歴史文化館から始める奈良・葛城の道、神話の伝承多き古道を歩く

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歴史文化館から始める奈良・葛城の道、神話の伝承多き古道を歩く

歴史文化館から始める奈良・葛城の道、神話の伝承多き古道を歩く

更新日:2016/02/03 17:54

日野 弘幸のプロフィール写真 日野 弘幸 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者

「葛城の道」は「葛城古道」とも呼ばれる金剛・葛城山麓を南北に走る山裾の道。奈良県には多くの歴史街道と呼べる道が存在します。その一つであるこの古道沿いには古代豪族の往来していたことを偲ばせる寺社やその名残を残す集落なども点在しています。

葛城の道歴史文化館からスタートしよう

葛城の道歴史文化館からスタートしよう

写真:日野 弘幸

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葛城の道歴史文化館は、葛城の道を散策するための情報拠点として日本ナショナルトラスト協会が設置したヘリテイジセンターです。ここでは葛城の道散策マップや街道の神社・仏閣に関する資料、伝統行事の写真などが展示されており、旅のスタートにぴったりの場所です。

高鴨神社は古代豪族「鴨」一族発祥の地

高鴨神社は古代豪族「鴨」一族発祥の地

写真:日野 弘幸

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葛城の道歴史文化館のお隣に位置する高鴨神社は大和の名門豪族、鴨族の守護神を祀ります。その起源はなんと弥生時代中期とのこと。この地から鴨一族は全国に広がっていくこととなります。京都の上賀茂神社、下鴨神社は世界遺産にも登録され有名ですが、それら賀茂社の総社にあたります。
神社では国の特別天然記念物に指定されている日本さくら草を保存栽培しており4月下旬頃には多くのお花見客が訪れることでも有名です。

神話の世界、神々降臨の地、高天彦神社から橋本院そして極楽寺へ

神話の世界、神々降臨の地、高天彦神社から橋本院そして極楽寺へ

写真:日野 弘幸

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高天彦神社までは坂道が続きます。神社は背後の白雲峯と呼ばれる美しい山をご神体としています。
高天彦神社から北東へ600メートルほどの場所に「高天原伝承地」の碑が建っておりこの地が『古事記』や『日本書紀』に記された神々の降臨された場所。高台から眼前に広がる奈良盆地の風景がそれを実感させてくれます。
少しわかりづらいのですが、神社の東には「蜘蛛窟」と呼ばれる場所があります。巨大な土蜘蛛が住んでいたとか千本の脚があった土蜘蛛が埋められた跡だとか語り伝えられる不思議な場所です。
葛城という地名は『日本書紀』によりますとこの土蜘蛛伝承から生まれたと語られています。

のどかな田園風景の中を暫く歩きますと、奈良時代に高天山登拝のために訪れた行基が開いたとされる橋本院に着きます。見所は「瞑想の庭」と呼ばれる庭園で、白雲峯を背景に四季の草花を楽しむことができます。葛城の道を紹介するメディアの収録が数多く行われているお庭です。

ここから極楽寺へ山道を抜けることができるのですが、かなりの急勾配なので注意が必要です。極楽寺は興福寺の名僧といわれた一和上人が開いた寺院で、鐘を備えた鐘楼門が歴史を感じさせてくれます。

名柄の集落で一休み。郵便名柄館は2015年、郵便局の旧舎をリニューアルしたカフェレストラン!

名柄の集落で一休み。郵便名柄館は2015年、郵便局の旧舎をリニューアルしたカフェレストラン!

写真:日野 弘幸

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極楽寺を拝観した後、暫く街道を北に向かって歩きますと名柄の集落へ入ります。集落には、江戸時代中期に建築された重要文化財に指定されている民家「中村家住宅」なども残されており雰囲気のある街並みです。
旧名柄郵便局は、100年ほど前に建築された洋風の外観と赤ポストや公衆電話などモダンな雰囲気の大正ロマン漂うおしゃれな空間でした。1975年に新局舎へ移転して、役目を終えた旧局舎は長らく使われていませんでしたが、2015年春、当時の郵便局がもっていた人と人との繋がりや出会いをテーマに「郵便名柄館」郵便資料館&Tegami cafeとしてリニューアルされました。

カフェでは、地元の野菜やお米(吐田米:はんだまい)を使ったランチや郵便名柄館オリジナルブレンドのコーヒーなどがいただけますので、葛城の道散策の際の休憩、食事スポットとしておすすめです。

「いちごんさん」と通称される葛城一言主神社では願い事を一つだけ

「いちごんさん」と通称される葛城一言主神社では願い事を一つだけ

写真:日野 弘幸

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一休みしたら葛城一言主神社へ。「いちごんさん」と通称されるように願い事は一つだけ。こちらも全国各地にある一言主神社の総本社です。こちらの神様は第21代雄略天皇が葛城山で狩をしている時、天皇と同じ姿で現れて、天皇が「お前は何者だ」と問いかけたところ、「私は善事も悪事も一言で言い放つ神である」と言い放ち、天皇はその場にひれ伏し、その後、狩を共に楽しみ、神は天皇を久米川(現在の曽我川)まで送っていったという逸話も残っています。
神社内には樹齢1200年の御神木、「乳銀杏」が聳えて秋の黄葉が見事です。

おわりに

今回は、一言主神社で紹介を終えますが、道はもう少し北にある九品寺あたりまでが、ポピュラーなコースです。道沿いには日本ナショナルトラスト協会による、道案内板も要所に設置されています。
途中、急な山道もありますが日本の原風景といえるのどかな田園風景の中を歩くのはどの季節でも楽しめるでしょう。途中にある神社も全国の系列神社の総本社であったりと日本の歴史の原点を巡る道歩きとしておすすめです。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2015/11/17−2016/01/17 訪問

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