和歌山県の神秘の山里・天野に佇む丹生都比売神社へ行ってみよう!

和歌山県の神秘の山里・天野に佇む丹生都比売神社へ行ってみよう!

更新日:2016/04/19 14:37

和歌山は紀ノ國と呼ばれた平安の昔から、熊野詣に高野山詣でと数多の人々の信仰を集めてきました。そんな紀ノ國・和歌山にはなんと「一之宮」が3つもあります。
一之宮とはその地域の中で最も格の高い神社。現在の和歌山県にはその社格の高い神社が3社あり、そのうちの一つが丹生都比売神社(にうつひめじんじゃ)なのです。
今回は山里深くに佇む神秘的なこの神社についてご案内いたします。

神秘の伝説が残る神社の創建はなんと1700年以上前!

神秘の伝説が残る神社の創建はなんと1700年以上前!
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丹生都比売神社の創建は古く、日本書紀には既にその名が記されていて、ゆうに1700年以上前に遡るとか。

その丹生都比売神社があるのは紀伊国、現在の和歌山県伊都郡かつらぎ町上天野。
麓を流れる紀の川を渡って標高450mまで九十九折りの山道を登ると、そこが天野の里。「天野」の名が示す通り天に近い場所とされている里山に、うつくしい楼門を持つ現在の本殿が復興されたのは室町時代。

本殿は檜皮葺の一間社春日造。一間社春日造の建造物としては日本一の規模を誇ります。
丹生都比売神社へ参拝の際はぜひ楼閣内参拝を。なんとワンコインでその春日造の本殿を間近に見ながら幣を手にした巫女さん、または神職による祓えを受けることができます。

淀君が寄進した輪橋(太鼓橋)も必見

淀君が寄進した輪橋(太鼓橋)も必見
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丹生都比売神社で目を奪われるのは重要文化財にも指定されている本殿と楼閣だけではありません。艶めく朱塗りに美しい曲線の輪橋(太鼓橋)と鏡池も必見。

輪橋は木造で、木造のそり橋は日本国内でも数がすくなく、こちらもまた本殿とともにとても貴重なもの。しかもこちらはその中でも大型の部類になり、長さは約20メートル、幅は3.5メートル。

神社にある太鼓橋といえば、神域と人の領域を繋ぐ役目があるといわれていますが、丹生都比売神社におけるこの太鼓橋は秀吉の側室として名高い淀君が寄進したものと伝えられています。
丹生都比売神社は実は古くは高野山詣での出発点ともなっており、境内の後ろにある高野山へ続く表参道を通る前にまず丹生都比売神社へ参拝するのが習わしがありました。

どういった理由、または経緯で淀の方がこの太鼓橋を寄進するに至ったかは不明なものの、日本の総菩提寺であり戦国武将の墓も多く、淀君も自身の両親の肖像画を奉納した高野山。そこへ続く神の道たる太鼓橋を眺めながら、それを寄進するに至った彼女の心内に思いを馳せてみるのもおもしろいかもしれませんね。

霊場・高野山を守る「守り神」の伝説

霊場・高野山を守る「守り神」の伝説
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さて、ご紹介しております丹生都比売神社に祭られている神様はといいますと、まずは神社の名前の由来にもなっている丹生都比売大神。すべての厄災を祓い、一切のものを守り育ててくださると伝えられています。
そして食べ物を司る神、大食都比売大神。厳島神社に由来を持つ芸能と財運の女神・市杵島比売大神。さらに弘法大師・空海を高野山へ導いたといわれる高野御子大神。

伝説ではこの高野御子大神が狩人に姿を変え、白と黒、二匹の犬を従えて空海に出会います。そしてその犬たちが霊場を探し求めていた空海を高野山まで守り導いたとのこと。このことから高野御子大神は人生を導いてくれる守り神といわれています。その高野御子大神は丹生都比売の息から生まれた神様。丹生都比売大神は高野山をも護ってくださる「守り神」なのですね。
高野山詣での前にまず丹生都比売神社に参拝する習わしがあるというのも頷けます。

なお、丹生都比売神社は高野山とともに現在は世界遺産に登録されています。

写真は楼門内部。

せっかく来たなら「ようよって」でこんにゃくを食べよう!

せっかく来たなら「ようよって」でこんにゃくを食べよう!
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歴史も伝統も格式もある丹生都比売神社ですが、比較的コンパクトな造りと、山中奥深くにあることも影響してか、ほかの神社のように縁日やお祭りの日もあまり屋台が立ち並ばず、周辺には飲食店もまばらです。

そんな中、近くにある地元の特産品を販売する「ようよって」が土日祝日とお正月にオープン。参拝の帰りにはぜひお立ち寄りを。

地元で採れた野菜類のほか、「こんにゃくの里」としても知られる天野のこんにゃくなどがいただけます。

いざ、すべての厄災を祓い、一切のものを守り育て導いてくださる神様のもとへ

世界遺産の一角を成すものの、今だ「知る人ぞ知る神域」のように観光客でごった返すことの少ない丹生都比売神社。
山間部にそっと佇む神秘の社は訪れる人のこころを豊かにし、そのご利益の通り人生を導いてくださることでしょう。

近年、丹生都比売神社の近くには素敵なオーベルジュ「山荘 天の里」もできましたので、日帰りのみならずゆっくり滞在してみるのも素敵でしょう。

高野山詣での始まりの場所・丹生都比売神社。
ここから世界遺産を愉しみつくしてはいかがでしょうか。

掲載内容は執筆時点のものです。

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