写真：六三四
地図を見る「秀水湯」のある妙見温泉は鹿児島県霧島市、新川渓谷温泉郷にある温泉地。四季を彩る豊かな自然と温泉街を流れる天降川（あもりがわ）の美しい景観が印象的。河畔には11軒の温泉宿が立ち並んでおり紅葉シーズンになると多くの観光客で賑わいます。
鹿児島県民からしても一般に妙見温泉といえば高級旅館のイメージが強いのですが、元々この地域は湯治場として長い歴史があり現在も自炊宿や素泊まりの宿が往時を偲ばせています。
今回ご紹介する「秀水湯」もその湯治場の名残を感じさせる宿のひとつです。
写真：六三四
地図を見る「秀水湯」敷地には指圧治療院も兼ねている宿泊棟と浴舎。そして湯治客のコミュニケーションスペースでもあるゲートボール場。湯治宿として昭和56年から妙見温泉で営業をされています。1泊￥2,500（税込・入湯税込）と激安の素泊まり宿には極上の湯とほのぼのとした雰囲気に惚れ込んだリピーターが訪れています。
こちらは立ち寄り湯も利用可能で料金は￥200！日常湯として利用される常連さんも多く、夕方になると地元の方で賑わいをみせています。
立ち寄り客は玄関に置かれた竹筒の料金受けにお金を入れて浴舎へ。
のんびりとした湯治宿にピッタリな光景です。
写真：六三四
地図を見る源泉かけ流しの温泉は数多くありますが「秀水湯」の良さは浴槽と湯量のいい意味でのアンバランスさ。2～3人ほどでいっぱいになる小さな浴槽に大きな音を立てながら注がれる大量の湯。この不調和さが温泉マニアならずとも訪れた方をうならせる理由。初訪問の際、溢れ出るあまりもの大量の湯にしばし言葉を失なってしまった事を今でも覚えています。
自噴の炭酸水素塩泉（ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉）が大量に注がれ、注がれた量その分が浴槽から溢れ出る。浴室床は大洪水状態。これぞ源泉かけ流しの温泉！鹿児島が誇るべき温泉です。
シュワシュワ感のある温泉は透明で湯につかると体の周りだけ白濁化。
厳密に言えば温泉に含まれる微細な炭酸成分が体を触媒として大きく気泡化することで可視化され白く見えると言った方が正しいかもしれません。
細かな気泡が大量に舞う温泉は、温泉王国鹿児島とはいえなかなか体験できません。
極上の湯、霧島の観光や湯めぐりをする際は絶対に抑えておくべき温泉だと思います。
写真：六三四
地図を見る「秀水湯」にはコンクリート造りの内湯浴室とは別にプラスチックスレート壁の浴舎があります。高い位置から湯が注がれるうたせ湯と言って良い二層式の浴槽。内湯同様に凄まじい量のかけ流し。ココでも「秀水湯」の豊富な湯量を感じます。
ちなみに写真左の浴槽は冷たい湧き水の水風呂。※高温の温泉に入り、湧き水の水風呂でクールダウン。この湧き水は飲用も可能。やわらかい口当たりでほのかな甘味ある水で実にうまい。宿名の「秀水湯」の“秀でた水と温泉”何となくわかる気がします。
無加熱、無加水の本物の源泉100%かけ流し。
新鮮な自噴泉を存分に味わう。飾り気はまったくありませんがひたすらに湯を浴びる。『湯に癒される』これ以上に贅沢な時間はありません。
筆者のような湯が全ての温泉マニアにはこれこそが喜び。マニアがすすめる温泉の湯力（ゆぢから）ぜひご堪能ください！
※温泉ソムリエ豆知識
水風呂の全身浴が苦手な方は足浴をおすすめします。温泉と水風呂の温冷交互浴は抹消血管を拡張し血行を促進。乳酸などの疲労物質や老廃物を排出しやすくするので、疲労回復に大きな効果が得られます。
写真：六三四
地図を見る「秀水湯」の魅力は『湯』『低料金』そして、指圧師でもあるご主人。人あたりの良い優しい笑顔に湯と同様に癒されます。前述しましたが指圧院も兼ねている宿泊棟では40分￥3,000で指圧マッサージも行っています。体に痛みのある方はご主人にご相談するのもいいかもしれません。
最後になりますがココ「秀水湯」。以前私がTV番組の温泉取材でご紹介した際、温泉ファンから抗議を受けたことがあります。「何で番組で取り上げたのか！」「ほかの人に教えて欲しくなかった」つまりそれは本当に良い温泉であるがゆえ。
素晴らしい『湯』ですので霧島訪問時はぜひ一度お立ち寄りください。
超おすすめの温泉です！
【施設名】秀水湯
【住 所】鹿児島県霧島市隼人町嘉例川4389-1
【電 話】0995-77-2512
【泉 質】炭酸水素塩泉
【適応症】きり傷,やけど,慢性皮膚病など
【立寄湯】￥200
【宿 泊】￥2,500（素泊まり）
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(2024/4/20更新)
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