武田八幡神社は822年に岩清水八幡宮から勧請(かんじょう:分霊して他の神社に移す)して建てられました。
甲斐武田家の祖となる「武田信義」が、ここで元服した縁から武田家の氏神として庇護することになったのです。
それから数百年後の1542年には後の武田信玄である武田晴信が再建したとの記録があります。実は晴信が国主になって一番最初に行った事業が武田八幡神社の再建。武田信玄の日本統一への道は武田八幡神社を再建することから始まったとも言えるのですね。
武田八幡神社の総門には巨大な大杉があり、なんと樹齢は700年にもなるそうです。武田家の歴史を見守っていたのでしょう。
武田信玄ゆかりの神社では「武田神社」が有名です。武田神社は武田家の館跡に建てられた神社で、武田信玄をお祭りしています。
つまり、武田神社は武田一族が滅亡した後に建てられた神社であり、武田一族が信仰した氏神は武田八幡神社の方だったのです。
ここ武田八幡神社は武田神社と比較して観光客も少なく、静かな環境を保っています。なにより武田信玄を祭った神社ではなく、武田信玄が祈願を行った神社なので、その重みも感じることでしょう。
この総門をくぐると戦国時代にタイムスリップしてしまったような感覚になります。
総門をくぐり石段を登ると「舞殿」、さらに「拝殿」があり、その奥に「本殿」があります。
この武田八幡神社には武田家に関する悲しい話も伝わっています。信玄が日本統一目前に死去し、巻き返しを図る織田信長、徳川家康が甲斐に迫った時、信玄の子である武田勝頼の妻が戦勝祈願を行ったのも武田八幡神社でした。
武田家滅亡を前に氏神である武田八幡宮に頼るしかなかった心情が忍ばれますね。
歴史に興味のある人なら誰でも知っている物語と関わりのある武田八幡神社は、パワースポットとしても有名です。
特に本殿裏にある御神木は、本殿の裏に位置することから、様々な願いを受け止めていると言われています。武田信玄も日本統一に向けて様々な願いをかけていたのでしょうね。
フェンスがあり真下には行けませんが、近くで眺めるだけでも効果はありそうです。
武田家の始まりと滅亡を眺めていた武田八幡神社は、歴史と共に現代にその姿を見せています。歴史のパワーが一杯に詰まった神社でもあるのです。
たまには歴史の物語を読んで史跡周りの旅なんてどうでしょうか?
アクセス:JR韮崎駅から西に約3km、車で10分程度
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