屋形のこたつ舟で水墨画の世界と木流し鍋を満喫!岩手県「猊鼻渓の舟下り」

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屋形のこたつ舟で水墨画の世界と木流し鍋を満喫!岩手県「猊鼻渓の舟下り」

屋形のこたつ舟で水墨画の世界と木流し鍋を満喫!岩手県「猊鼻渓の舟下り」

更新日:2016/02/03 15:54

彰 伴治のプロフィール写真 彰 伴治 温泉ソムリエマスター、平泉世界遺産ネット検定1級、三陸鉄道ネット検定1級、岩手おもてなしネット検定1級

岩手県の最南端一関市東山町にある「猊鼻渓」。国の史蹟名勝天然記念物に指定され日本百景のひとつにも数えられる景勝地。2キロあまりに渡って続く100メートルを超える高さの岩壁は、季節の変化に応じて様々な表情を見せてくれます。特に冬は雪が積もればさながら「水墨画」の様。屋形のこたつ舟は岩壁の間をゆっくりとモノクロームな山水画の世界へいざなってくれます。そんな「猊鼻渓のこたつ舟」の旅をご紹介します。

和気あいあいの船中

和気あいあいの船中

写真:彰 伴治

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「猊鼻渓」では、春から秋にかけては雨が降らない限り屋根も囲いも無い舟「ひら舟」で川下りが行われます。開放感あふれる舟から眺める風景は、次々と現れる奇岩・巨岩が驚きと感動を与えてくれます。一方、冬に運行される屋形のこたつ舟は狭い空間で皆がこたつを囲み乗客同士で写真を撮りあったり、船頭さんのなまりの効いた楽しいお話しで笑いあったりして、初めて会った人達ともすぐに仲良くなれる和気あいあいとした雰囲気。

また、窓越しに観る風景は何も遮る物が無い時とは違った味わいがあり、ひら舟に乗ったことがある人にも新鮮な喜びを与えてくれます。

郷土料理を楽しむ

郷土料理を楽しむ

写真:彰 伴治

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こたつ舟が運行される期間の楽しみのひとつに、ここだけの郷土料理「木流し鍋」があります。この鍋は鶏肉や豚肉、豆腐や人参などを大きめにカットして味噌で煮たこの舟の上だけで味わえる一品。木流しの名は昔この川の上流で切り出した木材を川を流しながら運んでいた頃、作業員たちが仕事の合間に食べたことに由来するものです。こたつに入ってこの鍋を食べれば体が芯から温まります。

鍋の他にも香ばしいみそ焼きおにぎりや、レンコンをすりおろして固めあんかけにしたレンコンまんじゅうなどボリュームも満点。ここ猊鼻渓では出発後30分程度舟の旅を楽しんだ後、三好ヶ丘という上流の船着場で一旦舟を降り歩いて景色を楽しむコースになっているので、舟を降りるまでの間に全部食べ切る自信が無い時は、冷めるともったいない鍋から先に食べましょう。

なお木流し鍋は前日までに予約が必要。また釜飯のコースも用意されています。

舟を降りて猊鼻渓一番の景色を眺める

舟を降りて猊鼻渓一番の景色を眺める

写真:彰 伴治

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舟下りの折り返し地点である三好ヶ丘で一旦舟を降りて歩き始めれば、そこからは一転開放感溢れる世界が広がります。少し歩いて振り返えればそこには猊鼻渓一番の眺め「夫婦岩(めおといわ)」がそびえ立っています。夫婦岩は川を挟んで向かって左側が「小婦岩(しょうふがん)」で右側が「壮夫岩(そうふがん)」、まるで夫婦が寄り添っている様に見えることからそう呼ばれています。

壮夫岩の右に広がるのは「錦壁岩(きんぺきがん)」。この岩が最も美しいのは、赤や黄色の鮮やかな色が交わりまさに錦の壁の様相を呈する紅葉の時期。しかし冬に観てもその迫力は素晴らしく猊鼻渓を代表する岩のひとつと言えます。

これぞまさに山水画

これぞまさに山水画

写真:彰 伴治

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錦壁岩の隣にそびえるのが「馬鬛岩(ばりょうがん)」。岩の稜線が馬のたてがみを思わせることから名づけられたこの岩は、雪が積もれば現実の風景をデフォルメして描かれる山水画の風景そのもの。ダイナミックな岩の形と頂上に立つ松の姿は、そこに著名な水墨画家の絵を飾っているかの様です。

圧倒的な迫力と運試しを楽しむ

圧倒的な迫力と運試しを楽しむ

写真:彰 伴治

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舟を降り歩くこと約10分、一番奥にそびえ立つのは「大猊鼻岩(だいげいびがん)」。高さ120mを超え視界にもカメラのレンズにも入りきらない大きさで観る者を圧倒するこの岩は、新緑の時期には緑とグレーのコントラストが美しいのですが、冬になれば草木が色を失い墨汁の濃淡だけで描かれた世界に変わります。右端に少しだけ茶色く少し突き出しているのは、この猊鼻渓の名前の由来となった「獅子ヶ鼻(ししがはな)」です。

またこの岩の下の方には小さい穴が開いていて、「運玉(うんだま)」と呼ばれる、福、縁、寿などの文字が掘られたやき物の玉を投げ、その穴に入ると願いが叶うといわれています。運玉は5個で100円、巨岩ゆえに近くに見える穴も実は投げてみると結構遠く、なかなか入りませんがそれがまた楽しいものです。

名残を惜しみつつ舟に戻ればまた和気あいあい、船頭さんはジョークを連発して楽しませてくれた後、最後に「げいび追分(おいわけ)」を唄ってくれます。この唄は最も船頭さんの個性が感じられ、景色の変化と共に何度乗っても飽きない「猊鼻渓の舟下り」の名物のひとつです。

おわりに

いかがでしたか、四季折々に変化をみせる猊鼻渓はいつ行っても楽しめますが、こたつ舟だけは冬の期間にしか乗ることが出来ません。通常12月から2月までの3ヶ月間しか運行されないこの舟に、是非乗ってみて下さい。きっとそこには素敵な出会い、そして笑いと感動が待っています。

なお、正月三ヶ日などこたつの無い屋形舟が運行される場合があります。
また、舟下りは年中無休ですが工事や天候次第で運行されない場合があります。お出かけ前にホームページや電話で運行状況を確認することをお勧めします。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2016/01/24 訪問

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