写真:佐藤 らなこ
地図を見る肘折温泉は、「日本で最も美しい村」に加盟している山形県大蔵村にあります。その昔、肘を折ったお坊さんがこの湯につかったところ、たちまち傷が治ったと言われ、湯治場として発展してきました。肘折温泉は青森・酸ヶ湯温泉に次ぐ豪雪地帯で、冬は積雪量2〜4メートルに達することもありますが、それでもこの温泉を味わうために多くの人々が訪れます。
今回ご紹介する「湯宿 元河原湯」は、肘折温泉街と川沿いに位置します。4階建てで全15室のこじんまりとした宿です。JR新庄駅からは車で約40分です。山道や冬季の運転が不安な方は、宿の送迎(定時運行:予約制)を利用されることをおすすめします。
写真:佐藤 らなこ
地図を見る宿の玄関を入ると、そこは木のぬくもりがあふれる温かい空間です。
いちばんに目につくのは、玄関脇の囲炉裏でしょう。さらにそのすぐ隣には、葉山の名水「栃の井」が宿までひかれています。このお水で淹れていただく山水コーヒー(有料)は格別です。囲炉裏端で温まりながらほっとひと息すると、旅の疲れも和らぎます。
また、ロビーには古時計をはじめとするレトロな調度品に、だるま落としやけん玉などの昔ながらの玩具などがあり、田舎の家に帰ってきたような懐かしさでいっぱいになります。スタッフの方々も気さくで、親戚のおじちゃんやおばちゃんに迎え入れられているようです。
写真:佐藤 らなこ
地図を見る全15室のお部屋は、お部屋ごとに少しずつ趣が違います。川側のお部屋が眺めがよくおすすめです。お部屋にお風呂はありません。冬季は全部屋にこたつが設置されています。寒さが苦手な方も安心ですね。こたつで温まるひと時は、なんだかほっとしてついうとうと眠たくなってしまいます。
夕食は会食場の囲炉裏端での夕食がメインですが、お部屋食を選択することもできます。季節に合わせたこだわりの料理が提供されます。その中での自慢の一品は館主さんが手打ちする「宿そば」です。また、お料理のお供に自家農園産果実酒ややまぶどう液、いわなの骨酒など「湯宿 元河原湯」独自の飲み物が豊富で、食事の合間に選ぶのも楽しいです。
写真:佐藤 らなこ
地図を見る大浴場は最上階の4階にあります。露天風呂はありませんが、最上階にあるため、その眺めは最高です。さえぎるもののない大自然、季節によって表情がかわる山と川をゆっくり眺めながら、お湯につかりましょう。大浴場のお湯は、元河原湯の源泉と肘折温泉の源泉をブレンドして、ちょうどいい湯温になるようにその日の気温に合わせて、毎日調整されています。
1階の貸切風呂は、チェックイン時に時間を予約するシステムで、利用時間は40分ごとに区切られています。予約する際に時間が合わなくても、22時から翌朝8時までは空いていれば、いつでも入浴可能です。2〜3人でちょうどいい大きさです。貸切風呂のお湯は鉄分の多い茶色で、信楽焼の浴槽がとてもおしゃれです。
写真:佐藤 らなこ
地図を見る「湯宿 元河原湯」で入浴や食事の合間におすすめなのが「読書」です。各階にテーマ別の本棚があります。お気に入りの1冊を探して、本の世界に浸ってみましょう。お部屋に持ち帰るのもいいのですが、4階の大浴場脇のスペースには、本棚の隣に2脚の椅子が設置されています。ここでお友達や家族、ご夫婦など大切な人と一緒に本を読みつつ語らい、ときどき窓の外の景色を眺める時間はゆっくり流れ、穏やかで優しい気持ちになれます。
宿にこもるのもくつろぎのひと時ですが、せっかくなので温泉街もブラブラしましょう。温泉街はこじんまりとしているので、短い時間で端から端までいけちゃいます。商店でお土産を買ったり、共同浴場や他の旅館の立ち寄り湯をしたりするのもいいですね。おだんご屋やそば屋もあります。冬季はお休みの店舗もありますので、お出かけ前にご確認ください。
毎朝5時から開催されている朝市(冬季を除く)も有名です。早起きして、ぜひ出かけてみましょう。地元の方々とのおしゃべりに花が咲き、そんな人の温かさにきっとまた肘折温泉に帰ってきたくなることと思います。
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(2024/10/12更新)
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