写真:浅井 みら野
地図を見るロス・オリヴォスが誕生したのは、カリフォルニア州全体がゴールドラッシュに包まれていた1880年代。当時アメリカンドリームを夢見た人々が州内外から集まり、土地開拓が一気に盛んになりました。NYからやって来た22歳の若者もその一人。彼は太陽が降り注ぐ乾燥地帯に5000本ものオリーブを植えたと言われています。
茶色い大地に広がる濃いグリーンの畑。その広大さが魅せる景色はどのようなものだったのでしょうか。一つ言えるのは、間違いなく人々の記憶に印象強く刻まれたはずです。なぜなら、そのオリーブ畑が後に町の名前「ロス・オリヴォス=オリーブ」として残ったからです。
人口千人ちょっと。決して大きくない町の至るところに当時建てられたヴィクトリア調の家屋が並んでいます。町の雰囲気が西部開拓時代に保たれ、ゆっくりな時間の流れが感じられる場所です。
カウボーイと聞くと、テキサス州など中西部をイメージされる方も多いはず。元々は牧場で働いていた労働者のことを指しますので、カリフォルニア州にもいたのです!カウボーイグッズを扱うお店「Jedicka’s Saddlery」に入ってみると、予想以上の品揃えに驚き!棚いっぱいに並ばれたブーツはどれもデザイン、色が異なり、作り手のこだわりが感じられます。
他にもカウボーイ、カウガール気分にさせてくれる帽子や、皮のベストなどのアパレルも充実しています。またウマのケア用品など実用品も多く取り揃えていますので、普段見慣れないものも発見でき、驚くこともしばしば。
カウボーイと言えば、次に連想するのはウマですよね!?ロス・オリヴォスの周辺には牧場もたくさん。広々とした草原を馬やポニーがのんびり暮らしています。乗馬体験もできますよ。草を熱心に食べてたり、友達同士で遊んでたり、スタッフにちょっかいを出している姿などなど。見ているだけでも充分癒されちゃいます。
のどかな雰囲気が惹き付けるのか、有名人関連の牧場が近辺に多いです。ロス・オリヴォスから北へ8km、「ネバーランド・ランチ(後のネバーランド)」は全米を代表するポップスター、マイケル・ジャクソンが1988〜2009年まで住んでいた場所です。他にも南へ14km、第40代ロナルド・レーガン大統領が休暇時に利用していた「スカイ・ランチ」があります
カウボーイやヴィクトリア調の家など、アンティークな香りがする町ですが、意外にもアートを取り込んだ町造りを目指しています。小さな町にもかかわらずアートギャラリーが10軒も!絵画やジュエリー、彫刻や写真など多岐に渡る芸術作品を取り扱っています。40名以上によるローカル・アーティストの作品が展示され、ロス・オリヴォスを含んだ地域の更なる魅力に触れることができます。
写真:浅井 みら野
地図を見るロス・オリヴォスはカリフォルニアワインが多く生産されている一帯に位置しています。そのため、ワイナリーの数も多く、町内で試飲できる場所は何と30軒以上!数十m歩けば違うワインと出会えることになります。試飲できる場所にはレストランやギャラリーが併設している場所もありますので、アルコールを飲まれない方でも楽しむことができますよ。
こちらの「ANDREW MURRAY VINEYARDS」では、郊外のワイン畑を見学しながら試飲できるツアーを実施しております。ワイン好きにはたまりませんね!飲み比べてお気に入りの1本を探してみるのはいかがでしょうか。
メインストリートが2本しかなく、半日で市内を散策できる小さな町、ロス・オリヴォス。毎年6月にはジャズフェスティバル(Jazz & Olive Festival)が開催され、音楽にワイン、そしてオリーブを使った食を楽しむことができます。西部開拓時代に始まった町は時代と共に成長し、今はワインとアートを愛する穏やかな町になりました。カウボーイ文化の名残りを肌で感じつつ、美食と芸術の町でのんびり過ごす一日をどうぞ。
この記事を書いたナビゲーター
浅井 みら野
イタリア生まれ、ドイツ育ちの日本人です。まだまだ知られていないけど、魅力的な土地を世界、国内問わず紹介しています。ヨーロッパ、アメリカ方面が多いですが、呼ばれればどこへでも。冬はゲレンデに出没すること…
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