霧島「イサオ・クチーナ」は食べて、泊まれて、学べるイタリアンレストラン

霧島「イサオ・クチーナ」は食べて、泊まれて、学べるイタリアンレストラン

更新日:2016/01/25 19:30

鹿児島県と宮崎県の県境・姶良郡湧水町。昔ながらの田園風景が広がる中に、突然現れる風変わりな一軒家。そこは嘗て、草木が茫々に生えて荒れ果てた土地でした。
それを1人のイタリア料理シェフが、3年かけて見事に復元。レストラン、宿泊所、コッテージ、そして田畑、全て自らの手で作り上げました。
ある時は包丁、ある時はのこぎりを片手に誕生させた、シェフ自慢の宿泊型レストラン「イサオ・クチーナ」をご紹介します。

とことん手作り!がモットー

とことん手作り!がモットー
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ヨーロッパで修業し、東京・中野でイタリアレストランを経営していたシェフ。ある日、お金さえ出せば何でも手に入り、美味しい物がいつでも食べられる一方で、農業をやる者が減ってしまった現状への危機感を覚え、故郷の鹿児島県霧島に帰る事を決意。まずは20年間放置されていた実家をリノベーションするところから始まりました。
やる者が居なくなった田畑は荒れ放題、放置された家は朽ち果て寸前。そんな場所を1つ1つコツコツと手を入れ、やがて出来あがったのが今の姿。
2012年5月に「田舎の宿泊型レストラン」としてオープンしました。

霧島山麓の清らかで豊富な水。そして澄んだ空気。まずはそれが何よりのご馳走!

牛舎を改装したレストランスペース

牛舎を改装したレストランスペース
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立派な梁のあるレストランスペースは、元々は牛舎だった所。そこに窓を作り、ガラス戸をはめ、壁や天井を塗り替え、床にはテラコッタを敷き詰めて、まるでヨーロッパの田舎にあるレストラン風に仕上げました。

完全予約制で頂ける料理は、もちろん地産地消のイタリアン。店の田畑で採れた米や野菜、ヤギの乳で作ったチーズ、庭のニワトリが産んだ卵、オリジナルの黒豚の生ハムなどが、彩りを添えてくれます。
ランチとディナーの営業で、コース内容は前菜、パスタ、メインディッシュ、デザート、コーヒー。これだけの充実度でお値段はリーズナブル。
周辺住人約20人に対して、月に何百人ものお客様が訪れるという大人気店は、わざわざ車を飛ばして行く価値ありです。

ここが日本だと忘れてしまいそうな宿泊スペース

ここが日本だと忘れてしまいそうな宿泊スペース
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2つある宿泊所は、それぞれに個性的。特に少人数で泊まれる「シチリア」は、まるでアルプスの少女・ハイジに出てきそうな雰囲気。
冬は薪ストーブで暖をとりながら、のんびりと星空を眺め、暖かくなったら、テラスでワインを飲んだり、時間を忘れて贅沢に過ごす事が出来ます。
ロフトに3つあるベッドは、ふんわりと暖かく、あのハイジの藁のベッドの様に寝心地が良く、幸福感に包まれるでしょう。

朝日が昇る頃には、庭で飼っているニワトリや鴨たちが鳴き始め、やがて山羊も鳴き出します。朝食の支度をするシェフたちを横目に、山羊たちと交流。なんてのも楽しみの1つですね。

店から5分程の所にある、新たなワールド

店から5分程の所にある、新たなワールド
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新たにシェフが手掛けているのが、レストランから5分程歩いた所にあるコテージ。鱗状の壁の建物は1年で作り上げたとの事。庭には露天風呂やシャワールーム、トイレも完備。コテージの横には、鴨や黒鶏たちの小屋があったり、料理教室兼カフェもあります。更に宿泊施設を増設する予定だとか。

山羊や鳥たちに世話をし、掃除をし、畑仕事をし、レストランの仕込みをし、お客さんを招き入れ、一体どこにそんな余裕があるのだろうと驚かされます。
それもこれも、片腕である奥さまの存在が大きいと思われます。シェフを信じ、共に苦労をし、硬い絆で結ばれたお二人の姿は、お店の空気を更に暖かくてしていました。

まだまだ終わらないシェフの夢

まだまだ終わらないシェフの夢
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農業の衰退をストップさせよう、限界集落を再生しようと立ちあがったシェフ。
1人でも多くの人に農業の楽しさを伝える為に、シェフの夢はまだまだ続きます。

人里離れた場所のお洒落なレストランなら何処にでもある。目指しているのはオンリーワン。
レストランだけじゃなく、宿泊もでき、料理教室もスタートさせた今、ゆくゆくは農業体験型の宿を目指しているとの事。
出来るだけ多くの人に農業に興味を持って貰い、昔ながらの日本を取り戻す、そんな壮大な夢を持ち続けています。
ここにあるのは、未完成ながらも夢と希望に溢れた真の日本の姿なのです。

最後に

イサオクチーナは、基本レストランなので、宿泊だけの利用は不可能です。でも、時間を気にせずゆっくりとこの世界に浸りたいのなら、ぜひ宿泊をお勧めします。1泊2食付きで10.000円という破格値。
さすがに冬は寒いので、宿泊者は少ないですが、暖かくなり新緑が美しい季節になると、あっと言う間に埋まってしまうので、お早めに予約されることをお勧めします。

また料理教室は、春からスタートするとの事でしたが、詳細はホームページや電話でご確認下さい。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2016/01/08 訪問

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