大いに語る力む肉体。苦悩に美を見る静岡県立美術館「ロダン館」

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大いに語る力む肉体。苦悩に美を見る静岡県立美術館「ロダン館」

大いに語る力む肉体。苦悩に美を見る静岡県立美術館「ロダン館」

更新日:2016/01/28 18:32

タケモト スグルのプロフィール写真 タケモト スグル 美術館バカ、感動写真家

ロダン、マイヨール、ブールデル。近代彫刻三大巨匠の作品は全国各地の美術館の定番品です。「近代彫刻の父」ロダンに限っても案外広く点在しています。ところが、大型の作品が一堂に!となると全国的にもごく僅かです。ここでは、ロダンの大型作品を多数収める静岡県立美術館「ロダン館」と、その見どころをご紹介します。

まさに殿堂。静岡県立美術館「ロダン館」

まさに殿堂。静岡県立美術館「ロダン館」

写真:タケモト スグル

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JR静岡駅よりバスで約30分。静岡県立美術館は富士山を望む小高い丘に位置する美術館です。所蔵は時代・国・ジャンルを超える幅広い作品群で、国内有数のコレクションを誇ります。特にロダンはトップクラスで、彫刻32点を収める専門棟「ロダン館」付きです。

ロダン館は棟自体が大型館といえるほど巨大で、作品一体一体も大きな空間をはらみます。紡錘形の天井から差す光も、作品に命を吹き込む自然光です。長く過ごすと光の変化も作品の楽しみに変わります。殿堂と呼ぶにふさわしい、作品の活きる施設が「ロダン館」です。

至高の所蔵品

至高の所蔵品

写真:タケモト スグル

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ロダンといえば「考える人」・・・あります。
代表作の1つ「カレーの市民」は・・・あります。
まさか巨大な「地獄の門」はないでしょう・・・あります。

全32点の展示品には、大型の作品を含む代表作が目白押しです。しかも至近距離で眺めることができます。作品の圧力を全身で感じることが可能です。

オススメは、「地獄の門」を仰ぎ見ること。当作品は当館の他に東京上野の国立西洋美術館に野外展示されていますが、近くに寄ることはできません。「開いちゃうかも・・」という恐怖を、好奇心で感じて下さい。
(ちなみに、「地獄の門」は世界に7体しかありません。うち2体が日本にあるということです。あぁ芸術大国日本!)

ロダンを観る

ロダンを観る

写真:タケモト スグル

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芸術とは本来、多様性を持つものであり、作るも見るも寛容です。その為、鑑賞に方法はなく、正否もありません。ところが、見慣れぬものを心で捉えろと言われても、逆に不感に陥ります。これから楽しもうという方には玄人志向な視点より、多少具体的なほうがいいでしょう。

例えばこんな感じでロダンを見てはいかがでしょうか?

【全身の「力み」】
ロダンの人物像には力みがあります。一見自然でも、スジが悲鳴を上げそうな妙なポーズです。試しに「考える人」になってみましょう。どこかプルプルしませんか?
ぐるり360°全身の力みを眺めていると、次第に心を感じてきます。身体がよじれる程の苦悩か、身もだえる程の官能か。その心に近付いてみて下さい。

【神経の通う「手」】
ロダンの彫刻の「手」には、全身と同じ「力み」があります。ゴツゴツした手の指先に至るまでスジが通る感じです。それだけに多くを語ります。
その手を自身に映すと、一体どんな気持ちでしょう。その手だけが作品となれば、どんな全身が思い浮かぶでしょう。自身の手を巧みに使いつつ、心に近付いてみて下さい。

これらは主観承知な見どころ・鑑賞ポイントであり、美術的に重要な造形についてもあまり触れていません。「いや、私はこう見る!」が生まれたならば尚によし、是非に楽しみを見つけて下さい。

巨匠「オーギュスト・ロダン」

巨匠「オーギュスト・ロダン」

写真:タケモト スグル

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とこで、「ロダン館」を遠く極東の地に生み出すほどの巨匠ロダンとは、一体、どんな人物だったのでしょうか。

フランソワ・オーギュスト=ルネ・ロダンは19世紀フランスの彫刻家です(1840-1917)。元は建築装飾の職人で、36歳で彫刻家デビューを果たし、以後77歳で没するまで作品を生み続けました。代表作は「地獄の門」「考える人」「カレーの市民」「接吻」「バルザック像」「青銅時代」などで、「近代彫刻の父」とも称されています。

気になる女性関係は、さすが巨匠!泥沼です。妻ローズと弟子カミーユとの間で三角関係となり、結果こじらせました。その間に名言「情熱をもって君たちの使命を愛せよ。これより美しいことはない。」を残しています。身をもって苦悩や官能を表すということでしょうか。さすが巨匠ですね。

ロダンを撮る

ロダンを撮る

写真:タケモト スグル

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ロダンの作品を知った今、動いた心を写真に残してみましょう。

彫刻は写真的に見ると名俳優です。美人なだけの”イモ”ではなく、無声で魅せる”実力派”です。その名俳優がどれだけ時間をかけても嫌がりもせず撮らせてくれるのですから、じっくり撮らない手はありません。心ゆくまで撮影しましょう。幸い「ロダン館」は撮影OKです。

撮影のアドバイスとしては、「アングル・構図」と「ホワイトバランス」を特に挙げます。

【アングル・構図】
ぐるり360°じっくりと眺めて下さい。正面・側面・背面、顔・肩・胸・腕・腰・脚・背中・・。グッとくる面やパーツがありませんか?フェチで結構、感動のポイントを探して下さい。
見つかったならば、その感動が主役になる構図を探りましょう。満足のいく写真を残せるかどうかは、ほぼこの工程に左右されるので、時間をかけてもかまいません、納得がいくまで探して下さい。

【ホワイトバランス】
白を白として当たり前に撮るのか、青みがからせて撮るのか、あるいはノスタルジックに撮るのか。ホワイトバランスの調整をお勧めします。
普段通り「オート」で撮るのも別にいいのですが、白を白として撮ると、作りモノっぽさまでそのまま反映されます。気持ちをイマイチ感じません。そこで試しに、ホワイトバランスを「電球」や「曇天」、「晴天日陰」などにしてみましょう。単純に色の基準が変わるというだけでなく、空気感の変化にも気付くはずです。自身の感動に合わせて調整して下さい。

ちなみに、被写体そのものが芸術作品である為、妙な撮影テクニックや撮影方法を採る必要はありません。思いに素直に撮るといい結果が生まれるので、焦らず楽しんで撮影して下さい。

おしまいに

今回は静岡県立美術館の「ロダン館」をご紹介しました。
殿堂と呼ぶにふさわしい大型で逸品揃いの館です。

感動を心に、カメラをその手に。
歴史を変えた巨匠の力みを、写真にもぶつけてみて下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/10/30 訪問

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