日本有数の巨樹の宝庫・山形県の最上地方「幻想の森」で巨樹を満喫!

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日本有数の巨樹の宝庫・山形県の最上地方「幻想の森」で巨樹を満喫!

日本有数の巨樹の宝庫・山形県の最上地方「幻想の森」で巨樹を満喫!

更新日:2016/01/28 16:56

大木 幹郎のプロフィール写真 大木 幹郎 巨木マニア、低山登山家、ブロガー

山形県の北東部に位置する最上地方は巨樹の宝庫。北に鳥海山から西へ続く山脈、南に出羽三山に囲まれ、総面積の8割を占める森林の中には、日本最大級の巨樹たちが生きています。そんな最上地方で一度に多くの巨樹と出合える「幻想の森」をご紹介。異形の巨樹が集う森には、夢の中か、おとぎ話の中か、幻想の世界が広がっています。

異形の巨樹が集う森

異形の巨樹が集う森

写真:大木 幹郎

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幻想の森は最上地方の中央部に位置する戸沢村(山形県最上郡戸沢村)にあります。戸沢村は中央を東西に最上川が流れ、山林が村域の約8割を占めた山里で、古くは内陸の最上地方と日本海に面した庄内地方を結ぶ水運の要でした。現在の最上川では、美しい最上峡を舟上からのんびりと鑑賞できる舟下りを楽しめます。

幻想の森は最上峡沿いの南にある山間部、土湯杉または山ノ内杉と呼ばれる杉の群生地。土湯杉の多くは、単幹で真直ぐの杉とは異なり、幹や枝が曲がった樹形をしています。具体的には、幹が根元や中腹で複数に分かれ、枝(または幹自体も)は横に伸びてから曲がって上を目指すL字やU字型のもの。そんな異形の巨樹が群生する森には、夢の中か、おとぎ話の中か、まさしく幻想の世界が広がっているのです。

アクセスには、最上川沿いの国道47号線から分岐する林道(土湯沢林道)を登って行きます。林道は車が通れますが未舗装の砂利道で、凹凸や傾斜の大きい区間があるので、車高の低い車でお越しの方はタクシーを利用した方が安全でしょう。

幻想の森の王「幻想大杉」

幻想の森の王「幻想大杉」

写真:大木 幹郎

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幻想の森の中心部には、森で最大の巨木「幻想大杉」が立っています。その姿は、幹や枝が曲がった土湯杉の特徴を凝縮されたようなもの。L字型に曲がった3本の大杉が中央を空けて合体したような樹形で、かつては中心部にも幹が有った様子。森の中心部にある異形の巨体は大迫力! そして不思議な森を生みだした祭壇のように見えます。幹回18m近くある幻想大杉の周囲は、ウッドチップの歩道で囲まれているので、1周して観察してみましょう。見る角度によって、まるで別の巨木のように様々な姿が見えてきますよ。

幻想の森の住人「土湯杉」って何だろう?

幻想の森の住人「土湯杉」って何だろう?

写真:大木 幹郎

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幻想森に群生する土湯杉が変わった姿をしているのは、この場所に何か特別な要因があるように思われますが、それは豪雪地帯に適応した杉であることも関係しています。土湯杉は、ウラスギ(裏杉)またはアシウスギ(芦生杉)と呼ばれる日本海側の豪雪地帯に多く分布する種類の杉で、主に太平洋側に分布するオモテスギ(表杉)とは遺伝子的に違いがあることが分かっています。ウラスギはオモテスギと比較して葉が細く、枝がよく曲がり、より積雪に適応。更に伏条性が強く、曲がって地面に垂れた枝が独立した幹になることもあるのです。

盆地の最上地方は寒暖の差が大きく、冬は日本海から吹く季節風の影響で豪雪地帯となります。積雪に適応した自然淘汰でウラスギが群生し、幻想の森が生まれたのかもしれません。しかし、幻想の森へ足を踏み入れて見れば、この森に群生する土湯杉たちの姿には、樹種の遺伝や環境だけではない、何か不思議な魔法のようなものが感じられます。

幻想の森へ誘われて

幻想の森へ誘われて

写真:大木 幹郎

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幹や枝が曲がった姿をした土湯杉が群生する幻想の森。最上川沿いにある山奥ですが、森の中はウッドチップが敷き詰められた周遊道が拓かれていて歩き易く、1周の移動時間は10分程なので、特に疲れることはありません。周遊道沿いに幹や枝をくねらせて、こっちへおいで…と誘うように立つ土湯杉たちをゆっくり観賞して歩けば、30分以上は楽しめます。

幻想の森が観光地として注目される発端となった事に、JR東日本のテレビCMのロケ地となったことが関係しているでしょう。主演・吉永小百合さんの「大人の休日倶楽部」シリーズのひとつ「最上峡・巨木篇」として幻想の森の様子が紹介されました。

最上峡は巨木の宝庫「土湯の黒杉」

最上峡は巨木の宝庫「土湯の黒杉」

写真:大木 幹郎

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日本有数の巨樹が多い地域である最上地方。その地域に属する戸沢村が誇る巨樹は幻想の森だけはありません。「幻想の森で巨樹を堪能したけれど、まだ他にも凄い巨樹を見たい!!」そう思われる方にお勧めしたいのが、幻想の森と同じく最上峡沿いの山間部に立つ「土湯の黒杉」です。

幻想の森は土湯杉の一大群生地ですが、最上峡には土湯杉が広く分布しています。現地ガイドの案内無しには到達が困難な、山奥に立つ土湯杉の巨木が複数存在しますが、その中でアクセスが比較的に容易なのが「土湯の黒杉」です。国道47号線沿いに黒杉へ続く山道の入口があり、山道はすぐに陸羽西線のトンネルの上に続いていきます。やがて10分ほど山道を登ってゆけば、急斜面に立つ異形の巨体が現れるでしょう。

黒スギは急斜面に立つ2本の株立ちの巨木で、幹周は約11mあります。土湯杉らしく、大量の曲がった揺らめくような大枝を茂らせ姿は、まるで燃え上がる炎のようです。見応えは幻想大杉(幻想の森で最大)に劣らず、鬱蒼とした立地の野趣が手伝えばそれ以上。幻想の森へ訪れる予定の方に、ひと足伸ばして訪問をお勧めする巨木です。

おわりに

以上、巨樹の宝庫である最上地方で、一度に多くの巨樹たちと出合える「幻想の森」のご紹介でした。他の地域では見られない、異形の土湯杉たちが織り成す、夢の中か、おとぎ話の中の世界のような幻想的な雰囲気が漂う森は一見の価値あり。最上川の舟下りで戸沢村へ訪れた方にも、一足伸ばして訪問されることを強くお勧めいたします。戸沢村と最上地方の他の地域には、多くの巨樹がありますので、その所在については、MEMOリンクの戸沢村の公式サイトや、最上地域観光協議会のサイトをご参照下さい。幻想の森や土湯の黒杉は、山間部に位置し、アクセスには狭い林道や山道を経由する必要がありますので、安全のため、天候の安定している日の明るい時間帯にご訪問ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/08/04 訪問

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