商家群は必見!山口の隠れた小京都・柳井市の街並み散策

商家群は必見!山口の隠れた小京都・柳井市の街並み散策

更新日:2016/01/31 18:34

広島と山口との県境から20キロほど海沿いに南下したところに、柳井という町があります。ここはかつては吉川氏の領地で柳井縞や醤油などの交易で栄えた町。今も白壁と格子窓の建物が並び、 昭和59年には国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
毎年夏に行われる「金魚祭り」にはその軒先に金魚提灯が吊るされ、夜になって灯が入ると、通りは幻想的な美しさが広がります。

小京都・柳井の町の歴史について、少しお話します。

小京都・柳井の町の歴史について、少しお話します。
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山口県柳井市。ここは、周防国造(くにのみやつこ・大和朝廷が作った官位。国の長老)の墓・茶臼山古墳があることから、古代から栄えた地であったようです。江戸時代には吉川家の領地として栄え、今に残る白壁は当時が往時の繁栄を感じさせます。

近年になり、国道や新幹線、自動車道などのルートから外れたことで、柳井は徳山市(現・周南市)や岩国市のようには発展しきれず、そのおかげで古くからのたたずまいが、今も町の至る所に残っています。

旅のスタートはJR柳井駅。国鉄時代を思い出させる懐かしい駅です。

旅のスタートはJR柳井駅。国鉄時代を思い出させる懐かしい駅です。
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柳井の旅は、柳井駅からスタートします。柳井駅は、国鉄時代には山陽本線を走る特急、急行や夜行列車も止まり、大きな操車場もあるターミナル駅でした。今では長距離客は新幹線に流れて、優等列車も廃止されていますが、駅のところどころにかつての駅を偲ばせる建物が残ります。

柳井の町並みへと歩いてみましょう

柳井の町並みへと歩いてみましょう
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柳井駅から伝統的建造物保存地区に向かって歩いていくと、地元の書店・都野書店の前に、変わった形の郵便ポスト(写真)があります。古い町並みに今も残る「旧周防銀行本店」を形どったポストです。

その少し先にあるのは、オルゴールの館・グリムです。オルゴール作曲家の橋本勇夫さんの曲を聞くことが出来ます。グリムからは10分ごとにオルゴールの音色が、町に響きわたります。

「宝来橋」を渡っていくと、柳井の町の見どころの商家群が見えてきます。

「宝来橋」を渡っていくと、柳井の町の見どころの商家群が見えてきます。

駅からまっすぐに通りを歩いていくと、土穂石川にかかる宝来橋を渡ります。川には「雁木」と言われる船の積み下ろし場に使われた階段のような岸辺があります。ここから見る土穂石川は往時を偲ばせ、船が着いて荷物が積み下ろしが行われていた風景が思い浮かびます。

柳井の町が大きく発展したのは江戸時代。海を埋め立てて造られた干拓地に大勢の商人が集まりました。その中心地となったのはここ古市・金屋地区。150mほどの通りに今も白壁の商家が立ち並びます。岩国藩の錦帯橋建設を支えたのも、ここ柳井の商人たちだったと言われています。この商家群は、国の「伝統的建造物保存地区」に指定されています。

柳井の「金魚祭り」のときに使われるかわいい「金魚ちょうちん」が町のあちこちにぶら下がっています。

柳井の「金魚祭り」のときに使われるかわいい「金魚ちょうちん」が町のあちこちにぶら下がっています。
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町では毎年8月に「金魚祭り」が行われます。そのときに使われる「金魚燈篭」が今では柳井の町のシンボルになっています。駅にも、商家の軒先にもたくさんぶら下げられています。柳井の金魚は、当時作られていた柳井縞の染料を使って、子供の夏祭りの時の浴衣として江戸時代に作られたものです。

柳井の金魚を意匠として、文房具を作っておられるお店・木阪賞文堂があります。店内は金魚の文房具がたくさんあります。どれもみんな可愛くて、困ってしまうこと間違いなしです。どれにしようかと迷ったなら、あれもこれも買ってお友達にお土産にぜひどうぞ。きっと喜んでもらえますよ。

金魚まつりの時にぜひ訪ねてみてください。きっと、あなたも柳井の町のファンになること間違いなしです。

毎年8月に行われる「金魚祭り」。
駅前から白壁の商家群を会場として、町が金魚の赤一色に染まるお祭りです。青森のねぶたのように大きな金魚が練り歩いたり、ちょうちん踊りや金魚のイベントと子供たちの笑顔が町中にあふれます。要注意は、期間中でも毎日イベントが行われるわけではないこと。2016年の日程はまだ発表されていませんが、しっかり確かめて訪ねて欲しいです。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/12/18 訪問

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