ロマネスク建築満載の完璧な城塞都市!イタリアの古都ルッカ

ロマネスク建築満載の完璧な城塞都市!イタリアの古都ルッカ

更新日:2016/01/22 17:35

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
イタリア・トスカーナ州の北西部に位置し、長い歴史を誇るルッカは、旧市街を完璧な城壁で囲まれ、ルネッサンス時代の建築物で溢れる魅力のある町です。

11か所に堡塁が設けられた城壁の上は、今では並木が続き、優雅な散策が楽しめる遊歩道となっています。城壁で囲まれた旧市街には、ロマネスク様式の建築物が通りや路地沿いに建ち並び、点在する教会の鐘楼や塔の上から町並みを見渡せるのも楽しみの一つです。

完璧な城壁で囲まれた旧市街

完璧な城壁で囲まれた旧市街

写真:Hiroko Oji

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ルッカの旧市街は、紀元前2世紀に起源を発し、16世紀から17世紀にかけて整備された城壁で囲まれています。楕円状の城壁は何度かの改修、拡張を経て現在の姿になったもので、高さは約12メートル、土台の幅は約30メートルもあります。上部には遊歩道が設けられ、並木が続く憩いの場となっており、町歩きに疲れた時にはベンチに腰掛けて一休みできます。城壁に設けられた門のうち、北・南・西の3つの門は彫像やレリーフで装飾されており、「記念碑的意味」を持っています。

旧市街は中世の町並みがそのまま残り、ロマネスク様式の教会や鐘楼、塔が点在し、通りを歩くだけで、素晴らしい建築物に出会えるのがこのルッカの町。名もない建物からも由緒ある長い歴史を感じ取ることができます。

最上階には樹齢100年の木が茂るグイニージの塔

最上階には樹齢100年の木が茂るグイニージの塔

写真:Hiroko Oji

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ルッカの町並みの中でも、中世そのままの佇まいを残しているのが、印象深いグイニージ通り。両側に中世からの建物が建ち並び、サン・アンドレア通りとの交差する角には、ひときわ高い塔が建っています。

その名もグイニージの塔と言われ、14世紀に造られた外壁は煉瓦造りとなっていて、周りを装飾で囲まれた3連もしくは4連の窓が並んでいる姿は美しいばかりです。入場料を払うと227段の階段を上って、最上階のテラスに出ることができます。テラスには約100年の樹齢を誇る木が茂り、その淵からは、赤茶色の瓦で敷き詰められた旧市街を見下ろすことができます。また、トスカーナの平原までも見渡せるので、お時間と体力に余裕があれば上ってみて下さいね。

地下に遺跡が眠るサン・ジョヴァンニ教会

地下に遺跡が眠るサン・ジョヴァンニ教会

写真:Hiroko Oji

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ドゥオーモ前のサン・マルティーノ広場に面して建っているのが、サン・ジョヴァンニ教会。

この教会の中は質素な造りですが、クリスマス前になると、キリスト誕生を表した様々なプレゼーピオが展示会のようにたくさん並べられます。その奥にあるのが、地下に眠る遺跡の数々。地下への通路が整備され、順路に従って見学ができるようになっています。遺跡の上の階には当時から残されているレリーフやかろうじて残るフレスコ画、床の幾何学模様のモザイクなども保存されていて、一味違った教会内を見ることができます。

また、教会に付随して建っている鐘楼にも上ることができます。遺跡の手前の入り口から狭い階段を上って行き、最後の急な鉄梯子を上れば、見晴らし最高の最上階です。ここからは、すぐ前の広場に面して建つドゥオーモを見下ろせるばかりでなく、グイニージの塔と同じく赤茶色の屋根瓦が並ぶ旧市街、遠くはトスカーナの平野も見渡せる素晴らしい眺望。上ってきた疲れを癒すこともできるこの眺めを楽しんでください。

豪壮なファサードを持つサン・ミケーレ・イン・フォロ教会

豪壮なファサードを持つサン・ミケーレ・イン・フォロ教会

写真:Hiroko Oji

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ルッカの町で一番賑わっているのが、ローマ時代のフォロ跡を利用して造られたサン・ミケーレ広場で、昔から人々の生活の中心になってきた広場です。広場に面してルネッサンス時代のプレトーリオ宮が建ち、その向かいにあるのがピサ・ルッカ様式とも言われる、ロマネスク様式のファサードを持つサン・ミケーレ・イン・フォロ教会。

ドゥオーモとよく似たファサードで、下部の層には大きなアーチが、その上に重ねられた4層には小さなアーチが並び、細かいレリーフや彫刻装飾が施され、見るも豪華で豪壮なファサードになっています。ファサードの頂上には町並みを見守るように大天使ミカエルの像が乗っています。側面にもアーケードやアーチが続き、右奥にすっくと立っているのが、重量感のある鐘楼です。下層から上に行くに従って1連・2連・3連と増えるアーチとその周りを囲む装飾が美しいばかり。

内部は、ファサードに比べると簡素な壁面で、後陣翼廊と共に半円形で3廊式に仕切られています。左右には祭壇がいくつも並び、右側の祭壇のひとつにある白い彩色テラコッタ「聖母子像」や、右翼廊の板絵の「4聖人」、主祭壇の12世紀の板絵「キリストの礫刑図」など、見事な作品が見られます。又地下に残っている8世紀の教会跡もお見逃しなきように!

ローマ時代の円形闘技場跡は開放的な広場に

ローマ時代の円形闘技場跡は開放的な広場に

写真:Hiroko Oji

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ローマ時代に建設されたルッカの町には、同時代の円形闘技場跡が、今はメルカート広場もしくはアンフィテアトロ広場として残っています。

中世の名残ある魅力的な通りの一つフィッルンゴ通りにも古くからの建物や塔が並びます。通りの中ほどに続く円形にカーブした通りの内側が、かつての円形闘技場跡を利用した開放的な広場。周りを囲む建物は、当時の一部が残る闘技場と一体化しており、レストランも数軒入っていて、広場に張り出したテラス席で一休みできるようになっています。

いかがでしたか?

ルッカの町は小さいながらも、ご紹介した他に、観光の目玉ドゥオーモをはじめ、サンタ・マリア門から見通す町並みの眺め、プラタナスの木蔭にあるナポレオン広場、プッチーニの生家博物館、国立絵画館のマンスィ宮、ファサードのモザイク画が素晴らしいサン・フレディアーノ教会など、見所はたくさんあります。中世の通り沿いにはお土産物屋さんやレストランがたくさんあり、城壁上の広々とした遊歩道沿いにはベンチも設置されており、憩いの場は各所で見つかります。時間をかけて、町並みをたっぷり楽しんでくださいね。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/12/16 訪問

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