ビスケットの定番といえば、プレーンな「Rich Tea(リッチティー)」と、重曹を多く含んだ「Digestives(ダイジェスティブ)」。ダイジェスティブは、英語で消化という意味ですが、重曹には消化を助ける働きがあります。
片面がチョコレートコーティングされた「チョコレートダイジェスティブ」は、人気商品の一つですが、チョコレートには、ダークとミルクの二種類があります。ダーク派かミルク派で言い争いになるほどチョコレートにはうるさいイギリス人。甘党が多いため、いつもミルクの方に軍配が上がるのだとか。
定番のダイジェスティブよりも、ふんだんにチョコレートが使われているのは、McVitie’s(マクビティー社)の「Double Chocolate Digestives(ダブル チョコレート ダイジェスティブ)」。チョコレートを練り込んで焼き上げられたビスケットには、チョコチップがたっぷり。どこから食べてもチョコチップにあたるほどのものすごい量。もちろん、片面はチョコレートコーティングされているので、チョコレート好きには垂涎のビスケットです。
老若男女を問わずチョコレート好きが多いイギリス人。渋くスーツを着こなす中年のビジネスマンでさえ、電車で書類をめくりながらチョコレートをかじっているほどです。
イギリスのチョコレートは、とにかく甘い。EUの基準では、ミルクチョコレートでは25%以上、ダークチョコレートでは35%以上カカオが含有されていなければ、チョコレートとしては認められませんが、イギリス製品はその基準を満たしておらず、「チョコレート菓子」に分類されるものがほとんどです。
そんなイギリス人が愛してやまないのは、Cadbury(キャドバリー社)の「Dairy Milk(デイリーミルク)」。見た目には何の変哲もない板チョコですが、ミルクの風味が豊かで、とってもクリーミー。なめらかにお口の中でとろけます。
そのチョコレートでコーティングされている「Dairy Milk Biscuit(デイリーミルクビスケット)」を試してみないという手はありません。単品で食べてもおいしそうなココア色のサクサクビスケットと、それを覆うクリーミーなチョコレートのバランスが絶妙。他のビスケットとは、ひと味もふた味も違います。食べたら最後、癖になるおいしさです。
古めかしいなかにも人目を引きつけるパッケージに、見慣れない形。これは一体何なのだろうと思わず手に取ってしまいたくなるのは、Tunnock’s(タンノック社)の「Teacake(ティーケーキ)」。日本ではあまり馴染みのないティーケーキは、チョコレートでコーティングされたマシュマロ(メレンゲ)です。さっくりしたビスケットの上に鎮座するのは、ふんわりマシュマロ。その歯ざわりは、パリパリ、ふんわり、サクサクの三拍子で、初めて食べるのに、なぜだか懐かしい味がします。
ティーケーキといえば、タンノック社のものが最も有名で、そのレトロなパッケージと素朴な味は、イギリス人の郷愁を誘うのだとか。濃く淹れたミルクたっぷりの紅茶によく合うティーケーキは、暗くなるまで遊んだ故郷の風景や、優しかったおばあちゃんの姿を思い出しながら食べたい、シンプルで心温まるビスケットです。
古き良き時代を思い起こさせるレトロな男の子がシンボルの「Caramel Wafer(キャラメルウエハース)」は、先にご紹介した「ティーケーキ」と同じタンノック社の製品です。見た目のかわいらしさから、お土産としても人気のあるこのウエハース。まずは手の平で、その重みを感じてみてください。
ずっしりと重たいのは、キャラメルソースがぎっしりと詰まっているから。ウエハースとソースの層が交互になっているため、味にムラガありません。しっとりウエハースとたっぷりのキャラメルソースで、しっかりとした歯ごたえ。ミルクチョコレートでコーティングされているので、濃厚な甘さが口いっぱいに広がります。
キャラメルウエハースや先にご紹介したティーケーキなど、イギリスで買えるチョコレートコーティングされたビスケットには、大抵、ダークチョコレートとミルクチョコレートの二種類があります。イギリスでは、断然ミルクが人気ですが、甘さ控えめを好む日本人には、少々甘すぎるかもしれません。ダークとミルク、食べ比べて、どちらが口に合うかを確かめてみるのもよいでしょう。
Jaffa Cakes(ジャッファケーキ)は、柔らかいビスケット(または固めのケーキ)にマーマレードのようなオレンジゼリーをはさみ、ダークチョコレートでコーティングしたお菓子です。
オレンジの酸味とダークチョコレートのほろ苦い甘さが、絶妙なハーモニーを奏でます。甘いお菓子を好むイギリス人に愛されながらも、ジャッファケーキをコーティングするチョコレートだけは、ダークが定番です。
ビスケットとケーキの中間といった食感のジャッファケーキは、名前からも伺えるように、ケーキとして販売されています。薄い鈴カステラのような歯ざわりは、ケーキのようでもあり、ビスケットのようでもあり。
イギリスの法律では、ケーキには日本の消費税に相当する税金(VAT)が課されませんが、ビスケットに関しては、チョコレートコーティングされているもののみ、課税の対象とされるのだとか。
ジャッファケーキをチョコレートビスケットとみなして徴税しようとした政府と、ケーキであると主張した発売元のマクビティー社が法廷で争ったことも。結局、政府が敗訴し、ケーキということで落ち着きました。その微妙な食感を、ぜひともご自分の舌で味わってみてください。
楽しい半面、どれにしようかと、迷ってしまうことも多い職場や学校などへのお土産探し。スーパーマーケットで気軽に買えるビスケットは、種類も多くお財布にもやさしいので、旅行者にはうれしい存在です。
ビスケットを選んだら、ホテルの部屋で少しつまんでみることをお勧めいたします。そのおいしさに、ばらまき用だけではもったいないということに気づくはず。
ご自分用のお土産にも、ビスケットと紅茶を買い込んで、ご自宅や職場で英国式ティータイムを楽しんでみてくださいね。
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(2023/12/7更新)
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