古雛が告げる春の訪れ!遠野(岩手)「町家のひなまつり」

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古雛が告げる春の訪れ!遠野(岩手)「町家のひなまつり」

古雛が告げる春の訪れ!遠野(岩手)「町家のひなまつり」

更新日:2016/01/26 17:47

Shinkurouのプロフィール写真 Shinkurou

内陸と沿岸を結ぶ宿場町として栄えた岩手県・遠野。ここには、商家の女性たちが大切に守り続けてきた、珍しい雛飾りがたくさん残っています。そしてそれらを一度に楽しめるイベントが「遠野・町家のひなまつり」。しかもただ見るだけでなく家々の雛飾りが持つ歴史物語を聞いて楽しむ事も出来るのです。「お雛さま見せておくれんせ」と店を廻り、伝承の里・遠野で、春の訪れを感じる旅はいかがでしょうか?

趣向を凝らした「段飾り」

趣向を凝らした「段飾り」

写真:Shinkurou

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例年2月第3週から3月3日まで行われる「遠野町家のひなまつり」は、雪深い山里で、春を告げる雅なイベントとして、年々大規模になってきました。商家や個人宅で大切に守られてきた男雛女雛は、その人形独自の歴史と、民話の里ならではの物語を語りかけてきます。

現在の雛人形は縄文時代の「土偶」、平安時代の「形代(かたしろ)」が原型であると言われ、身代わり信仰が時代とともに変化したもの。「源氏物語」「枕草子」などにも「ひいなあそび」との記述が有るほど古くから、桃の節句として日本に定着しています。

中でも遠野地方は、「オシラサマ」「遠野カッパ伝説」等多くの民話が残り、素朴で日本古来の伝承が多く残る地域。この山深い里では「みずきびな」「流し雛」など、春を感じさせる行事がとても大切にされてきました。そしてその風習を保存・維持するためのイベントが「遠野・町家のひなまつり」です。

このイベントは遠野駅周辺の商店街を中心に、約28の店舗・博物館で開催され、年々規模が広がり賑やかに。特見て頂きたいポイントは、店舗によって趣向を凝らした特別な飾り付けになっているという事。人形が持つ物語を肌で感じる事が出来るのです。

南部家家紋入りの小道具も!

南部家家紋入りの小道具も!

写真:Shinkurou

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江戸期に入り、寛政年間には大型で豪華な「雛飾り」が登場し、江戸に大店を持つ商人が、商いとして扱うようになります。

沿岸と内陸部を結ぶ宿場町・遠野は馬市で賑わいを見せた城下町で、江戸からも多くの商人が集まります。ですのでここ遠野では、享保雛・芥子雛(小さなひな飾り)さらには明治・大正時代の物まで、様々な時代のひな壇が守り継がれて来ました。何と南部家の家紋入り・漆塗り膳まで揃っているのです。

そしてもうひとつのポイントは、全ての人形がそれぞれの物語を持つという事。山深い里の女性たちが大切に守り続けてきたその歴史が、全ての人形の顔・衣装・道具に感じられます。家主さんから説明を受けると、まるでその時代にタイムスリップしたよう。民話の里ならではの雛めぐりが愉しめます。

歴史感じる金屏風も!

歴史感じる金屏風も!

写真:Shinkurou

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旧家が保存する雛壇は、普段目にすることの出来ない貴重で珍しいものが多く、地域の人々が店を廻りながら雛飾りを愉しむ習慣が根付きました。また農作業が忙しい時期である端午の節句の人形、先祖供養のための「みずきびな」も飾られました。

店先からは、雪で閉ざされた地域に住む女性たちが春を心待ちにする思いが伝わっていきます。ショーウインドーから楽しむ飾りつけもありますが、ほとんどが「おひな様見せておくれんせ」と声をかけお店に入ってじっくりと見る事が出来ます。地元の人達との会話は、遠野の旅ならではの思い出作り。時間をかけてゆっくり廻り、雛の物語を楽しんで下さいね。

珍しい「芥子雛」

珍しい「芥子雛」

写真:Shinkurou

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形代から立雛(たちびな)へと変化たひな壇が、現在の内裏雛の形式を整えるのが室町時代と言われています。当時のひな飾りには髪の毛が無く、まゆや目と同様に、髪も墨で書かれた雛人形が多く、現在のような冠・髪飾りの無いごくシンプルなものでした。人形を観察されるときは、髪の毛の有無が制作された時代の手がかりとなりますよ。


「遠野城下町資料館」では、江戸時代中期の「芥子雛」が展示されています。写真は大豆を使ったシンプルな雛飾りですが、民話の里・遠野らしい雰囲気を持ちます。贅沢禁止令が発令された享保の頃の作だと言われ、往時の庶民の生活を彷彿させる珍しい雛飾りです。少し顔を背けているのも何だか愛嬌があり、この男雛・女雛も独自の物語を持っているのですね。

最後に

このイベントに参加している店舗は、店先に赤いのれん・ピンクの幟を揚げ、お買物が無くても自由に入れますが、一声かけて楽しんでくださいね。

また「ひなの語り手」が詳しい歴史や雛人形のいわれ等を説明してくれる店舗もありますが、撮影禁止の雛飾りもありますのでお気を付け下さい。
この地域の雪解けそして春の訪れは4月上旬ですので、お出かけには防寒を、そして雪対策として滑らない雪靴か長靴がお勧めですよ。

イベントエリアには無料・有料駐車場が完備されていますが、ゆっくり各店舗を回りたい方には「遠野市役所とぴあ庁舎」(無料)が便利です。

遠野駅前に「旅の蔵遠野」が24年度にオープンしました。こちらで「ひなめぐりマップ」を入手されるのがお勧め。また当館内には「ながしびな」用の人型の紙が置かれていますので、子どもの健やかな成長・願い事を書いて参加すぐ事が出来ます。ボックスに入れて後ほどお祓いも受けられますよ。

山里ならではの雅な春の訪れを愉しむ旅になりますように。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2014/03/03 訪問

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