カタルーニャの自然を愛した天才!バルセロナ・ガウディの作品群を巡ろう!

カタルーニャの自然を愛した天才!バルセロナ・ガウディの作品群を巡ろう!

更新日:2018/07/24 15:46

フルリーナ YOCのプロフィール写真 フルリーナ YOC 絶景・感動探究家、旅する音楽講師
スペインの誇る天才建築家ガウディ。彼の作品のうち7つが世界遺産指定を受けています。カタルーニャ地方とその自然をこよなく愛したガウディは「自然が作りあげたものこそ美しい。私たちはそこから発見するだけ」と語り、その作品には、彼が自然から発見した美しさと感動が息づいています。2026年サグラダファミリアの完成に向けて世界中の注目が集まるバルセロナ。彼が愛したカタルーニャの自然と作品群、ご紹介します。

ガウディの参加した作品も!カタルーニャの聖地・モンセラ!

ガウディの参加した作品も!カタルーニャの聖地・モンセラ!

写真:フルリーナ YOC

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スペイン・カタルーニャは、独自の文化や言葉を持ちカタルーニャ人という意識を持った地方。ガウディもまたカタルーニャ南部に生まれ、カタルーニャをこよなく愛しました。

そのカタルーニャの人々にとって特別な場所が、聖地モンセラ。モンセラは岩山の上の洞窟(サンタ・コバ)から発見された、黒いマリア「ラ・モレネータ」が祀られている修道院です。しかし1811年ナポレオンの進軍により、この修道院は破壊されてしまいました。後に再建工事が始まり、1876年には学生だったガウディも「聖母の小聖堂」の工事に参加しています。

風雨に浸食されたモンセラの岩山の荘厳さと美しさ。若きガウディはこの聖地の風景から「発見」をたくさんしたことでしょう。そして1903年、ガウディは再びモンセラで、サンタ・コバの栄光の神秘・第1の秘跡「キリストの復活」をデザイン。また、ガウディ自身もバルセロナから歩いて、何度かモンセラ巡礼に訪れています。ガウディにとっても、この聖地は特別な場所であったのでしょう。

いよいよ2026年完成予定!建築途中のサグラダファミリアを見に行こう!

いよいよ2026年完成予定!建築途中のサグラダファミリアを見に行こう!

写真:フルリーナ YOC

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この写真はサグラダファミリア「生誕の門(ファサード)」。ガウディの生存中完成し、2005年に世界遺産指定を受けています。サグラダファミリアは、正式名称を「聖家族贖罪教会」といい、民間団体「サン・ホセ教会」が寄付のみで建設する贖罪教会として計画し、1883年当時まだ無名だった31歳のガウディが2代目建築家として任命されました。ガウディは新たに設計を練り直し、壮大な聖堂建築へと乗り出します。

ガウディは、大型模型や紐と錘を用い設計。1914年からは、他の仕事は受けずにサグラダファミリアのみに専念。ガウディは「私の親友たちは死んでしまった。私には家族も客も財産も何もない。だから私は大聖堂(サグラダファミリア)に完全に没頭できるのだ。」と語っています。しかしガウディは1926年電車にはねられ急逝。その後1936年のスペイン内戦でガウディの残した模型の多くは壊され、もはや完成は不可能と建設をあきらめるべきとの声もあがりました。

しかし多くの人の情熱と、弟子たちや職人たちの根気ある作業により建設は継続。殊に近年は世界遺産指定による入場料増収により安定した資金調達が可能となり、またIT技術を駆使し完成予定が大幅に短縮。300年を見込まれていた工期は144年の工期で2026年完成される予定。私たちが生きている間は完成することなんてないと思っていたサグラダファミリア。この不世出の大天才が43年の年月情熱を注ぎこんだ、聖堂の建築過程と完成した姿を両方見られる時代に生きる私たちは、なんと幸運なことでしょう!

「カーサ・ミラ」は山をイメージ!生命の鼓動あふれる空間!

「カーサ・ミラ」は山をイメージ!生命の鼓動あふれる空間!

写真:フルリーナ YOC

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グラシア通りには、世界遺産にも指定されているガウディ円熟期の建築「カーサ・ミラ」「カーサバトリョ」があります。こちらは1906年〜1912年に建築された「カーサ・ミラ」山をテーマに設計されています。山脈のようにうねる外壁は白い石積みは、生命の動きを暗示しています。

内部は大きな吹抜けになっており、太陽の光が全部屋に届くよう設計されています。現在は、最上階がガウディの博物館になっており、下の部分はアパートとして使われています。そして、最大の見どころは屋上!ガウディならではの斬新な、換気塔や煙突があります。山に見立てた「カーサ・ミラ」に聳える峰々のような異空間、ぜひご覧あれ!

「カーサ・バトリョ」は地中海をイメージ!揺らめく光が美しい!

「カーサ・バトリョ」は地中海をイメージ!揺らめく光が美しい!

写真:フルリーナ YOC

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こちらの写真は「カーサ・バトリョ」。1877年に建てられた邸宅を、ガウディが1904年〜1907年に改築したものです。骸骨のようなテラスを持つこの家が出来上がった時、バルセロナの人々は驚きながらもこのデザインを受け入れ「骨の家」「あくびの家」などと呼びました。

地中海をイメージしたと言われる建物の外壁には色とりどりのガラス片が使われ、美しい色のモザイクになっています。この写真はメインの居間の写真。ガウディならではの優美で躍動感あふれる曲線と鮮やかな色ガラス。光が差し込むと青い光が揺らめき、まるで海の中にいるような錯覚を覚えます。

ガウディ作のお伽の国に迷い込む!「グエル公園」の魅力

ガウディ作のお伽の国に迷い込む!「グエル公園」の魅力

写真:フルリーナ YOC

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グエル公園は、ガウディの良き理解者であり支援者であったグエル伯爵とガウディは、自然と芸術に囲まれて暮らすという夢を持ち、庭園都市という構想のもとに1900年から14年の歳月をかけて、60戸の分譲住宅を持つガーデンシティを作りました。しかし分譲されたのは、トリアス邸、ガウディが購入したパイロットハウス、グエル氏の邸宅のわずか3軒のみ。

1906年にガウディがここに移り住むと、グエル伯爵もこの地に移住。二人は一緒に散歩などもしてこのガーデン・シティを楽しんだそうです。しかし結局ガウディとグエル伯爵を含め分譲されたのはわずか3軒。そしてガーデン・シティは1922年にバルセロナ市に譲渡され、市民の憩いの場となる公園となりました。

自然の豊かさ、ユーモラスなサンショウウオが鎮座していたり、ヘビのや太陽のモザイク、お菓子の家風な門衛などお伽の国のよう。子どもも大人も笑顔になれるこの公園も世界遺産の認定を受けています。グエル公園は現在一部有料、予約制になっています。予約はインターネットからもでき、前売り割引もあります。指定された時間から30分以内に入場する必要がありますのでご注意を。予約サイトはMEMOに入れておきます。

最後に

いかがでしたか。
不世出の天才ガウディの作品の数々。ガウディが愛する故郷カタルーニャの自然の中に発見し感動したものは、その作品の中に見事に描き出されています。独創的で時に奇抜とも思える作品は、カタルーニャの自然と風景と見事に調和し、生命の鼓動と喜びを私たちに与えてくれます。

2026年、サグラダファミリア完成に向けて、関係者が精魂込めて作り上げている過程、そして完成へのプロローグともいうべきこの時のサグラダファミリアは、まさに必見!そして魅惑のガウディ作品群と共に、ガウディの作品の根底に流れる自然と神への畏敬を感じに、ぜひモンセラの修道院も訪ねてみてください。(モンセラはモンセラートとも、モンセラットとも記述されますが、カタルーニャ語の発音に最も近いモンセラで記述しました)

バルセロナは、ガウディのみならず、ピカソやミロの美術館もあり見どころの多い町です。ぜひゆっくりと滞在してその魅力を味わってくださいね。それでは皆さん、素敵な旅を。

掲載内容は執筆時点のものです。 2005/07/16−2005/07/18 訪問

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