飲み、奈良漬を購入し、さらにチョコレートも購入しましょう。
場所は、大ダルマの少し手前くらいですので、とにかく大ダルマを目指して歩いて行けばわかるはずです。
写真:村井 マヤ
地図を見る神明市のシンボルになっている大ダルマ。
もともとは、東町4丁目町内会が、「だるまくじ」を販売する目印に、昭和25年頃から設置したのがはじまり!
さらにこの大ダルマの下をくぐり、「極楽寺」まで足を延ばしてみてください。極楽寺には、「青山コレクション達磨記念堂」があります。通常でも見学できますが、2016年の「神明市」では、無料で一般公開されます(1年おきの公開となっています)。ぜひ素晴らしいダルマのコレクションもご覧になってください。時間は、9時から17時までです。
「だるまくじ」もぜひ!春一番の運試しはいかがでしょう・・。
三原市で、3日間かけて行われる「神明市」には、名物の「植木市」もあります。これは、もとは農具、苗木などが販売され、それが「植木市」に発展しました。毎年この植木市を楽しみにしている人も・・。
また、出店だけではなくイベントも行われています。例えば寄席など。2015年には、「子どもだるま行列」も約60年ぶりに復活しました。だるまの張子を被った子どもたちの行列はコミカルで可愛いですよね。2016年にも「子どもだるま行列」が行われました。2017年は2月10日(金)14時から15時に三原小学校を出発し東町の大ダルマ付近まで40体の張り子だるまが行列します。
2017年の「三原神明市」は2月10日(金)から2月12日(日)の開催で、時間は9時から20時までです。
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(2024/9/14更新)
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