由来を知りたくなる坂の街「常滑やきもの散歩道」を歩こう

| 愛知県

| 旅の専門家がお届けする観光情報

由来を知りたくなる坂の街「常滑やきもの散歩道」を歩こう

由来を知りたくなる坂の街「常滑やきもの散歩道」を歩こう

更新日:2017/05/31 16:08

Mizuki Yoshiのプロフィール写真 Mizuki Yoshi 歴史街道トレッカー、伝統の「ワザ」案内人、日本クルーズ&フェリー学会員

朱泥のやきもので有名な愛知県常滑。登窯や陶芸工房が並ぶ「常滑やきもの散歩道」は、家々の隙間をぬうように狭い坂道が進みます。黒塗りの民家や工房がレトロな雰囲気を醸し出し、ところどころ残る赤レンガ煙突はヨーロッパの風景を切り取ったようです。映画やTVのロケ地にもたびたび登場する坂道は、昭和感あふれ、とても懐かしい風景。「常滑やきもの散歩道」の見どころや、不思議な名前が今も残る坂道を紹介します。

茶香炉のアロマテラピー

茶香炉のアロマテラピー

写真:Mizuki Yoshi

地図を見る

「常滑焼」と聞けば、朱い急須が目に浮かぶのではないでしょうか。常滑焼で作られ、静かなブームになっているのが「茶香炉」(写真)。茶葉の他、アロマオイルなど、こころ和む香りを部屋で楽しめるのです。ほのかに立ち昇る香りに癒されます。

常滑焼が、陶管(土管)や焼酎瓶で栄えた時代、300〜400基もの煙突が林立しました。今日では陶管がプラスチック製に置き換わり、窯の燃料も木材や石炭から化石燃料や電気に。使用されず数が減った赤レンガ煙突や窯(キルン)が遺産として残り、また家の塀や基礎部、道に陶管(土管)が埋められて残り、素晴らしい景観を見せてくれます。

不思議な坂道がいっぱい!

不思議な坂道がいっぱい!

写真:Mizuki Yoshi

地図を見る

今回ご紹介する「常滑やきもの散歩道」Aコースは、常滑駅から徒歩約10分の陶磁器会館を起点・終点とする約1.6kmの巡回コース。電車で常滑駅到着の方は、駅ガード下にある常滑市観光協会(常滑支部)でマップを入手しましょう。車の方は、陶磁器会館に駐車し(平日無料、土日祝500円)陶磁器会館内でマップが入手できます。

おススメするのは、常滑駅から北側へ向かい、ルートインを左に見て東へ徒歩5〜6分ほど歩くと到着する「マルゴの坂」を登り、巨大な見守り招き猫「とこにゃん」と対面し、Aコースに入る順路。

高級ワインのような「マルゴの坂」という名称は、以前この地に建っていた「丸五製陶」から取った由。現在「丸五製陶」はありませんが、坂の入り口に「丸四製陶(写真)」さんが建っています。向かい側のコンビニが目印。

不思議な坂道がいっぱい!

写真:Mizuki Yoshi

地図を見る

幅1mほどの「マルゴの坂」を登ると高台、視界が一気に開けます。伊勢湾や中部空港が見渡せ良い眺めです。途中、「セイゾの坂(写真)」が合流します。昔「せいぞう」さんが住んでいたそうです。更に、近くに「ヒデサの坂」があります。もう、お分かりですね、昔「ひでさん」が居たそうです。簡単でわかりやすい名称です。

不思議な坂道がいっぱい!

写真:Mizuki Yoshi

地図を見る

道なりに100mほど進むと、北山橋。橋の反対側に巨大招き猫「とこにゃん」(写真)がお出迎え。この「とこにゃん」、200mも離れた常滑駅ホームからもよく見えます。高さ3.8m、幅6.3m。右端に猫が2匹写っていますが、この猫たち、フツーの猫よりちょっと大きいのです。

「土管坂」をしのぐスケール!「廻船問屋瀧田家」前の「デンデン坂」

「土管坂」をしのぐスケール!「廻船問屋瀧田家」前の「デンデン坂」

写真:Mizuki Yoshi

地図を見る

コース沿いに「だんご茶屋」があり、「だんごあるよ!」と声がかかりますよ。ここで一服はいかがでしょう。複雑な坂道ですが、分岐点には必ず散歩道の位置番号と順路の矢印が書かれた案内板があるのでマップで確認しながら歩きましょう。

散歩コースは「廻船問屋瀧田家」を通り抜けます(無料/見学時は300円)。反対側に抜けると、圧倒的な数の焼酎瓶(写真)。地面は「スベリドメ」で土管が敷き詰められ、紋様と色彩が楽しめます。この坂は「デンデン坂」です。「でんでんさん」が住んでいたのではありません。廻船を見張る山が南側にあり、その山を「伝の山」、通称「でんでん山」と呼んだことから、「デンデン坂」になりました。

「土管坂」をしのぐスケール!「廻船問屋瀧田家」前の「デンデン坂」

写真:Mizuki Yoshi

地図を見る

「デンデン坂」を超えると、わずかに下ります。

「土管坂」をしのぐスケール!「廻船問屋瀧田家」前の「デンデン坂」

写真:Mizuki Yoshi

地図を見る

そして有名な「土管坂」。右側が「焼酎瓶」、左側が「土管」、道にも土管が埋められて、空以外、常滑焼に囲まれた空間です。青空を切り取ってみてはいかがでしょう。

坂を上ったところに、「土管坂無料休憩所」があります。

「登窯(陶栄窯)」のスケールを実感!

「登窯(陶栄窯)」のスケールを実感!

写真:Mizuki Yoshi

地図を見る

散策コースの折り返し点にある「登窯」は長さ22m、最大幅9.6m、高さ3.1m。一周しましょう。裏側に10本煙突があり(写真)、中央部が低く外側が高い構造です。裏の雑木林には風が吹き抜け、歩いてきて汗ばんだところに涼風が気持ちよい場所です。

「登窯(陶栄窯)」のスケールを実感!

写真:Mizuki Yoshi

地図を見る

「登窯」は8つの部屋があり、20度の傾斜で登ります。窯は覗けるのでその奥行を実感できます。「登窯(陶栄窯)」は1887年に30人の窯仲間により作られたもの。明治末期に60基も常滑にあった「登窯」、昭和49年に最後に残ったこの「陶栄窯」が操業を停止し、その使命を終えました。

「登窯(陶栄窯)」のスケールを実感!

写真:Mizuki Yoshi

地図を見る

黒塗りの工房や昭和の看板がかかり懐かしい雰囲気が濃く残るこの一角は、絵画やスケッチ、撮影スポットです。

折り返し、さらに赤レンガ煙突の風景を堪能します

折り返し、さらに赤レンガ煙突の風景を堪能します

写真:Mizuki Yoshi

地図を見る

「登窯」が、散歩道のほぼ半分、ここまでは伊勢湾を見ながら南に向かいます。北へ向かう残り半分は更にたくさんの赤レンガ煙突を楽しめます。遠くに見えるものも含めると15本位順次目に入ります。後半は開放的な景色と、遠くの町なみも眺めながら歩きます。

折り返し、さらに赤レンガ煙突の風景を堪能します

写真:Mizuki Yoshi

地図を見る

赤レンガ煙突、キルン、青空、ヨーロッパ風の景観が楽しめるのがこの後半です。写真や絵に切り取ると、ローマのような、イギリスのような、プラハのような景色に見えます。

折り返し、さらに赤レンガ煙突の風景を堪能します

写真:Mizuki Yoshi

地図を見る

狭い坂道は、交通量は多くありません。たまに軽自動車が通りますが落ち着いて散策できます。

おわりに、

常滑駅へは名鉄名古屋駅から30分ほど、車では30〜40分程度です。黒塗りの家々、歴史ある木造家屋をつかった陶芸工房。赤レンガの煙突がそそり立つ景観はどこにもない、ここだけの風景です。ぜひ、歩いてみてください。各工房では芸術作品からおしゃれな逸品まで揃い、陶芸体験や、陶芸教室もたくさんの工房で行われています。スイーツやランチを景色と合わせて楽しめるオープンカフェも散策中にたくさん見つけられます。この散歩道は、映画「20世紀少年」のロケ地になったことでも有名です。

近隣のLIXILライブミュージアムや盛田味の館、中部空港、イオンモール常滑、コストコ、めんたいパークなどへは、名鉄の他、知多バスの(常滑市内)一日乗り放題500円チケットを使うと便利です(常滑駅下の観光協会で入手可)。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/01/16 訪問

- PR -

条件を指定して検索

トラベルjp 旅行ガイド

トップページへ戻る

トラベルjpで一緒に働きませんか? 旅行ガイド編集部では運用サポートスタッフを募集中です!

- PR -

旅行ナビゲーター(在宅ライター)募集中!
この記事に関するお問い合わせ