写真:波奈 美月
地図を見る「雛のつるし飾り」とは、伊豆・稲取地区に伝わる雛まつりの飾り物のこと。「日本三大つるし飾り」のひとつとして、県内外に知られています。
その発祥は、江戸時代後期にさかのぼります。当時、雛人形を購入できる家庭は少なく、せめて手作りで初節句を祝おうとする親心から「雛のつるし飾り」が生まれました。
写真:波奈 美月
地図を見る写真は、「雛の館 なぶらとと」に展示されている、鈴木家(荒店酒店)に伝わる100年以上前に作られたつるし飾りです。
昔の稲取では、娘が成長し、成人・嫁入りといった節目を迎えると、つるし飾りや雛人形は新年の「どんど焼き」の時に焼いてしまう習慣がありました。そのため、古いつるし飾りや雛人形はほとんど残っていず、大変貴重です。
写真:波奈 美月
地図を見る「雛のつるし飾りまつり」の会場は5箇所。まずは、メイン会場の「文化公園 雛の館」からご紹介しましょう。
入口正面では、6,409個の雛細工を使った「ジャンボつるし飾り」が、大迫力のお出迎えをしてくれます。展示されているつるし飾りは、なんと約100対(約11,000個の雛細工)。通路の天井にまで、つるし飾りが飾られており、館内は華やかな色彩でいっぱい!
写真:波奈 美月
地図を見る縁起物である金目鯛の「鯛の鯛」と呼ばれる部分を使ったつるし飾りや、約43,200個のスワロフスキー・エレメントでデコレーションしたつるし飾りなど、ユニークな作品も見どころのひとつ。「日本三大つるし飾り」である、福岡県柳川の「さげもん」や、山形県酒田の「傘福」も展示されていますよ。
公園内には、無料の足湯処「雛の足湯」があります。足が疲れた時にいかがでしょうか?
<文化公園 雛の館 基本情報>
住所:静岡県東伊豆町稲取1729
営業時間:9:00〜17:00(16:30受付終了)
入館料:500円
駐車場:あり。まつり期間は臨時駐車場を用意。
アクセス:伊豆急行「伊豆稲取駅」から徒歩約15分
写真:波奈 美月
地図を見るもうひとつのメイン会場「雛の館 むかい庵」は、海の横にあるので眺望が良く、駐車場からは伊豆大島や利島を眺めることができます。開館期間が他の会場より短い場合があるので、公式サイトでご確認のうえ、お出掛けくださいね。記事下の「この記事の関連MEMO」よりアクセスできますよ。
展示されているつるし飾りは約70対(約7,700個の雛細工)。江戸時代、藩主のお姫様が輿入れの際、持参したという由緒ある雛人形や、大正時代に作られたつるし飾り、海の中をイメージした現代つるし飾りなどが見どころです。
<雛の館 むかい庵の基本情報>
住所:静岡県東伊豆町稲取8-1
開館期間:その年による
営業時間:9:00〜17:00(16:30受付終了)
入館料:500円
駐車場:あり
アクセス:伊豆急行「伊豆稲取駅」から徒歩約10分
写真:波奈 美月
地図を見る次は、協賛会場3箇所の見どころをご紹介!それぞれ違った魅力がありますよ。
2018年から協賛会場になった「八幡神社」は、稲取地区の総鎮守社。ご祭神は穂都佐和気命(ほっさわけのみこと)です。白い壁の「絵馬殿」に、赤い色合いの雛のつるし飾りや雛壇が展示され、その対比が美しいですよ。境内には、源頼朝公が源氏再興のため水垢離を行った井戸が現存しており、こちらも要チェックです。
<八幡神社の基本情報>
住所:静岡県東伊豆町稲取1191-1
入館料:無料
駐車場:なし
アクセス:伊豆急行「伊豆稲取駅」から徒歩約15分
写真:波奈 美月
地図を見る「雛の館 なぶらとと」は、「雛工房 あらみせ」が運営する展示館。アワビやサザエの貝殻をはめ込んだような装飾が素敵な建物です。稲取漁港前にある「きんめ処 なぶらとと」のすぐ裏なので、店の横の駐車場脇にある階段から行くとわかりやすいでしょう。
見どころは、100年以上前に作られたつるし飾りや、珍しい籐細工のつるし飾りなど。受付のかたから、興味深い説明を聞くことができますよ。
<雛の館 なぶらととの基本情報>
住所:静岡県東伊豆町稲取396
入館料:100円
駐車場:なし・きんめ処 なぶらととの駐車場(6台・無料)が、短時間の滞在で空いている時なら利用可能。
アクセス:伊豆急行「伊豆稲取駅」から徒歩約10分
(※休館中でも、斜め前の「あらみせ」に声を掛ければ、だいたいは入館できます)
写真:波奈 美月
地図を見る「収穫体験農園ふたつぼり」は、稲取の古民家に「雛のつるし飾り」が飾られている様子を再現した会場。中へは入れませんが、外から窓を開けて展示を撮影することは可能です。庭園にある樹齢約400年の「鳳凰の松」は、羽を広げた鳳凰のような美しさで必見!
この時期は「みかん狩り」を開催しています。「雛のつるし飾りまつり」と併せて楽しむのもよいですね。
<収穫体験農園ふたつぼりの基本情報>
住所:静岡県東伊豆町稲取1813-1
入館料:無料
駐車場:あり
アクセス:伊豆急行「伊豆稲取駅」から徒歩約10分
写真:波奈 美月
地図を見る「雛のつるし飾り」に込められた願いを知っていると、より興味深く見学することができますね。ちょっとご紹介しましょう。
一般的な「つるし飾り」は、赤い5本の紐に11個ずつ雛細工を付けたものを2対作ります。合計110個もの雛細工が雛壇の両脇を飾ることになりますね。実は、1本の紐に付ける雛細工の数は変えることができます。ただし、5・7などの奇数にするそうですよ。
写真:波奈 美月
地図を見る紐をつるす竹輪に巻く布は、赤か紅白。赤は魔よけや疱瘡よけの色とされているからです。
雛細工は、着物の端切れを利用し、中に綿を詰めて作られます。花・唐辛子・巾着など40種類ほどありますが、ひとつひとつに"いわれ"がありますよ。その原点は、長寿を願う「桃」・厄災がさる(去る)にかけた「猿っ子」・薬袋を意味する「三角」の3種類。時代を経るに従い、親が子供を思う気持ちから種類が増えていきました。
写真:波奈 美月
地図を見る「素盞嗚(すさのお)神社」では、毎年2月下旬〜3月上旬頃、参道の階段を雛段に見立てた「素盞嗚神社 雛段飾り」を開催!こちらも公式サイトでその年の日程をご確認のうえ、お出掛けください。
素盞嗚神社は、「雛の館 むかい庵」から徒歩約5分の場所にあります。付近に駐車場が無いため、車の場合、「むかい庵」の駐車場を利用しましょう。少々坂道を登りますが、海をのぞむ高台にあるので絶景を眺めることができます。
118段もの石段に雛人形が飾られ、その両脇に雛のつるし飾りが立ち並ぶ様子は圧巻!係のかたに、"段数日本一"の「雛段飾り」の前で写真を撮っていただけますよ。皆が揃って写っている写真は、何よりの記念になりますね。
写真:波奈 美月
地図を見るそのほか、まつり期間中は、文化公園を中心に「雛まつり市場」や「雛の茶会」など、さまざまな催しが開催されます。
<素盞嗚神社の基本情報>
住所: 静岡県賀茂郡東伊豆町稲取15
展示期間:毎年2月下旬〜3月上旬頃
展示時間:10:30〜15:00(雨天中止)
アクセス:伊豆急行「伊豆稲取駅」から徒歩約15分
会場を徒歩で巡る場合、「伊豆稲取駅→(約15分)文化公園 雛の館→(約10分)八幡神社→(約7分)なぶらとと→(約10分)むかい庵→(約10分)伊豆稲取駅」という巡り方がお薦めです。その逆でもよいでしょう。
「収穫体験農園 ふたつぼり」は山手にあり、他の4会場と併せて巡るのは少々大変です。ただし「みかん狩り」をする場合、稲取町内(まつり会場・稲取駅・ホテルなど)なら送迎してくれますよ。詳細は、記事下の「この記事の関連MEMO」より、公式サイトにアクセスしてご確認ください。
近くの河津町では、毎年2月上旬〜3月上旬頃、「河津桜まつり」を開催!「雛のつるし飾りまつり」と併せて訪れるのもお薦めです。「河津桜まつり」については別記事で紹介しています。記事下の「この記事の関連MEMO」より、ご旅行の参考にぜひご覧くださいね。
2022年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/12/6更新)
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