写真:浅井 みら野
地図を見る長野市から東へ車で30分、明覚山の麓に須坂市は位置しています。大笹街道と谷街道という2つの街道が交わる立地が後押しし、ヒト・モノ・カネの往来は江戸時代より頻繁だったとか。多くの物品を保管する為にもたくさんの蔵が必要だったのでしょう。当時建設された土蔵、大壁造りの商家が現在も残っており、大正時代の息吹きが感じられる町です。
町の至るところで趣ある蔵や家屋を見ることができます。驚きなのが、今でも店舗として使われていること。須坂市内で唯一の漢方調剤販売店「山下薬局」は元禄16年から続いている老舗。他にも同じく江戸時代から続く「遠藤酒造場」では、当時の藩主にお酒を献上したという歴史と伝統を併せ持っています。
写真:浅井 みら野
地図を見る和の雰囲気が漂う町を歩いていると、異色を放つ洋館が突如目に入ります。大正6年に建築された「旧上高井郡役所」です。須坂市内に現存している公共建築で最も古い建築物の1つ。現在でも須坂市民の交流の場や歴史資料の展示場として利用されています。
近くで見てみると、薄緑色に塗られた外壁さからは優美さが感じられ、大きな上げ下げ窓からは太陽光がたっぷりと室内へ注がれています。正面玄関の上にはテラスが備えられ、バロック様式の特徴が感じられます。ドアがそもそも設けられていないのでテラスへ出ることは出来ませんが、デザインのために建設された建築家のこだわりが伝わってきますよ!
須坂市の名物料理といえば「みそすき丼」。寒暖差が大きい須坂市は、元々味噌の発酵や熟成に適しており、まろやかな風味が特徴の味噌が造られてました。明治から大正にかけて、全国からシルクを買い付けにやってきた商人をもてなそうと振舞われたのが、すき焼きに須坂みそが加わった「みそすき」です。
味噌風味で味が濃くなると思いきや、玉子が全体の味をまろやかに包み、程よい甘さが後味に残ります。ありそうでなかったどんぶり飯なので、是非ともこの機会に召し上がって頂きたい郷土料理の一つ!市内にある複数の飲食店で食べられますよ。お好きな方は食べ比べてみるのも旅の楽しさですね。
写真:浅井 みら野
地図を見る須坂市中心にある「傘鉾(かさぼこ)会館ドリームホール」は穴場な観光スポット!毎年7月中旬の祇園祭で使われる傘鉾11基と祭屋台4台が展示されています。ほとんどが大正から明治に作られ、古いものだと江戸末期のものまで!高さ2〜3mの傘鉾に取り囲まれるとまさに圧巻の一言。
11基あれど頂を飾る依代(よりしろ)が動物だったり、人物だったりとどれも個性的な装飾がされ、思わず1基ずつじっくり見てしまいます。展示場は入園無料かつ写真撮影OKと見学者に良心的。それだけでなく祭りの法被も無料で借りられますので、傘鉾とお祭りムードで記念撮影ができます。旅の楽しさが伝わる、特別な一枚になること間違いなしですね!
写真:浅井 みら野
地図を見る宿泊先ならこちらがお勧め。大正の文豪・森鴎外始め、多くの文人が愛した温泉「山田温泉」は須坂市から車で30分。対岸が迫りくるほど急な松川渓谷に沿って旅館が並び、四季折々の自然を楽しむことができます。開湯200年という歴史にも注目です。中心地には仏閣のようなレトロ感漂う大湯があり、熱いお湯が苦手な方でも入れるぬる湯もあるのが嬉しいですね。
山田温泉以外にも、その日の天候で湯の色が五色に変わる「五色(ごしき)温泉」、黄白濁な色が特徴の「子安(こやす)温泉」、七つの源泉を持つ「七味(しちみ)温泉」など8か所にもおよぶ温泉地が集まっています。どの温泉に入ろうか選ぶ楽しみがありますよ!
古きものを大切に生かし続ける須坂市の文化。古人が見た景色、好んで食べた食事が須坂市には大切に残されています。歴史を遡り、時間を超えた共有体験をされてみるのはいかがでしょうか。
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この記事を書いたナビゲーター
浅井 みら野
イタリア生まれ、ドイツ育ちの日本人です。まだまだ知られていないけど、魅力的な土地を世界、国内問わず紹介しています。ヨーロッパ、アメリカ方面が多いですが、呼ばれればどこへでも。冬はゲレンデに出没すること…
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