写真:乾口 達司
地図を見る奥の院への出発点は、境内の奥に位置する旧本殿の霊応殿。トイレの横に設置された石段を登っていきましょう。登りはじめてすぐに気付くのは、山道沿いのいたるところにたくさんの小さな祠や鳥居が点在していること。祠のないところでは、大小さまざまな石(磐座)がご神体としておまつりされています。その光景は神道や仏教が浸透する以前の原始的な信仰形態を連想させ、最上稲荷の豊かな歴史性と信仰の奥深さが強く印象づけられます。
写真:乾口 達司
地図を見る数々の鳥居や祠を見ながら山道を登っていくと、やがてご覧のような巨石が見えて来ます。その大きさは何と8メートル!その上部に日蓮宗のお題目が刻まれていることから「題目石」と呼ばれています。お題目の横には法華経の守護神とされる鬼子母神の姿も刻まれています。
最上稲荷では、この付近を「元宮」と呼んでいます。その呼び名から類推すると、最上稲荷はかつてこのあたりにあったのかもしれませんね。いずれにせよ、巨石が折り重なるように連なるこの場所は、奥の院へのルートのなかでも、もっとも巨石信仰が根強く感じられるスポットであるといえるでしょう。
写真:乾口 達司
地図を見る題目岩から徒歩数分、案内板の指示に従って脇道を進むと、やがてご覧のような巨石が姿を現します。八畳岩です。天平勝宝4年(752)、孝謙天皇の病の恢復のため、報恩大師が祈願した場所こそ、この八畳岩であったといわれています。大師が祈願すると、白狐に乗った最上位経王大菩薩が降臨し、天皇は見事恢復したのでした。その後、桓武天皇がやはり病となった折も大師の祈願によって快癒。その功績が認められて、最上稲荷のもととなる龍王山神宮寺が建立されました。その意味で、八畳岩はまさしく最上稲荷の原点となった巨石であるといえるでしょう。
八畳岩のもう一つの魅力は、そこからの絶景!古代吉備王国の中心地にふさわしく、全国第4位の規模を誇る造山古墳や吉備津神社などが点在する吉備平野が眼下に広がり、八畳岩が絶好のビュースポットでもあることがうかがえます。山登りで疲れた身体を休ませ、絶景をご堪能下さい。
写真:乾口 達司
地図を見る八畳岩を訪れたら、是非その岩の下に設けられた岩窟にも目を向けましょう。報恩大師は、もしかすると、この岩窟のなかで祈祷したのかも知れませんね。
写真:乾口 達司
地図を見る八畳岩からさらに山道を登ること、十分あまり。奥の院に到着です。境内には本堂のほか、たくさんの題目石が林立しており、壮観!山の頂上付近にあるため、頭上を見上げると、視界を遮るものがないことにもお気付きになるはず。もちろん、八畳岩のあたりより標高も高いので、八畳岩からの眺め以上の絶景が楽しめますよ。
最上稲荷奥の院のディープな世界の一端、ご理解いただけたでしょうか。岡山随一のパワースポットといわれる最上稲荷でさらにご利益を求めるなら、やはり奥の院まで参拝されることをお勧めします。
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(2024/12/14更新)
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