大井川鐵道は、ほぼ毎日SLを運行する唯一の鉄道会社で、昭和10年代に誕生した4両ものSLが現役で活躍。4両の中でも、かつて九州を中心に活躍していた「C11形190号機」は、熊本県で一度は廃車になったものの、2003年より同社の手で営業運転が復活しました。
SLが走るのは、大井川本線の静岡県島田市の新金谷駅から川根本町の千頭駅までの区間。茶畑広がる自然豊かな大井川沿線を、日本一短い!?トンネルや吊り橋の下をも走り抜け、SLが見える温泉もあったりと、のどかなで飽きのこない風景が続いていくのが沿線の魅力。
SLの終着駅である千頭駅から先は、あまり日常的には見られないような青さの川が流れ、秘境へ導く井川線、通称「南アルプスあぷとライン」が続きます。申年の今に出会ってみたい、こちらの写真のように運がいいと車窓から野生の猿に遭遇するほど、ありのままの自然が残っています。フジテレビの人気番組「ザ・ベストハウス123」で、「日本の不思議な駅ベスト3」の第1位に輝いた、湖上に浮かぶように佇む秘境駅「奥大井湖上駅」もあります。
「C11形190号機」の「門デフ」での期間限定運行は、同社が1976年にSLの営業運転を復活させてから40周年を記念し、鉄道趣味誌「蒸気機関車EX」を発行するイカロス出版とのタイアップで決定。鉄道ファン待望の夢が今回初めて実現されたのですが、「門デフ」とは一体!?
実は、SLを正面から見て左右に取り付けられている長細い板。細長い板は、徐煙板(デフレクター)といって、煙突からの煙が運転室へ侵入するのを防ぎ、車体に煙がまとわりつかないようにと工夫された気流を変えるための重要な役割を果たしているんですって。
現在、同車両の他に、門デフが付けられている日本国内のSLは、JR九州で人気の「SL人吉」。SL人吉は、数々の素敵な車両を手掛け人々を魅了する工業デザイナー、水戸岡鋭治さんがデザインした車両です。しかし、SL人吉は、期間中は冬期運休中。大井川鐵道の現役車両は4両あるので、期間中いつ運行するのか分からないのが更に貴重!
九州に縁のある「C11形190号機」に、かつての九州地区のSLの象徴とされる九州国鉄小倉工場で誕生した「門デフ」の取り付けは、かねてからの鉄道ファンの夢。嬉しいことに40周年で実現し、黒くピッカピカなSL正面の顔には、通常の黒色から、特別にゴールドの飾りハンドルが付けられ、正装した姿で力走しています。
通常時に同車両が付けている、もっと大きな除煙板が主流でしたが、メンテナンスがしにくいことが当時難点に。数々の検証を重ね、下半分をカットしたようなタイプが九州の国鉄小倉工場にて誕生し、国鉄の門司鉄道管理局管内に工場があったので、「門デフ」と呼ばれるようになったんですって。
なんだか貴重だとは分かったけど・・・という方も、安心して下さい!ちょっと特別感を持ちつつ、気ままに楽しいSLの旅ができますよ。
客車も国鉄当時のノスタルジーな雰囲気がそのまま残され、最初にご紹介したように沿線の魅力はいっぱい!大の鉄道ファンならずとも、SLが大活躍していた時代に自然とタイムスリップしSLの魅力にはまるはず。
それでは、続いて、門デフと一緒の時期に楽しめる、期間限定の沿線の魅力をご紹介しましょう。SLも通過する大井川本線の五和駅は、受験シーズンが近づくと受験生を応援する「合格駅」に変身!
金谷コミュニティ委員会のメンバーの皆さんが、駅名の「ごか」を、「ごうかく」に掛けて「合格駅」と名付けました。2016年1月24日には、合格地蔵尊の開眼法要も行われ、駅舎内にお地蔵さまが安置されます。また、験を担ぐ五角形が「ごうかく」に繋がることから、手作りで愛情がいっぱい詰まった五角形の大凧や激励のメッセージが駅舎内を飾ります。
五和駅は、SLは停車しませんが、駅舎の外にも受験用に飾り付けがされるので、車窓からも受験生を応援する様子が楽しめます。SLではない普通列車は停車しますので、地域の方々のアイディアたっぷりの駅舎に、ぜひ合格祈願に訪れてみては。受験シーズン以外でも、季節やイベントなどに応じて、駅舎の様子がいろいろ変わりますよ。
島田市大代地区では、地元の「王子田会」のメンバーの皆さんが、毎年干支にあわせて藁でジャンボ干支を制作。五和駅前の交差点から6kmほど先の県道81号線沿い、市指定文化財「河村家住宅」手前に飾られています。デザインから考案し10日間ほどで完成した力作がこちら!
なんと今年は、ラクビー日本代表の五郎丸選手の五郎丸ポーズをしたお猿さんがお出迎え。ラクビーボールも忠実に再現。3メートルほどの高さもある巨大なジャンボ干支は、顔やお尻も赤色に塗られるなど完成度がとても高く、愛嬌があって皆さんが笑顔に。
2月下旬まで設置予定で、夜には幻想的な青色の光でライトアップも。駐車場もしっかり完備され、簡易トイレとタンクの手洗い場、ベンチも用意。王子田会のゆるきゃら「おおじろう君」の顔ハメもあるのでジャンボ干支と共に記念撮影はいかがでしょう?毎年年末からお正月飾りと一緒に設置されているので、新年の年賀状用にも多くの人が集まります。
新金谷駅までは、新東名「金谷島田IC」や東名「相良牧之原IC」から車で約10〜15分。JR金谷駅と大井川鐵道金谷駅はホームの一部が接続され、新金谷駅までは1駅で到着。富士山静岡空港からも、実は車で約20分とアクセス至便です。
そして、2016年6月11日から10月10日の期間、大人気のトーマスやジェームス達が、新しい仲間を連れて大井川に戻ってくる事も決定!トーマス号やジェームス号が楽しく過ごした大井川流域へぜひ遊びに来て下さいね。
※「C11形190号機」の運行については、大井川鐵道のHPやfacebookが参考になるでしょう。
※大井川鐵道や沿線の詳しい様子、五和駅、ジャンボ干支については、記事最後の関連MEMO欄をご覧下さい。
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(2024/10/13更新)
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