写真:やまざき にんふぇあ
地図を見る全国に4万社あまり存在する八幡様の総本宮、宇佐八幡。その宇佐八幡の最寄り駅である宇佐駅からバスに1時間ほどゆられて、伊美港でおります。そこから20分ほどフェリーに乗ると、姫島に到着です。
姫島は南北4キロ、東西7キロ、人口2000人弱の小さな島です。ここには前述した国生み神話以外にも、多くの伝説が残っています。
垂仁天皇の時代、意思加羅国(当時、現在の朝鮮半島南部にあった国)の皇子である都怒我何羅斯等が牛を連れ歩いていたのですが、牛から目を離したすきに郡公に捕らえられて食われてしまいました。皇子が郡公に賠償を求めたところ白い石を渡されます。皇子がそれを持ち帰って寝室においたみると、石はたちまち美女へと姿を変えたそうです。皇子は美女に求婚しましたが断られ、立ち去った美女は現在の大阪を経由してここ姫島に移り住み、神となりました。彼女はなぜかお姫様とも呼ばれていて、「姫」島という名前はこの女性に由来していると言われています。
この島に残る七不思議の中には、このお姫様に由来するものが複数あります。例えば彼女はお歯黒をしていたようなのですが、つけるためのお猪口や筆をおいた跡(かねつけ石)、つけたあと口をゆすぐための水がなかったので祈ったところ地面から冷泉が湧き出したという場所(拍子水)、お歯黒をつけるために使った柳の枝を逆さに地面にさしたら芽吹いたといわれる逆柳が残っています。ちなみに拍子水のすぐ近くには共同浴場があって、お姫様が湧き出させたお湯につかることができます。
お姫様ゆかりのスポットはいろいろありますが、まずは彼女を祀る比売語曽社へお参りに行って、旅の安全を祈願することから始めましょう。本宮をお参りしたあとは、パワースポットと言われる奥宮への参拝も忘れないでくださいね。
写真:やまざき にんふぇあ
地図を見る七不思議の一つに「阿弥陀牡蠣」というものがあります。姫島灯台の下の海蝕洞窟内の海面から2メートルほど上がったところに牡蠣が群生しているそうです。その牡蠣は海水につかることはない上に阿弥陀様の姿に似ていて、食べると腹痛を起こすと伝えられています。
残念ながら見ることはできませんが、代わりに姫島灯台を観光していきましょう。明治37年に建てられたこの灯台は、現在無人化されています。太平洋をバックに建つ小さくてレトロかわいい灯台は必見ですよ。
写真:やまざき にんふぇあ
地図を見る観音崎と呼ばれるみさきに、馬頭観世音を祀る小さなお堂があります。一見何の変哲もありませんが、年末に借金取りに追われる人が、なんと千人も隠れられるそうです。
ちなみに周囲の岩肌には乳白色の黒曜石がむき出しになっています。黒以外の色をしている点、そして容易に観察できる状態になっている点から極めて珍しいものとされ、黒曜石として日本で唯一天然記念物として指定されています。さわれる位置にあたり前のように転がっていますが、天然記念物なので持ち帰ったりはしないでくださいね。
写真:やまざき にんふぇあ
地図を見る最後に何かお土産を買っていきたい、そんな時はひじきがおすすめです。12月後半に島をめぐっていると、あちらこちらでひじきが干されています。干し終えたばかりのひじきを、ぜひ買って帰って、食べてみてください。地味な印象を持たれやすいひじきですが、新鮮なひじきは調味料に負けないくらい海藻の香りが強く、歯ごたえもシャキシャキとしていて絶品です。
ただし、姫島では12月しか収穫しない上に過疎化により収穫量も減少しています。その貴重さとあまりのおいしさのおかげで、ネット上に出回ると、すぐに売り切れてしまうことも珍しくありません。12月〜2月に姫島に行って店で見かけたら絶対に入手しましょう。
いかがでしたでしょうか。七不思議は他にも浮州(沖合の小さな洲に漁業の神様を祀っており、お堂と鳥居は決してしずまないと言われています)、浮田(お姫様が島民を救済するため池を埋めて田んぼを作ったのですが、その際大蛇の夫婦のメスの方を誤って生き埋めにしてしまい、ゆれる田になってしまったそうです)があります。七不思議以外にも、弘法大師が野宿してお姫様の夢を見た場所など、面白いスポットが満載です。
残りの不思議は、ぜひあなたが直接行って探してみてください。
この記事の関連MEMO
この記事を書いたナビゲーター
やまざき にんふぇあ
東京に生まれて東京の大学に進学し、そのまま東京で電機機器メーカーに就職するという無味乾燥な人生をおくってきました。その反動か自分の知らない世界への好奇心は人一倍で、休日は大抵読書か旅行をしています。「…
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索