「戦艦大和」が10分の1サイズで再現!!大和ミュージアムで学ぶ大切なこと〜広島県呉市

「戦艦大和」が10分の1サイズで再現!!大和ミュージアムで学ぶ大切なこと〜広島県呉市

更新日:2013/07/31 12:37

「海軍の町」として知られる広島県呉市にある大和ミュージアムは、2005年の開館以来、延べ800万人を超える人々が訪れている人気の観光施設です。

JR広島駅から呉線で40分とアクセスが良いのも魅力的で、施設内では歴史に残る巨大な戦艦「大和」の精巧な模型を見ることができるんです。

日本が誇った戦艦の当時の姿とこれまでの歴史を学びながら、あらためて平和について考えてみる旅をしてみませんか?

当時のリアルな姿に圧巻!!戦艦「大和」の模型の展示

当時のリアルな姿に圧巻!!戦艦「大和」の模型の展示
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大和ミュージアム(正式名称:呉市海事歴史科学館)は、2005年4月に広島県呉市の呉港に面した場所に開館しました。

呉港は太平洋戦争終結まで艦船、航空機、各種兵器、弾薬などを開発・製造する海軍直営の軍需工場があった場所で、戦艦大和はその呉港の海軍工廠(こうしょう)で造られたんです。

こちらの写真が戦艦「大和」の模型!
1Fの高い吹き抜けになった大和ひろばに展示されていて、実際の戦艦「大和」の10分の1サイズですが、とても大きく迫力がありますよね!

実際の全長は263mなので、模型の全長は26.3m。大きさだけではなく、設計図や写真、潜水調査水中映像などをもとに、可能な限り精巧に再現されていて、今でも新しい情報があると復元され続けているんです。

戦艦大和の歴史、覚えていますか?

戦艦大和の歴史、覚えていますか?
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歴史の教科書で戦艦大和の悲しい運命を知った人も多いのではないでしょうか。

当時の日本海軍が誇った史上最大の戦艦「大和」は、日本の技術を結集して建造され、戦艦として史上最大の排水量、史上最大の主砲を備えたまさに史上最強ともいえる戦艦でした。大和の存在自体が軍の最高機密であった為、完成後の姿をとらえた写真が非常に少ないんです。大和ミュージアムではその貴重な姿を写した写真も見ることができますよ!

1940年8月に進水式を済ませた「大和」は連合艦隊旗艦として、海軍作戦の支援任務などにあたりましたが、1945年4月、沖縄特攻作戦に出撃中に九州南西沖で敵軍の攻撃に遭い沈没。当時の乗組員は3,332人、生存者はわずか276人でした。

たった5年で悲劇的な最後を迎えた戦艦「大和」ですが、建造に使われた管理システムや製鋼技術などの多くの技術が後の新幹線や高層ビル建築など、日本の技術向上に影響を与えました。「大和」が造られたことが、現在の私達の生活につながっている、ということですね。

零戦は当時の世界トップクラス!!

零戦は当時の世界トップクラス!!
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1Fの大型資料展示室には、先日公開された宮崎駿監督作品「風立ちぬ」で、主人公のモデルとなった堀越二郎が設計をした零戦(ゼロ戦)が展示されています。

機動性や装備、また航続距離において、当時零戦の上に出るものはなかったと云われる程の高性能戦闘機でした。歴史上では神風特別攻撃隊が敵に自らの命ごと突っ込んでいく、という人命を無視した非人道的な作戦に使用されたことでも知られていますね。

こちらの写真の機体は、実際に零戦を操縦中にエンジントラブルで琵琶湖に不時着水し沈んでいたものを、1978年に引き上げ復元されたものです。このような間近で零戦を見る機会は大和ミュージアムでしかできない経験ですね。意外に小さい印象を受けましたが、この機体で数百kmも飛ぶことができたなんて!!

その他の展示にはなんと・・・

その他の展示にはなんと・・・
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零戦が展示されている大型資料展示室の奥側には、人が乗り込み、操縦をしながら敵艦艇めがけて特攻をかけるための魚雷「回天」の試作型が展示されています。

実践で使われて、100人以上の若者が命を落としたそうです。

大和ミュージアムでは、このような実物資料で戦争の悲惨さや平和の大切さを伝え続けています。戦争に関わる展示と呉の造船の歴史、戦後の復興は1Fが主な展示スペースです。

3Fは船をつくる技術をテーマに、船が浮く仕組み、船の造り方、船の動かし方などが体験型で学べるスペースになっています。活字から学ぶよりも実際に体験するとすぐ覚えてしまうものですよね。こちらのスペースは小さなお子様に大人気です!

同じフロアの未来をテーマにした展示スペースでは、地球や宇宙に関する科学技術のこれから、名誉館長等による未来へのメッセージが紹介されています。大和シアターでは、JAXAなどの映像資料や新CG映像による戦艦「大和」の建造プロセスなども上映されているのでぜひご覧ください。

平和への願いを込めて。

平和への願いを込めて。
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大和ミュージアムの目の前に広がる呉港です。戦争の悲惨な歴史はこの穏やかで静かな海のある風景からは想像し難いですが、忘れずにいつまでも後世に語り継ぐことが一番大事なのでしょう。

大和ミュージアムでは、戦艦大和をとおして技術の進歩と平和の大切さを伝えることを大事にしており、その為に様々な企画が準備されています。

2013年7月1日〜2014年1月27日までは「巨大戦艦大和展」という特別企画展があり、『歴史から学ぶ』『科学技術を探る』『ものづくりをたどる』『平和を考える』を4大テーマとして、大和ミュージアム館長特別講演やスペシャル見学ツアー、トークセッションやバックヤードツアーなど行われる予定です。

大人も子供も大切な事を学ぶことができる大和ミュージアムへ、この夏、ご家族揃ってお出かけしてみてはいかがでしょうか。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2006/08/11 訪問

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