玉堂美術館は、JR青梅線御嶽駅より徒歩5分位の場所にあります。多摩川上流の御嶽渓谷沿いにあり、空気のおいしいとても東京都は思えない自然に囲まれた環境。御岳渓谷の急流では、多くの人がラフティングやカヌーを楽しむ姿も見ることができます。御岳渓谷は東京からもっとも近いリバーアクティビティスポットでもあるのです。
川合玉堂は、横山大観と同時期に活躍した近代日本画壇の巨匠。日本の自然をこよなく愛し、数多くの風景画を残したのです。玉堂は1944年に疎開で青梅に移り住み、御嶽駅近くにアトリエを構え1957年に84歳で亡くなるまで創作に打ち込みました。玉堂美術館は、玉堂の死後、1961年に皇后陛下をはじめ諸団体、地元有志、全国の玉堂ファンの寄付により設立された美術館なのです。館内には玉堂の作品や資料が展示されているほか、玉堂が構えていたアトリエが復元されています。建物は数奇屋建築の名手、吉田五十八氏の設計。入口へのアプローチである石段は、龍安寺を彷彿させるのです。
美術館の展示物も見事でありますが、中庭がまた見事なのであります。玉堂美術館の中庭は、石と白砂で構成された石庭。まるで龍安寺の石庭の様なのです。京都には多くの枯山水庭園がありますが、関東で枯山水庭園はなかなか見ることはできません。そんな関東において龍安寺のような石庭を見られるとは、本当にアメージングなのです。東京にいながら、龍安寺に行った気分が味わえるのです。龍安寺の石庭は方丈から眺めますが、ここは美術館、中庭におかれたベンチに座って眺めますので、ちょっと風流さに劣ります。しかし、あまり知られていないのか、人影もまばら、逆に落ち着いて石庭と向かい合うことができる貴重な庭園なのです。
龍安寺の石庭は、油土塀にかかるもみじが見事と評判ですが、玉堂美術館の石庭ももみじが配置され、紅葉時はもちろん、新緑の季節も見事な表情を見せてくれます。庭園の背後には大銀杏もあり、玉堂美術館の石庭は四季折々の表情を見せてくれるのです。青梅は都心より気温も低く、冬には雪景色の石庭が見られるかもしれません。龍安寺の石庭が素晴らしいことは間違いないですが、関東在住の方は、身近な玉堂美術館の石庭で四季の変化を味わうのはいかがでしょうか。
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(2025/1/22更新)
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