写真:小林 理沙
地図を見るコスタ・ブラバの海岸は、年間を通して晴天の多い地中海一帯に見られる青空に負けないぐらい澄んでいる海水が特徴となっています。
パラフルジェール(Palafrugell)には主に3つのビーチがあります。
まず、砂浜にレストランやバルが並び、海との近さに驚かされるカレーヤ(Calella)。次に、347m続く一番大きなビーチがジャフランク(Llafranc)。通りを挟んでホテルが立ち並び、夏はとても賑わいます。そしてプライベートビーチのように小さくシックなタマリウ(Tamariu)の3つです。
ジャフランクビーチの側には小型船が泊まっている小さな港があり、ヨットの乗り方を学んだり、ミニクルージングもできます。
パラフルジェールの3つのビーチは整備された歩道で繋がっており、軽い散歩をしたい方や、ジョギングやウォーキングで本格的に体を動かしたい方にも最適です。
写真:小林 理沙
地図を見るサン・セバスティアン・デ・ラ・グアルダ(San Sebastián de la Guarda/San Sebastiaán de la Guaita)と呼ばれる山の上の地域からは、海とピレネー山脈も同時に見渡すことができます。
また、別の方角には、サン・セバスティアン灯台があり、灯台の下に広がる海もまた美しい風景です。海と空の境界線が曖昧に溶けるように重なるパノラマは、しばらく眺め続けていたいほど感動的。
また、紀元前6世紀からのイベリア時代の遺跡も残っています。昔の人の暮らしぶりも垣間見れられます。
写真:小林 理沙
地図を見る20世紀初頭、パラフルジェールの街の主要産業であったのがコルクです。街にはコルク博物館(Museo del Corcho de Palafrugell / Museu del Suro de Palafrugell) があり、建物の側面には昔の女工さんたちなどの写真が飾られています。
パラフルジェールを歩いていると小さい葉っぱが細く長い枝に茂るゴツゴツした樹皮のコルク樫の木を見かけます。地中海式気候の植物として日本の学校でも習うコルク樫ですが、実際スペインの地中海地方でコルク樫を見かける場所は限られています。
ワインのコルク栓の他にもミュージアムショップにはコルクを使ったアクセサリー、キーホルダー、バッグなど個性的な品々が売られています。
1972年に創立された博物館ですが、現在のかわいらしいモデルニスモ様式の建物に移ったのは2012年です。以前はコルク工場カン・マリオ(Can Mario)の建物でした。工場として活用されていた当時は、アメリカのアームストロング・コルク・カンパニーなどの製品を作っていたそうです。
博物館ではより広い視点からパラフルジェールのみではなく、スペインのコルク産業を捉え、展示、説明があります。
なお、同じ敷地内には国の文化財に指定されている塔や、金属製の彫刻を扱うカン・マリオ美術館(Museo Can Mario)もあります。敷地内には鉄の彫刻がいくつも置かれており、文化的な広場を構成しています。
写真:小林 理沙
地図を見るパラフルジェールのあるジローナ県にはミシュランの星付きレストランもある地域です。今や伝説として語られるレストランエル・ブジもあります。
この地方の特徴としては、「マル・イ・モンターニャ(mar y montaña/mar i montany)」と言われる山の幸と海の幸を同時にいただく食べ方があります。こう言ったある種、冒険的な食の実験を伝統的に続けてきた地方ならではの新しい味の発見が、旅の中であるかも知れませんね。
ご覧の米料理はアロス・ネグロです。作り方によりイカスミを使ったり使わなかったりしますが、魚介のダシで炊くご飯は味もお墨付きです。
写真:小林 理沙
地図を見るすでにご紹介したコルク製品は型崩れせず軽く、長時間の移動が伴う旅行には最適です。その他にはワインもオススメです。パラフルジェールの街がある地方はスペイン語でアンプルダン(Ampurdán)、カタルーニャ語でエンポルダ(Empordà)と呼ばれます。エンポルダは良いワインの産地としても知られています。
肉の加工食品も人気があり、生ハムだけでなくソーセージ類は火を通さずに食べられるものもあります。ワインやソーセージ類は全部持って帰れないかもしれませんが、宿でつまんでみてもいいものだと思います。
本記事ではご紹介できませんでしたが、パラフルジェールと隣町モント・ラス(Mont-ras)を股にかけて、カップ・ロッジ(jardín botánico Cap Roig)植物園があります。地中海の植物を中心に千種類もの植物を見ることができます。また、植物園では毎年夏には国内外の有名なミュージシャンを招いての野外での音楽の祭典が催され、多くの観光客を集めるイベントとなっています。
冬場は、新鮮なウニが存分に味わえる「ガロイナーダ」と称したイベントも1月中旬から3月下旬まで行われています。ちなみに「ガロイナーダ」はパラフルジェールの言葉でウニを意味する「ガロイーナ」からきています。ウニをメインとした食事だけでなく、ミニクルージングや宿泊がセットになった大変お得なパックもあります。
海岸部からパラフルジェールの街の中心にはバスやタクシーで行くことができます。たった4kmの距離ですが、静かな街の様子は海辺とまた一味違ったリラックス感を与えてくれます。
パラフルジェールへのアクセスはバルセロナから電車AVANTでジローナに行き(約40分)ジローナ駅からバスでパラフルジェールに約1時間20分で到着します。
ヨーロッパで普段都会に住む人たちも、週末や休暇は街を離れる場合が多いんです。このようにバルセロナからも近く、美しい建物が多く素敵だけれど、気の抜けない都市とは対照的なリゾート地特有の魅力を持つパラフルジェールは、海と山を持つ街を訪れたい方に大変オススメです!
この記事を書いたナビゲーター
小林 理沙
スペインでは国技と冗談で言われるシエスタ(昼寝)を子どもの頃からしていたら、いつの間にかスペインに流れ着いていました。そんなスペインで物に頼らない小さなしあわせを学んでいます。岩手に生まれ、ポルトガル…
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