写真:乾口 達司
地図を見る由加神社本宮は日本三大権現の一つ。瀬戸内海を見下ろす由加山の山頂付近に鎮座しています。社伝によると、天平5年(733)、行基菩薩が十一面観音をまつったことにはじまります。以来、朝廷や武家の祈願所として繁栄し、神仏習合の聖地として、多くの崇敬を集めて来ました。現在も庶民に混じって芸能人が多数参拝しており、高倉健や長渕剛などが参拝した写真が境内の一角に掲示されています。
写真は拝殿を撮影したものですが、由加神社本宮といえば、江戸時代から明治時代にかけて盛んであった「両参り」の風習を語らないわけにはまいりません。「両参り」とは、その名のとおり、四国の金毘羅宮と由加神社本宮とを両方参拝すること。交通の便の悪かった昔、金毘羅宮に参拝する旅人が本州から四国に渡る際、由加神社本宮で旅の安全を祈願しており、それがいつしか「両参り」という風習に発展したのです。そこからも由加神社本宮がいかに多くの人々の崇敬を集めて来たかが、うかがえるでしょう。
写真:乾口 達司
地図を見る多くの崇敬を集める由加神社本宮だけに、参拝すると、さまざまなご利益があるとされています。従来、厄除けに霊験あらたかといわれていますが、近年は縁結びにもご利益があるパワースポットとして、境内は多くの婦女子で賑わっています。
写真は拝殿の床下に設けられた縁結びの小路。薄暗い通路を歩いていった先に、雌雄一対の獅子に両脇をかためられるようにして、小さな社殿がまつられています。社殿には縁結びの神さまとされる素盞嗚尊(すさのおのみこと)がまつられており、男性は雌の「女獅子」、女性は雄の「男獅子」へお参りすると、ご利益があるとされます。良縁を願う方はぜひお参り下さい。
写真:乾口 達司
地図を見る本殿の裏手にまわってみましょう。裏手には、ご覧のような巨石が連なっています。これは磐座(いわくら)と呼ばれる古代の巨石信仰の痕跡を示したものと考えられ、奈良時代、行基菩薩によって十一面観音がまつられる以前から、当地が古代人に信仰される聖地であったことが推察出来ます。
写真:乾口 達司
地図を見る写真は明治27年(1894)に奉納された備前焼の大鳥居。備前焼の産地である岡山県では、実は備前焼の狛犬が数多くの神社でまつられています。しかし、備前焼の鳥居は岡山県でもきわめて珍しく貴重。お見逃しなく。
写真:乾口 達司
地図を見る由加山といえば、名物のあんころ餅を忘れてはなりません。いまから400年前から販売されて来たとされるあんころ餅は、境内の売店や参道沿いの限られたところでしか買えないため、希少価値は抜群。旅の思い出として買い求められてはいかがでしょうか。
由加神社本宮がいかに多くの人から崇敬されて来た神社であるか、ご理解いただけたでしょうか。繰り返しになりますが、多くの芸能人も参拝する神社であるため、観光スポットとしても貴重。ぜひ、由加神社本宮に参拝し、その魅力を満喫して下さい。
なお、明治初頭の神仏分離にともない、現在、その神域は仏教面をつかさどる蓮台寺と二分されています。由加山の山頂近くに鎮座しているため、お車で参拝される方が多いかとは思いますが、蓮台寺サイドのご迷惑になるため、お車は必ず由加神社本宮の駐車場にお停め下さい。
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(2024/12/4更新)
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