2つの国宝と全国でも珍しい修道院をめぐる、岐阜県多治見市の旅

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2つの国宝と全国でも珍しい修道院をめぐる、岐阜県多治見市の旅

2つの国宝と全国でも珍しい修道院をめぐる、岐阜県多治見市の旅

更新日:2016/01/24 15:50

常盤 兼成のプロフィール写真 常盤 兼成 酷道・険道・重伝建マニア

美濃焼のふるさととして有名な岐阜県の多治見市は、国宝指定されているお寺「永保寺」と、全国でもわずかしかない修道院という2つの建物がすぐ近くにあるため、観光スポットとして人気があります。JR多治見駅から徒歩圏内にありますが、春には花馬車が運行され多治見市の桜の名所ともなっています。今回は寺院と教会の2つを同時に拝観できる多治見市の旅にご案内いたします。

まずは雲水の修行道場も併設されている「永保寺」を訪れます

まずは雲水の修行道場も併設されている「永保寺」を訪れます

写真:常盤 兼成

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多治見駅から歩くこと20分ほど。国道からそれほど遠くないにもかかわらず静けさが広がる「永保寺」に到着です。臨済宗南禅寺派の寺院で創建は1313年。僧堂では雲水が禅の修行に励むことも多く、修業中はお寺の入り口に「修業中につき私語厳禁」の注意書きが掲示されます。

「永保寺」では一般の方も修業の雰囲気を坐禅にて体験することができます。午前6時開始の坐禅会は30分の坐禅が2回行われ、1回目の坐禅が終わると、足腰の疲れを取るための散歩に出かけ、再び30分の坐禅。雲水が警策を構えながら巡警し、修業精神を励まし、警策を受ける方は静かに頭を下げます。坐禅が終わると読経、住職による法話、そして粥と梅干の朝食をいただくという本格的な坐禅会です。

さて、庭園を巡りながら国宝をじっくり見ていきましょう。まずは禅宗の伽藍の中でもいちばん大切な仏殿にあたる本殿「観音堂」がひときわ厳かに見えます。1314年に建立された「観音堂」は、鎌倉の円覚寺舎利殿にも劣らない建物で、修復歴が少なくほぼ当時のままに保存されているため国宝に指定されています。毎年3月15日限定で宝物の一般公開がされるほか、仏前結婚式が行われる際はこの国宝の「観音堂」で催行されます。

もうひとつの国宝「開山堂」は木々に囲まれた場所に静かに佇んでいます

もうひとつの国宝「開山堂」は木々に囲まれた場所に静かに佇んでいます

写真:常盤 兼成

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「観音堂」から名勝庭園をぐるりとまわり、もうひとつの国宝「開山堂」へ向かいます。「永保寺」の名勝庭園は鎌倉瑞泉寺、京都天竜寺などを建てた夢窓国師の作。自然の地形や景観を巧みに使用した庭園は、秋には紅葉が素晴らしく、訪れる人を魅了します。

そんな庭園の奥のひっそりとした木立の中にたたずむのが「開山堂」。礼堂と祠堂に分かれており、どちらも入母屋造りの檜皮葺の建物です。残念ながら一方向からの外観のみの拝観となりますが、3月の公開時にはこちらの「開山堂」も内部開放されます。

樹齢670年のイチョウの巨木は高さ25メートルもあります

樹齢670年のイチョウの巨木は高さ25メートルもあります

写真:常盤 兼成

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「永保寺」の庫裡の玄関前にある大イチョウは、伝え聞くところによると樹齢はなんと670年。高さは25メートルにも達する見事な大木です。秋にはまわりにあるモミジの赤色と、大イチョウの黄色のコントラストが見事です。平成15年の火災時にもなんとか難を逃れ、威厳のある姿で現在も立っています。

「永保寺」にはほかにも県指定の文化財「観世音菩薩坐像」「釈迦涅槃図」「夢窓国師の書」などが保存されており、春の一般公開の際には拝観することができます。また、春に花を咲かせる「シテコブシの群生地」もあり、「永保寺」周辺には自然林も広がる、自然豊かな場所です。

20分ほど歩いて、日本で5か所しかない「多治見修道院」へ

20分ほど歩いて、日本で5か所しかない「多治見修道院」へ

写真:常盤 兼成

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「永保寺」のある虎渓山を降りて東へ進むと、今度は洋風の建物が目に入ってきます。全国に5つしかない修道院のひとつ「多治見修道院」です。こちらの修道院は1930年、ドイツのモール神父によって建てられたもので、白い壁と赤い屋根が特徴のバロック式の教会です。設立当時はカトリック神言修道会の日本本部としての役割を担っていましたが、現在は神学生の修練の場として利用されています。

礼拝堂の一部は見学が可能となっており、ステンドグラスから漏れてくる光が、教会の内部を淡く照らす様子はとても厳かです。残念ながら礼拝堂内部の撮影はできません。また、見学の際はマナーを守って静粛に見学させていただきましょう。

「多治見修道院」は日本で唯一、ワインを醸造しているんです

「多治見修道院」は日本で唯一、ワインを醸造しているんです

写真:常盤 兼成

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「修道院」の裏手にはバーベキュー施設が整ったログハウスや研修センターが広がっています。毎年、カトリック系の大学の学生などが研修に利用しているほか、一般にも広く開放されています。また、敷地内には広大なぶどう畑が広がっています。

実はこちらの「多治見修道院」は日本で唯一、ワインを醸造している修道院なんです。クッキーを製造販売している修道院は日本でほかにもありますが、ワインはここだけ。設立当時からミサで使うためにぶどう栽培をしていたらしく、その歴史は80年を超え、今では多治見産のワインとして親しまれています。毎年11月3日にはワインフェスタも催され、地下室で醸造されたワインがふるまわれます。

教会の売店では、こちらの修道院ワインが年間を通して売られています。また、礼拝堂では一般の人も自由に参加できるミサも行われています。ミサは英語やポルトガル語で行われる日もあり、この地域に住む外国人の信者も多く集まります。

おわりに

国宝指定の寺院と、日本では珍しい修道院をめぐる岐阜県多治見市の旅。いずれもJR中央本線の多治見駅から徒歩20分ほどの位置にあり、お互いの位置も徒歩で移動できる距離ですので、多治見のまちをのんびりと散策するのに最適な小旅行です。また、多治見駅周辺は美濃焼のお店も多く、陶芸体験ができるお店もあります。名古屋から快速電車でわずか30分。気軽にできる小旅行としておすすめのエリアです。

掲載内容は執筆時点のものです。

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